名鳴(なな)
小学生の頃お母さんに言われた。
小学生の頃。
名鳴(なな)
え、
母
このノートを全て埋めたら一つだけ好きなものを買ってあげる。
名鳴(なな)
でもこんな重たいの持ってけない。
母
たった一つで何を言っているの。
母
世の中そんな甘くないの!
名鳴(なな)
分かった。
母
あと、部活も禁止。友達作るのも禁止。学校以外で1人で外に出ることも禁止。家に帰ったら私に言うのよ。
名鳴(なな)
え、なんで!?
母
うるさいわね!
母
私の言うことを聞けないならこの家から出てって。
名鳴(なな)
ごめんなさいママ。
母
それでいいの。
名鳴(なな)
全て母が私の人生を奪っていた。
名鳴(なな)
でも
名鳴(なな)
私が中学に入った頃母は仕事によるストレスで死んでしまった。
名鳴(なな)
そして離婚した父と住むこととなった。
名鳴(なな)
ただいま〜。
父
おう!おかえり〜
名鳴(なな)
また酔ってる。
父
彼氏出来たか?
名鳴(なな)
またそれ?何回も聞かないで。出来てないよ。
父
あぁ??
父
なんだその傷?
名鳴(なな)
あ、これ?学校で転けちゃって。
父
そうか、きおつけろよな!
名鳴(なな)
うん。じゃあ先寝るね。おやすみ、
父
おぅ、おやすみ
名鳴(なな)
(言えない。この傷は自分で作った傷なんて。)