芸術家とか
クリエイティブな仕事をしたい、 なんて君は言ったけど
どんな仕事でもさ
代わりのきかないなんてことはなくて
例えば君が 君にしか描けない絵を描いたとしても
その絵を愛する人が どんなにたくさんいたとしても
どれだけの人が君を知り
君を覚えていてくれるだろう
ヒトは
いくらでも代わりに 夢中になれるものを 見つけることができて
それでも君は
自分の絵を描き続けなければならない
僕は
どうしても君でなくてはダメで
君は
そんな僕を一時の気の迷いだと笑った
例えば君が
素晴らしい絵を描きあげて
それを望む人がたくさんいて
君が自分の仕事に満足するだろう、
その時に
例えば君が
君の思うように絵が描けなくて
自分を不甲斐なく感じて
一筋の涙を零すだろう、
そんな時に
ただ側にいて
肩を抱く仕事を僕にくれないか
どんな仕事でも代わりはきくんでしょ と
君は呆れた
いくらでも代わりはいるだろうけど、誰にも譲りたくないんだと
僕は言った
君はそれから
クリエイティブな仕事、 にはつかないで
少し窮屈な、 けれど やり甲斐のある仕事をし
絵も描かず
そして
今
腕に小さな命を抱いている
思えば こんなにクリエイティブで
代わりのきかない仕事って、 他にないよね
と
君は笑った
コメント
1件
私も、そうなりたいな。。