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『もう、失わない為に。』

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『もう、失わない為に。』

8 - Episode8 もう、失わない為に。

♥

108

2024年11月11日

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Episode8 もう、失わない為に。

今回最終回なんですよ。(唐突。) 久しぶりすぎて予告したか覚えてないんですけど 今回最終回→次回tgktの予告 っていう流れで行かせてもらう予定です。 ちなみにこの段階で書き終わってますが、 100タップ1000文字超えなのでご注意を。

atから連絡があった。

(同じ家の中でだけど…)

送られてきたのは平仮名4文字と2文字。

簡潔な文章だったけど、

俺の心を騒がせるには充分な内容だった。

ak

at、入るよ。

『きて』『たすけて』なんて

文面だけとはいえ、atがそんなことを訴えるのは初めてだ。

熱で相当不安定になってるのか、

はたまた悪い夢でも見たのか。

おそらく前者だろう。

 

 

 

 

  

   

ドアを開けると、

さっきまでは気にならなかった埃や、

処方箋のゴミで溢れかえったゴミ箱に目が付く。

そんなこと気にしている余裕もないのに、

俺が目についたものを連絡した原因にして、

精神を安定させようとしているのかもしれない。

ak

…at、どうしたの?

焦る気力も起こらなかった。

焦るほどの力も残されてなかった。

at

…ぁッ、き…?

ak

……そうだよ。

ak

どうしたの…?悪い夢でも見た?

atを焦らせないように。

それでいて怖がらせないように

一定距離を保って、視線を合わせるようにする。

距離を詰めすぎると、

殴られるのかと怯えさせてしまうし

視線が合わないと不安にさせてしまうから。

at

ぅ…ん、ッ…ak…

at

ごめ、…邪魔しちゃった…

ak

大丈夫だよ。呼んでっていったのは俺だから。

体調が悪いのも相まって

喋るのも精一杯なのだろう。

途切れ途切れな言葉から申し訳無さを感じる。

ak

何かあったの?

ak

なんかやること、

あったら教えてほしい、と続けようとした所で

at

……行かないで…

今まで言われたこともない、

atなりの最大のSOSが聞こえた。

 

 

      

at

おいていかないで、はなれないで…

聞いてるこっちが不安になるくらい悲痛な声

俺の心臓も痛いくらいに鼓動している。

ak

……

なんて答えればいいのかわからなかった。

置いていかないことも離れないことも保証できない。

不安定なatに無責任に話しちゃダメだ。

…それでも一つ、俺に語れるのは。

ak

atが望むならおいていかないし離れないよ。

ak

もし…atが望むなら離れるよ。

atが望むなら、俺は君を愛す。

愛は=相手に譲ることだとしたら。

atが望むことがどんなに都合が悪くても

叶えてあげたいし時には察してあげたい。

これは俺の独占欲だけど…ね。

 

   

    

ak

───怖いんだ。

ak

俺が実力不足なせいで、また大事なものを失くしちゃうのが。

あの時失った、否…奪ってしまったのは。

atの刺激のない、 つまらない、それでいて平和な日常。

ak

…もう、失わない為に。

ak

俺はatが拒絶するまでは執着するし

ak

拒絶するなら手を引く。

at

……拒絶、しないよ。

ak

……よし、約束しよ?

ak

俺はatが望む限り尽くす。

at

……うん。

at

…俺も、akに返せるように…

ak

うん、約束だよ。

at

…やくそく。

    

    

   

ak

…ん、

どうやら昨日はこのまま寝てしまったようだ。

ベッドサイドのデジタル時計は9時を示していた。

スマホにはまぜちからの通知がいくつか。

……今日は吹っ切れてお休みしようかな。 atもまだ体調悪いかもだし。

at

……ぅぁ、ん…

at

ぁ…、きっ……?

そんなことを思考していると、

atが僅かな声を上げて目を覚ました。

ak

おはよう。大丈夫?まだ体調悪い?

at

…ん…ぇへえ……

ak

at?どうしたの?

at

ん…やぁ、

at

…夢じゃないんだなぁ…って、

 

   

    

『もう、失わない為に。』本編完結。

『もう、失わない為に。』

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コメント

3

ユーザー

アァァァァァatちゃん、ちゃんと伝えられたやぁん、頑張って伝えれてえらいよォ泣 akも大丈夫そうでよかった、atちゃんが望むことはなんだってするって、それだけatちゃんを愛してるんだなぁって思えるし、大事にしたいってことが伝わってくるな、 この2人に平和が訪れるのか、平和に気づけるのかは分からないけど、ふたりが永遠に、お互いを愛し合えますように…

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