テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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口説かれ大会【茶番】

第1話 - 口説かれ大会【茶番】

103

2023年09月04日

#第5人格

#第五人格

#読み切り

かしえら

－エマの自室－

エマ

あっ、15時になったの！(時計を見て)

エマ

じゃじゃーん！

エマ

お昼に作ったプリンを食べるなの！(冷蔵庫から取り出し)

エミリー

エマー？いるかしら。(扉越しで話し)

エマ

その声はエミリーなの！今扉を開けるなの！(扉を開けて)

エミリー

あら、良かった。

エミリー

ちょうど来てもらいたい場所があるのだけれど大丈夫？

エマ

エマ、今からおやつの時間だけど…。

エマ

エミリーの為ならいいなの！

エミリー

本当にごめんなさいね、急ぎの用事なの。

エマ

一体どうしたなの？

エミリー

来てくれたら多分わかるわ。

エミリー

それと、何か他の人にあげてもいい物とかあるかしら？

エミリー

どうしても優勝賞品が必要らしいから。

エマ

優勝賞品…？

エマ

何だかよく分からないけど、

エマ

じゃあこのプリンにするなの！(プリンを手に持ち)

エミリー

それエマのおやつじゃないの…？

エミリー

本当にあげても大丈夫？

エマ

大丈夫なの！実はこのプリン…

エマ

エマが手作りしたけど、味見はまだしていないなの。

エマ

せっかくだから、他の人が食べて評価してもらいたいなの！

エミリー

そう？エマがそう言うならわかったわ。

エミリー

じゃあ私についてきてね。(そう言うと、小走りで廊下に向かい)

エマ

あっ！

エマ

エミリー待ってなの〜！(プリンを両手に持ちながら後を追いかけ)

－食堂－

エミリー

さて、着いたわね。

エマ

あれ、食堂に着いたなの。

エミリー

うん、人はいないわね…。(食堂の中を見渡して)

エミリー

今この時間帯は、出入りも少ないからひとまず安心かしら。

エミリー

と言うか、

エミリー

ここ以外に人が集まれる場所を思い当たらないわ。ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ‥

エマ

エミリー、エマはどうしたらいいなの？

エミリー

あっ、そうだったわね！

エミリー

じゃあそこの椅子に座っててくれる？

エマ

はいなの！(椅子に座って)

エマ

…あっ、プリンは冷蔵庫に入れておいた方がいいなの？

エミリー

そうね、後で出してもらおうかしら。

エミリー

じゃあ少し待っていてね。

エミリー

すぐ呼んでくるから。(そう言い、廊下に出て)

エマ

エミリー気を付けてなの！

そして数十分後…

エミリー

お待たせ、エマ。

エミリー

待つの退屈だったでしょう？

エマ

ううん、大丈夫なの！

エミリー

そ、そう？じゃあ早速始めるわね。

エミリー

多分、すぐ終わると思うから…。

エミリー

それじゃあ、

エミリー

3人とも食堂に入って来て。(廊下に向かって言い)

カヴィン

やぁ、子猫ちゃん達！

カヴィン

呼ばれて登場して来たよ。(にこにこと笑いながら)

ノートン

なんか連れて来られたんだけど…。

イソップ

えっと…先生。何かするんですか？

エミリー

そうよ、今から3人とも…。

エミリー

……。

エミリー

……。

エミリー

……エマを口説いてもらうわ…。

イソップ

えっ…！？

ノートン

突然だね、先生。

カヴィン

ははっ、そんなのお安い御用だよ！

エマ

？

エマ

口説くってどういう事なの…？

エミリー

エマは、この中から良いなって思った人を決めたらいいのよ。

エミリー

発表は全員終わってからお願いするわね。

エマ

それなら出来るなの！

エミリー

あと、言っとくけど。

エミリー

これは荘園の主からの命令だからね。

エミリー

途中でやめたら、ペナルティが発生するから。

エミリー

くれぐれも気を付けてね。

ノートン

荘園の主って、変なことを企画するの上手だよね。

カヴィン

面白そうだな！俺は最後まで付き合うぜ。

イソップ

と言うか、何で僕達なんですか…？

エミリー

あぁ、それは暇そうにしてたからよ。

エミリー

少しだけでいいの。

エミリー

時間をくれないかしら…？

イソップ

ま、まぁ…。少しだけでしたら大丈夫ですよ。

ノートン

もしやめて、ペナルティが発生するって聞いたら。

ノートン

参加せざるを得ないよね。

カヴィン

あぁ、強引な先生も素敵だよ。

エミリー

皆、ありがとう。

カヴィン

そう言えば、優勝者に何かあるのかい？

エミリー

えぇ。

エミリー

場を盛り上げる為か、用意しろとも言われたわ。

エミリー

エマ、出してくれる？

エマ

はーいなの！(冷蔵庫を開けて)

エマ

エマの手作りプリンが食べられるなの！(手に持ちながら)

カヴィン

おぉ、エマが作ったのかい？

カヴィン

これは是非とも優勝しなくてはな！

ノートン

何でもいいけど、

ノートン

勝負する以上は勝ちたいよね。

イソップ

えっ？何で皆さん、そんなにやる気があるのですか…。

エミリー

じゃあ、最初は誰からする？

エミリー

あと、制限時間は1分よ。

エミリー

淡々と終わらせてね？

カヴィン

先生、俺が先でいいかい？

エミリー

じゃあ、最初はカヴィンさんからね。

エミリー

あと、他の人は終わるまでお口チャックよ。

カヴィン

それなら、始めようか。

カヴィン

やぁ、エマ！今日も笑顔が素敵だね。

エマ

ありがとうなの！カヴィンさんも笑顔がとても素敵なの！

カヴィン

いや、エマには負けてしまうよ。

カヴィン

君の笑顔は、いつも周囲の人達に元気を与えている…。

カヴィン

まさに、太陽のように眩しいくらいだよ。

エマ

そう、なの…？

エマ

えへへ、そう褒められると嘘でも嬉しいなの！

カヴィン

俺がエマに嘘をつくとでも…？(距離を詰め)

エマ

…！カヴィンさん？

カヴィン

俺はね、

カヴィン

好きな女性には本当の事しか言わないのさ。

カヴィン

だから、エマ。

カヴィン

君を誰にも渡さないよ、

カヴィン

俺がエマを全力で守るからね。(笑みをこぼし)

エマ

カ、カヴィンさん…！(顔を見つめて)

エマ

今日はいつもより、大人っぽく見えて素敵なの…！

カヴィン

ははっ、そうかい？

カヴィン

じゃあもっと、大人っぽい事してあげようかな…？

エミリー

はい、そこまでよ。

エミリー

カヴィンさんお疲れ様。

カヴィン

おぉっと、もう1分経ったのか。

カヴィン

じゃあ期待してるぜ、子猫ちゃん？

ノートン

…これが、大人の色気って事なのかな？

イソップ

僕に聞かないで下さいよ…。

エミリー

それじゃあ、次はどっちが行くのかしら？

ノートン

じゃあ、僕が先に行っていい？

エミリー

えぇ、イソップ君が良ければだけど。

イソップ

あっ、どうぞ…。

ノートン

うん、ありがとう。じゃあ始めるね。

ノートン

ねぇ、エマさん。

ノートン

好きな人っている？

エマ

好きな人なの？うん、いるなの！

エマ

エマは荘園にいる皆が好きなの！(笑顔で)

ノートン

へぇ、エマさんらしいね。

ノートン

じゃあさ、僕がエマさんの事…

ノートン

1番好きって言ったらどうする？

エマ

それはとっても嬉しいなの！

エマ

エマが1番なのは、少し照れちゃうけどなの…。

ノートン

ううん、僕はエマさんのそういう所に惚れたんだ。

ノートン

表情が豊かで凄く可愛い…。

ノートン

エマさんのすべてが愛おしいよ。

ノートン

僕は、エマさんの1番好きな人になりたいんだ。

ノートン

ねぇ、僕じゃ駄目…？

ノートン

他の人なんて、僕が忘れさせてあげるからさ。

エマ

そ、そんなに言われると…。

エマ

エマも何だか恥ずかしくなっちゃうなの…！(少し顔が赤くなって)

エミリー

はい、そこまでよ。

エミリー

ノートンさんお疲れ様。

ノートン

もう時間か…。

ノートン

ふふ。エマさんが良ければ、僕を選んでほしいな。

カヴィン

はは、ノートンは攻めるねぇ。

イソップ

カヴィンさんも相当だと思いますが…。

エミリー

最後はイソップ君ね。

エミリー

もう始めても大丈夫かしら？

イソップ

あっ…、はい…。

イソップ

で、では。始めますね…。

イソップ

あの、エマさん…。

エマ

イソップさん、どうしたなの？

イソップ

僕が最初、この荘園に来た時。

イソップ

道に迷っていた僕に、優しく声をかけてくれたのは貴女でした…。

イソップ

エマさんはいつも元気で、

イソップ

誰に対しても優しい所が素敵だと思います…。

エマ

そんな事ないなの、イソップさんも優しいなの！

イソップ

そ、そうですかね…？

イソップ

…あっ！えっと、つまりですね。

イソップ

僕は、そんな貴女が無理をしているんじゃないかと思うんです。

エマ

そ、そう見えるなの…？

エマ

でも大丈夫なの！エマは無理なんかしてないなの！(ニパッと笑い)

イソップ

そ、それでも！

イソップ

エマさんが無理をしていたのなら、僕は…。

イソップ

貴女を支えてあげたいです…。

イソップ

貴女だけの理解者として、僕を頼ってほしいです…。

イソップ

その…、

イソップ

頼りないかもしれませんが…。

エマ

！イソップさん…。

エミリー

はい、そこまでよ。

エミリー

イソップ君お疲れ様。

イソップ

……。

イソップ

……。

イソップ

あっ、はい！すみません…。

エミリー

だ、大丈夫？

エミリー

顔がとても赤いけど…。

イソップ

い、言わないで下さい…先生。(顔を手で隠して)

カヴィン

ほう、イソップもなかなか言うじゃないか。

ノートン

顔は真っ赤だけどね。(ニヤニヤしながら)

エミリー

さて、これで全員終わったわね。

エミリー

エマ、誰が1番良かったか決めてくれる？

エマ

はいなの！

エマ

えっとね、良かった人はね…。

エマ

全員なの！

カヴィン

くっ…！俺だけじゃなかったか。

カヴィン

いや、この結末を子猫ちゃんが望むなら俺はそれでいい！

ノートン

まぁ、正直。薄々気付いていたけどね。

ノートン

でも引き分けは少し悔しいかも。

イソップ

僕はどちらでもいいですけどね…。

イソップ

取り敢えず、無事終わったみたいなので…。

エミリー

えぇそうね、皆良かったわよ。(にこりと笑い)

エマ

じゃあ3人とも、

エマ

エマのプリンを召し上がれなの！(プリンを順番に渡して)

カヴィン

おぉ、ありがとうエマ！

カヴィン

丁度お腹が空いていたんだ、気が利くじゃないか。

イソップ

あれ、1個しかなかったんじゃ…？

ノートン

どうやら、3等分したみたいだね。(プリンを手に持ち)

イソップ

そ、そうみたいですね…。(プリンを渡されて)

エミリー

じゃあ後はごゆっくり。

エミリー

私はまだ仕事が残ってるから先に帰るわね。

エマ

あっ！エマも何か手伝うなの！

エマ

エミリーの為ならエマ、頑張るなの！

エミリー

あらあら、エマったら…。

エミリー

じゃあ、少し手伝ってもらおうかしら？

エマ

任せてなの！

エミリー

じゃあ3人とも、今日は付き合ってくれてありがとう。

カヴィン

とんでもない、俺は楽しかったよ？

ノートン

まぁ…たまには悪くないかも。

イソップ

お役に立てたなら良かったです…。

エミリー

ふふ、それじゃあまたね。(食堂を出て行き)

エマ

…あっ！3人とも。

エマ

後でプリンの感想を聞きたいから、

エマ

その時はまたよろしくお願いしますなの！

エマ

じゃあバイバイなの〜！(手を振って廊下に向かい)

カヴィン

あぁ、また会える日を楽しみにしておくよ。

ノートン

エマさんもまたね。(笑みを浮かべ)

イソップ

ま、また明日…。

カヴィン

…さて。

カヴィン

エマが俺の為に作ってくれたプリンを食べてみようか。(1口食べて)

カヴィン

…！？

イソップ

ど、どうしました…？

カヴィン

…う、うん。

カヴィン

…なかなか個性的な味だな。(笑顔を崩さず、顔色を青くして)

イソップ

えっ、大丈夫なんですか…。(そう言いつつ、プリンを1口食べて)

イソップ

んぐっ！？か、辛い…。

イソップ

エマさん、もしかして…砂糖と塩間違えたんじゃ…。(顔を青ざめて)

ノートン

どうしたの、2人とも？

ノートン

手が止まってるよ。

カヴィン

ノ、ノートン。お前は食べないのか？

ノートン

うん。2人とも見て察したから。

カヴィン

こんな美味しい物を食べないなんて、

カヴィン

ノートンはどうにかしてるなぁ。(もう1口食べて)

カヴィン

…っ！か、辛い…。(小声で)

ノートン

ったく、しょうがないなぁ。

ノートン

味の感想は僕が上手いこと伝えておくから、

ノートン

2人とも残しちゃ駄目だよ。

ノートン

じゃあ行ってくるね〜。(食堂を出て)

イソップ

あっ…ノートンさん！

カヴィン

お、おい！ノートン待て…！

カヴィン

くっ…！今すぐ追いかけたいが。

カヴィン

食べ物を粗末にしてはいけないな。

イソップ

カヴィンさん変な所で真面目ですよね…。

カヴィン

何を言っているんだ、作ってくれたプリンに罪は無いだろう？

イソップ

あっ、じゃあ僕が追いかけるので。

イソップ

僕の分も食べてくれていいですよ。

カヴィン

イソップ、お前まで逃がさないぜ。

カヴィン

一緒にノートンの分も手分けして食べるぞ！

イソップ

うぅ…、やっぱり食べないと駄目ですか…。

終わり

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かしえら

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