夏も真っ盛りの7月後半 クーラーがガンガンに効いた部屋のなかで僕らはいた
大翔
僕は幼馴染みの恭子に話しかける
恭子
恭子は不機嫌そうにその呼び掛けに答える やっているMMORPGに忙しいのだろう
大翔
恭子
大翔
僕がそういうと「変なの」と言いながら恭子は再びゲームの世界に戻った 恭子…僕の幼馴染みで今年で14年目の付き合いになる親友だ 親からよく「あんたたちって双子みたいねぇ」と言われ続けてきた
大翔
恭子には聞こえない声でボソッと呟いた
はっきり言おう 僕は恭子の事が好きなのだ でも同時にその恋心は叶わないであろう事を直感していた
「あくまでただの親友」 その言葉は僕を現実に引き戻す魔法の言葉だった
恭子
横で大騒ぎしている恭子を見てほほえましい気分になる この時間が僕は好きだ 恭子のプレイを見たり、恭子に付き添ってゲームをするこの時間が だからこれは恋心とは別の何かなのだろう。 きっとこんなことを思える相手は過去にも未来にもこの子だけであろう
大翔
きっとこの好きは恋人になりたい類いの好きではないのであろう 恐らくは家族愛に近い何かを、未熟な僕の感情が恋心なのだと勘違いしてるだけなのだ
それにもし僕が彼女に好意を伝えたとしたらどうなる? 今続くのが当たり前だと思っているこの時間が急になくなってしまうのかもしれない
そうなるのはごめんだ
大翔
ゲームが終わったタイミングを見計らって恭子に声をかけた
恭子
大翔
恭子
意地悪そうに笑う恭子をみてくすりと笑いながら
大翔
恭子
にかっと笑うその顔をみて改めて僕は彼女が好きなのだと自覚する でも僕はこのままでいい
彼女とこれ以上一緒の時を過ごそうだなんておこがましいから
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