主
主
主
主
僕は今、逃げている。
何故か。親族は皆、僕の事を較べて蔑む。
猛烈に憂鬱であるためだ。
桂
余りにも辺りが暗すぎる。
戻らなければいけない。
…が、何をされるかも判らない。
どうせ亦、僕の事を見下して来る。
理不尽な説教が待っている。
其の様な事をふと考えるだけで眩暈がする。
桂
僕はたった一人、橋の中心で立ち尽くす。
何処からともなく、聴いたことの無い声が、
無駄に高くて不快な声が、
僕の耳元を刺してきた。
ふと、後ろを向く。
桂
黒い、靄。
その禍々しい手からは想像もできない優しさで、僕の頬をそっと撫でた。
頬から顎、顎から首…と、段々と其の手は位置をずらしていく。
桂
僕が其れを掴んでも、無理矢理引き剥がそうとしても微動だにしない。
どんどん、下に。
僕は覚悟した。
国
後ろから何か、別の声が聞こえた。
遠のいていた意識がゆっくりと戻る…ような気がする。
昨季其処にいた黒い靄は腦から消え掛けている。
国
眼の前の人は僕に問う。
桂
……質問を質問で返してしまった。
僕は自らの身をざっと確認した。
桂
桂
僕は問う。
其の人は少し驚き乍、顎に手を当ててじっ…と考えるような素振りを見せると、
国
どこか優しそうな表情を僕に向けた。
桂
僕はそっと一礼をし、勢いのまま戻るべき場所へと駆けていった。
普段体を動かさないせいか、それとも別の事か。
心音がやけに煩く感じた。
あれから数週間が経った。
何も起きていないと言えば嘘になる。
そう。
どうやら…数十年前に去った神が、
亦来てしまったらしい。
𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ𝒹
コメント
2件
何でだろう……この時点で神作の気しかしないのは……末期か?末期なのか?