桜が舞う。
春色の光が俺を包み込む。
ふと隣を見やると、春に包まれる奴がもう一人。
?
自分に言い聞かせるように 小さく呟いた。
If
桜を映す、空を閉じ込めたような 瞳が揺らめき、こちらを捉える。
透き通るような柔らかな髪が風に揺れる。
長めの睫毛を上下させ、花のように微笑む。
?
その笑顔は儚くて、今すぐにでも 散ってしまいそうだった。
?
桜の花びらが地面に落ちる。
If
驚いたように瞳を瞬かせ、 柔らかく微笑む君。
思わず心臓が跳ねる。
いつの間にか集合を知らせる鐘が鳴り、 はっとした表情を見せる。
?
うららかな春の日に、 名前も知らない君に恋をした。
桜の付いた新品の革靴を靴箱にしまい、 少し遅れてクラス表を眺める。
俺の名前は二組の欄にあった。
If
教室のドアを開ける。
すでにほぼ全員が揃っていたようだ。
全員の視線が一斉に俺に刺さる。
そこに君は居ない。
適当に移動し、席に座る。
窓から桜の舞う校庭を眺める。
白いカーテンが桜の花びらと共に 流れるように吹き込んでくる。
、、、、またね!
その別れを惜しむように生暖かい風が 頬を撫でる。
If
下校を知らせる鐘が鳴る。
If
そう自分に言い聞かせ、今朝の 桜の下へ向かう。
?
こちらに気付くと桜の中から微笑む。
?
その笑顔を見て、思わず俺も微笑み返す。
君は驚いて、嬉しそうに目を細める。
?
少し幼いような透き通る声に、また 心を掴まれる。
If
?
桜が舞い落ちる。 その沈黙を掻き消すように声が近づいてくる。
?
?
、、、淡い藤色の瞳。
?
俺を見ると、驚いたような表情になる。
?
?
?
初兎と呼ばれた奴は、こちらを見やってから 俺達に背中を向けた。
?
睫毛の奥から水色の瞳が こちらを真っ直ぐ見つめる。
If
?
その時を待っていたかのように 風が吹く。
?
桜の花びらを踏んで駆け出す。
If
手を伸ばしたが、小さな君の背中には届かない。
宙を切った俺の手が 花びらを掠る。
またここに来れば、、、、
If
本当にまた来てくれるかな?
入学式からここに通うようになって どれくらい経つのだろう。
?
ベンチに座っていた君は本から顔を上げ、 こちらを見つめる。
If
どこか期待のこもったような、 少し切なげな瞳が俺を捉える。
?
?
アホ主
アホ主
アホ主
コメント
7件
天才!!好きな人⁉️誰だ!
絵も上手で物語の才能もあるとは……天才か
フォロー失礼します!ちょっと前から見てたんですが、最高すぎて、最高です!(?)