楓香
ぽかぽかして
良い気持ちだなぁ
良い気持ちだなぁ
ヒュルーン
楓香
風も良い感じだぁ
楓香
さてと、今日のお散歩は
どの方面へ行こうかな
どの方面へ行こうかな
楓香
でも、いつものルートは
飽きちゃったんだよなぁ
飽きちゃったんだよなぁ
楓香
うーん……
楓香
あっ、そうだ!
楓香
今日は風に任せて
みようっと
みようっと
楓香
ってことで、
よろしくね
よろしくね
ヒュルルルーン
楓香
あれ、さっきより
強くなった?
強くなった?
楓香
ううん、きっと
気のせいだよね
気のせいだよね
楓香
それじゃあ
しゅっぱーつ!
しゅっぱーつ!
ヒュルン
ヒュルルン
楓香
右に曲がったと
思ったら今度は左?
思ったら今度は左?
楓香
すごい
楓香
まるで意思が
あるみたい!
あるみたい!
楓香
行った先には魔法使い
とかいるのかな?
とかいるのかな?
楓香
なんだか
ワクワクしちゃう!
ワクワクしちゃう!
楓香
ねぇねぇ、どこへ
連れて行ってくれるの?
連れて行ってくれるの?
楓香
すごい!
楓香
花がいっぱい咲いてる!
楓香
この先には
何があるんだろう
何があるんだろう
テクテクテク……
楓香
竹の柵だ……
楓香
これじゃ先へ進めないよ
楓香
でも気になるぅ……
ググッ
楓香
すごい!
楓香
おっきなお屋敷だ!
??
あんた誰?
楓香
えっ――
グラッ
楓香
わわっ!
ズッテーン
??
だ、大丈夫かい?
楓香
生きてるから
問題ないよ!
問題ないよ!
??
それはそれで
どうなのさ……
どうなのさ……
スッ
??
ほら、立てる?
楓香
ありがとう
楓香
えっと……
??
あたいはカツキ
楓香
カツキ……
カツキ
そう、カツキ
カツキ
あんたは?
楓香
楓香……
カツキ
そう
カツキ
フウカ、怪我してない?
楓香
大丈夫、だと、思う
カツキ
信用できないね
カツキ
家で確認してあげるよ
楓香
カツキのお家?
カツキ
今見てただろ?
カツキ
あれあたいの家
楓香
そう、なんだ……
カツキ
なんだい、
人の顔ジロジロ見て
人の顔ジロジロ見て
楓香
いや、なんか
美人だなぁ、と
美人だなぁ、と
カツキ
なっ!?
カツキ
いやいや、
そんなことないから!
そんなことないから!
楓香
そんなことあるよ!
カツキ
ぜぜ、
絶対そんなこと――
絶対そんなこと――
ボワンッ
楓香
鬼……?
カツキ(真の姿)
ふ、フウカっ、
あの、これは……
あの、これは……
楓香
ごっ、ごめんなさぁい!
ピューッ!
カツキ(真の姿)
ちょ、ちょっと
待って――くれないよな
待って――くれないよな
カツキ(真の姿)
はぁ、
また友達作り
失敗しちまった……
また友達作り
失敗しちまった……
楓香
現代にも鬼が
いたなんて……
いたなんて……
楓香
小さい頃から昔話が
大好きだったこの私、
佐鳥楓香がまさか
鬼に会うとは
思わなかったなぁ
大好きだったこの私、
佐鳥楓香がまさか
鬼に会うとは
思わなかったなぁ
ゴロンッ
楓香
待てよ?
楓香
私カツキの姿に
びっくりして
逃げちゃったん
だっけ……
びっくりして
逃げちゃったん
だっけ……
ムクッ
楓香
次会ったら
謝らないと
謝らないと
楓香
いや、早いほうが
いいから明日にでも
行かなくちゃ
いいから明日にでも
行かなくちゃ
コンコンッ
楓香
はーい
幸香
入るわよ
楓香
どうしたの?
お姉ちゃん
お姉ちゃん
幸香
どうしたもこうしたも、
あんた騒がしいのよ
あんた騒がしいのよ
楓香
ごめんごめん
幸香
ところで
『鬼に会うとは』って
聞こえたけど、
あんた夢に
鬼出てきたの?
『鬼に会うとは』って
聞こえたけど、
あんた夢に
鬼出てきたの?
楓香
うん、まぁ、
そんな感じ
そんな感じ
幸香
あんたずっと
昔話好きだもんね
昔話好きだもんね
幸香
でもいつかは
離れる時が来るわよ
離れる時が来るわよ
楓香
まだ中学生だもん
幸香
もう中学生、でしょ?
幸香
他の子はとっくに
離れてるわよ
離れてるわよ
楓香
いいじゃん
好きなんだから
好きなんだから
幸香
……そうね
幸香
そういえば
夕飯できてるって
夕飯できてるって
バタンッ
楓香
何が言いたかったんだろ
楓香
まあいっか
翌日
楓香
どこだったっけ……
キーンコーンカーンコーン
楓香
お昼の鐘……
楓香
午前中は
見つからなかったな
見つからなかったな
楓香
しょうがない、
お腹空いてるし
一回出直そう
お腹空いてるし
一回出直そう
ガチャッ
楓香
行ってきまーす!
楓香
今度こそ
見つけるんだから
見つけるんだから
楓香
カツキに昨日のこと
謝って、改めて
友達になるんだ!
謝って、改めて
友達になるんだ!
ビューンッ
楓香
うわっ!
楓香
風よ、お願い
楓香
昨日の花園まで
案内して!
案内して!
楓香
来れた……!
楓香
カツキはどこだろう?
楓香
カツキー!
楓香
カツキー?
楓香
どこー?
カツキ(真の姿)
その声、フウカ?
楓香
カツキ!
楓香
私昨日のこと
謝りに来たの!
謝りに来たの!
楓香
驚いて咄嗟に
逃げちゃって、
本当にごめん!!
逃げちゃって、
本当にごめん!!
カツキ(真の姿)
そんなに叫ばなくても
聞こえてるよ……
聞こえてるよ……
楓香
ハッキリ言わないと
伝わらないと思って
伝わらないと思って
カツキ(真の姿)
とりあえずそっち行くよ
カツキ(真の姿)
待っててくれるかい?
楓香
もちろん!
カツキ(真の姿)
よっと
楓香
すごい身体能力……
楓香
カツキって本当に
鬼なんだね
鬼なんだね
カツキ(真の姿)
正確にはハーフだけどね
カツキ(真の姿)
それで、フウカは
あたいの正体を
知った上でよく
ここへまた来たね
あたいの正体を
知った上でよく
ここへまた来たね
カツキ(真の姿)
鬼が怖くないのかい?
楓香
私昔話好きでさ、
鬼の話もいろいろ
読んでるの
鬼の話もいろいろ
読んでるの
楓香
だから優しい鬼も
いるってわかってた
いるってわかってた
楓香
それなのに……
カツキ(真の姿)
そこはもう
気にしてないから、
そんな悲しい顔
しないでおくれよ
気にしてないから、
そんな悲しい顔
しないでおくれよ
楓香
わかった!
カツキ(真の姿)
……切り替え早いね
楓香
よく言われる
カツキ(真の姿)
そうかい
カツキ(真の姿)
それにしても
どうやって
ここまで来たんだい?
どうやって
ここまで来たんだい?
楓香
風が連れてきて
くれたの
くれたの
カツキ(真の姿)
風が……
カツキ(真の姿)
それはまたすごいね
楓香
うん
楓香
きっと私達が
仲良くなれると
思ったから
案内してくれたんだよ
仲良くなれると
思ったから
案内してくれたんだよ
カツキ(真の姿)
なるほどね
カツキ(真の姿)
と、いうことは
フウカはあたいと
仲良くしてくれる
ってことかい?
フウカはあたいと
仲良くしてくれる
ってことかい?
楓香
そうだよ!
楓香
よろしくね!
カツキ(真の姿)
ああ、こちらこそ
よろしく頼むよ
よろしく頼むよ
おしまい






