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タイトル:不器用な君に恋をした
4月。桜が東京の空に舞う中、一人の少女が駅のホームに降り立った。
北海道から東京へ_。
はるか
カートを引きながらきょろきょろと見渡すその少女の名は
一ノ瀬はるか(いちのせ はるか)。
小柄で華奢、白い肌にすっと通った鼻筋、少し垂れた大きな瞳が印象的な高校二年生。
見た目の可愛さとは裏腹に、芯は強く、環境が変わっても“自分らしく”を忘れない。
その日、彼女の運命は動き出した。
新しい制服に袖を通し、はるかは都内の高校「黒龍学園」に転入した。
入学初日。昇降口で靴を履き替えていた時、女子たちの会話が耳に入る。
ねえ、今日の転校生、見た?めっちゃ可愛いって噂の……))
((もうTikTokで話題なってるし(笑)
イケメン軍団、騒ぎ出すかもねー))
はるか
そんな言葉を聞きながら、はるかは何気なく廊下へ出た。
その瞬間__
廊下の向こうから歩いてきた、数人の男子。
その中の一人。
髪は無造作に流れ、鋭い目元。けれど、どこか危なげで、猫のように気まぐれそうな男。
はるかの心が、ふっと跳ねた。
はるか
だが…彼は、彼女を一瞥し、ふいっと目を逸らして通り過ぎた。
真一郎
若狭
マイキー
春千夜
そのグループには、はるかの知らない4人の男子がいた。
黒髪で柔らかい雰囲気の“真一郎”。 金髪の小柄な“マイキー”。 鋭い目のツンとした“春千夜”。 そして……無愛想で、だけどどこか目が離せない、“若狭”。
後日、はるかが体育館裏で迷子になっていた時_。偶然、若狭と再会する。
若狭
ぶっきらぼうに言う若狭に、はるかはムッとしつつも、どこか照れくさい。
はるか
若狭
そう言いつつも、なぜかついてきてくれる若狭。
若狭
なんて言われて、思わずドキッとするはるか。
はるか
一方の若狭も、いつの間にか彼女の視線が気になり始めていた。
若狭
真一郎は、はるかのことを見た瞬間、ピンときていた。
真一郎
そしてさりげなく二人を近づけるように、行動を起こす。
真一郎
そんな真一郎の優しさが、じわじわと恋の距離を縮めていく。
春千夜は、はるかが気になる若狭を見つめるのが気に入らない。
春千夜
はるか
春千夜
そう、春千夜は幼なじみのマイキーの横でひたすらツンデレを発揮。
マイキーはアイスを食べながら
マイキー
とニヤニヤ。
少しずつ打ち解けていく二人。
はるかの天然で素直な笑顔に、若狭の心はぐらぐらと揺れる。
だが、自分の不器用さゆえにうまく接することができない。
若狭
だけどたまたま、はるかが他の男子に絡まれているところを目撃し、若狭が_
若狭
言いかけた言葉を飲み込み、無言で彼女を引き寄せたその手の温かさに、はるかは震えた。
はるか
二人の恋はまだ始まったばかり。
けれど、真一郎の優しさ、マイキーと春千夜のからかい、そして東京の春の空の下で__
"「不器用な君に恋をした」"物語は、ゆっくりと、でも確かに動き出していた。