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テッテテッテテー
奈緒子
軽快な音を立てたスマホ画面を見て奈緒子はガクリと肩を落とす。
横で見ていた朱美はふふ、と口に手をあてて笑った。
朱美
奈緒子
叫びながら奈緒子はスマホの画面を朱美の目の前に突き出した。
爽やかに微笑むイケメンと画面越しに目が合い、朱美は思わず目を逸らす。
朱美
奈緒子
大きなため息を吐き、机に突っ伏す友人の姿を見ながら朱美はこっそりと小さく息を吐いた。
たかが携帯アプリにこうも熱くなるなんて。出来れば部活の方に熱を入れて欲しい。なんて、言えないことを頭の中で考える。
奈緒子
そう叫びながら、いきなり起き上がった奈緒子に朱美は肩を震わせた。
自分の思っていたことが奈緒子に伝わっていないことに安堵し、本日何度目かの息を漏らす。
朱美
奈緒子
ブンブンと手を振る友人に、朱美は頭を抱えた。
奈緒子に収集癖があるのは幼い頃の付き合いでわかっていた。 卵型のチョコレート菓子のおまけを集めるのに、幾度と付き合わされた甘いけど苦い思い出もある。
今奈緒子がハマっているのは、スマホアプリ「演じて王子様!」という乙女ゲーム。 略してエンプリ。 俳優や声優の卵を育てるアプリだ。
最近よく見る設定の乙女ゲームにどっぷりとハマってしまった奈緒子は、お母さんに翌月の小遣いまで前借りして注ぎ込んでいる。
奈緒子
朱美
奈緒子
再度手を上下に振る奈緒子隣の席の田山が横目でちらりと見た。
朱美
現実で好意を持っている人の気も知れないで。
奈緒子
意気揚々とスマホで連絡しようとした瞬間、予鈴が鳴った。
朱美
奈緒子
朱美
引き出しから数学の教科書とノートを取り出す奈緒子に手を振り、自分の席へと朱美は戻った。
友人のスマホが先生に取り上げられたのはそれから数十分後のこと。
奈緒子
朱美
奈緒子
朱美
奈緒子
朱美
奈緒子
朱美
奈緒子
朱美
奈緒子
奈緒子
奈緒子
朱美
朱美
奈緒子
奈緒子
朱美
朱美
奈緒子
奈緒子
朱美
朱美
奈緒子
通話
03:10
奈緒子
朱美
奈緒子
朱美
奈緒子
朱美から教わった通りに準備をし、ベットに胡座をかいてガチャを回す。
テッテテッテテーと、お馴染みの音が流れると共にスマホが眩い光を放ち始めた。
奈緒子は訳が分からず、反射的に両腕で顔を覆った。
奈緒子
徐々に光が収まり、奈緒子はゆっくりと両腕を降ろす。
先程まで輝いていたスマホは部屋の隅へと転がっていた。
スマホを確認しようと手を伸ばした瞬間、違和感に気づく。
奈緒子
奈緒子は自分が浮いていることに気づいた。
奈緒子
タケル
奈緒子