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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで

目を覚ますと、古びたピアノの置かれた埃っぽい部屋にいた。

ユンギ『…何だここ』

何となく置いてあったピアノに触れる。

ユンギ『…懐かしい』

久しぶりに何かを弾こうと両手を重ねた時

風景が一変した。

ユンギ『…え?』

オンマ『何してるのユンギヤ』

オンマ『早く弾きなさい』

ユンギ『あ、え??』

状況が上手く飲み込めない。

何でお母さんがここに居るんだ?

オンマ『聞こえなかった?』

オンマ『早く弾きなさいって言ってるんだけど』

ユンギ『すみません』

何が何だか分からないまま、楽譜に載っている旋律を奏でる。

何故か手も小さくなっている。

まるで、小さい頃に戻ったような感じだ。

オンマ『ユンギヤ、集中しなさい』

ユンギ『すみません』

オンマ『何でこんな事も出来ないの?』

ユンギ『すみません』

オンマ『私はユンギヤの為にやってるのに』

オンマ『ユンギヤは何も出来ないのね』

ユンギ『すみません』

毎日、毎日

どんなにピアノを練習しても、ダメ出しばっかり

毎日『すみません』と繰り返す日々

そんなのが続いてたら、誰でも心が折れるだろう。

ユンギ『…母さん』

オンマ『何?』

ユンギ『何で俺を認めてくれないの?』

オンマ『何でって…』

オンマ『認める必要が無いから』

ユンギ『え…』

オンマ『正直ピアノに興味無いし』

オンマ『早く家出て行って欲しいわ』

オンマ『あんたのせいで結婚出来ないもの』

ユンギ『……………』

一瞬でも、母さんが俺を愛してくれていると思った俺が馬鹿だった。

結局母さんも自分本位か。

悔しくて、悔しくて

ぎゅっと拳を握り締めた。

その時、あのアナウンスが響いた。

『ミンユンギさん』

ユンギ『…何』

『ユンギさんに1つ提案があります』

『このまま母親に悔しい思いをさせ続けられるか』

『ゲームの管理者を見つけるか』

『どちらがいいですか??』

『個人的には後者の方がいいと思うのですがね』

そんなの、答えは決まっている。

ユンギ『ゲーム管理者を探す』

『ㅎㅎ…承知致しました』

ユンギ『…あれ』

気付けば、あの古っぽい部屋に立っていて

何だか息が詰まりそうだった。

ユンギ『…探してやるよ』

このゲームを仕掛けた、ゲーム管理者とやらをね。

ホソク『う、ん…』

目を覚ますと、遊園地によくある乗り物が沢山置いてある部屋に居た。

ホソク『…遊園地は、嫌いなんだけどな』

遊具に触れると、あの日の記憶が鮮明に蘇ってきた。

ホソク『パパ、ママ!!』

アッパ『どうだホソガ、楽しいか?』

ホソク『うんッ、楽しい!!』

オンマ『ㅎㅎ良かった』

あの日、僕は遊園地に来ていて

パパとママと僕の3人で楽しんでいた。

ホソク『パパ、次あれ行きたい!』

アッパ『お化け屋敷だけどいいのか?』

ホソク『おばけやしき??』

オンマ『んー…怖い所だよ!!』

オンマ『お化けが出てくるの』

ホソク『おばけ怖い…』

ホソク『でも、行きたい!!』

アッパ『分かった分かったㅋㅋ』

アッパ『じゃあパパと一緒に行くか』

ホソク『うんッ!!』

僕の手より倍あるパパの手を握って

人生初のお化け屋敷へ行った。

ホソク『うぅ、怖いよぉ…』

アッパ『大丈夫だよ』

暗闇で見えない中

パパと道を少しずつ進んでいく。

そして、お化けが驚かせて来た時

僕はとっさに逃げてしまい、パパとはぐれてしまった。

ホソク『パパ…どこぉ…?』

いくら歩いても、出口も見つからなければパパも見つからない。

心細くて1人で泣きながら歩いた。

ホソク『…あれ??』

随分長らく歩いたのに、お化けが1人も出てこない。

なんでだろう…

なんとなく後ろを振り返る。

すると、ほんのり明るい光が見えた。

ホソク『パパ??』

不思議に思って、そこへ行くと

赤い炎が目の前に広がっていた。

ホソク『え、え?』

無意識に体が動いていて、炎からなるべく離れた。

ホソク『パパ、どこ??』

ホソク『火が来てるよ、怖いよッ』

煙も充満してきて、上手く息が出来ない。

ホソク『はぁーッ、はぁーッ…』

ホソク『パ、パ…』

意識が朦朧とし、目を閉じかけた時

どこから現れたのか、パパが僕を抱えて外へ走った。

はずなのに。

未だに息苦しさが続いている。

何で、どうして

僕の記憶と違うじゃないか

ホソク『た…すけ…てッ…』

息が上手く吸えないどころか、呼吸さえ出来ない。

肺と喉が焼けるように熱い。

身体中から冷や汗が出て、止まらない。

僕、死んじゃうのかな

本当に意識が飛びそうになった瞬間

先程聞いたアナウンスが響いた。

『チョンホソクさん』

ホソク『は、い…』

『ホソクさんに1つ提案があります』

『このまま火に抱かれて死ぬか』

『ゲーム管理者を見つけるか』

『個人的には後者の方がいいと思うのですがね』

今の僕に、迷ってる暇なんて無い。

ホソク『管理者を、探すッ…』

『ㅎㅎ…承知致しました』

ホソク『ッ、はッ…』

遊具が沢山ある部屋に戻った事に、心から安心感を覚えた。

息を吸える喜びをこんなに噛み締めた事は無い。

ホソク『…探さなきゃね』

僕が生き残る為にも

この下らないゲームを終わらせてやるんだ。

この作品はいかがでしたか?

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コメント

34

ユーザー

あとはマンネラ!みたいです!

ユーザー

むむむむむッ!?こんな神作品初めて見たぞ!?つづきまってます!!

ユーザー

凄いです

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