びたーちょこれーと。

小さい頃から恋愛に興味ない顔しといて

いつだって好きな人の隣にいた。

でもずっと陽向には他に好きな人が居た。

あたしは視野にも入ってなくて。

でもいいんだよね

別にそれ以上望んでない──

陽向が好きだった子

あんだけ強気でいれたのは、両思いだと思ってなかったからだった。

精一杯強がって言った

それから

あたしと陽向は半年くらい話さなかった。

中学3年夏

ある噂を聞いた

中学1年の時

陽向が辻村さんを好きになったとき、辻村さんはすでに陽向を好きだった

辻村さんは陽向が大好きだったはずなのに

俺は離れるまで気付けなかった。

ずっと山田ばっかり見てたこと。

辻村はホントに優しくていつも俺のこと考えてくれた。

だからその優しさに甘えてた。

辻村といるときだって山田のことばっか考えてて

そんな俺に辻村は気付いてたんだよな

別れたあと素直に涙が出た

真っ直ぐ俺を好きでいてくれたやつをどんなにむげにしたんだよ。

どんだけ嫌な役回りさせてんだよ

辻村、辻村って毎日話しかけてきてくれる陽向くんが好きだった

うちに対する気持ちが恋ではないのに気付かず告白してきた陽向くんが好きだった

陽向くんの全部が好きだった

優しくて面白くて明るくて

でも、だからうちが陽向くんを縛るようなことはしたくなかった。

もしかしたらただ拒絶されるのが怖かっただけかもしれないけど

奪いたい、なんて次元とっくに越えちゃってるんだよ

…ありがとう、陽向くん

辻村にも幸せになってほしい

俺が言うのも変だけどさ。

辻村はいいやつだったから

俺には勿体無いくらい。

…ありがとう、辻村

離れてから大切さを知るのじゃ遅いから

ちゃんと1分1秒大切に

山田といたい

…辻村のためにも。

現在 高校2年夏休み