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#こさめ
ことみ
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読了しました。今回のエピソード、一番印象に残ったのは **なつ のリアルな怒りと、それでも手を離さない接し方** です。らんが嘘をつく場面、なつが顔を近づけて「怒ってねぇから」と言うところ、声はもう怒ってるのに手は優しいのがたまらなかったです。そしてすちの「^^」マークが本当に怖くて…(笑)。長年放置してきたツケを、兄弟全員で少しずつでも取り戻そうとしている空気がとても伝わってきました。次はらんがちゃんと長期管理薬を使える日が来るのか、すちの反応も含めて続きが気になります!
六奏病院で定期検診が決められた日。
なつ
と なつ が忠告をして仕事に出ていった。
本日、こさめ は いるま について行ったので二人は病院。
すち も仕事なので病院。 当然 なつ も仕事のため病院。
みこと は買い出しのため一時間程前に出掛けた。
……つまりはこの家には現在 らん 一人だけと言う事になる。
らん
教科書とノートを広げて勉強をしていた らん は授業では解き方の分からなかった問題を教科書を読み込んで理解し試しに問題を解き始める。
……手を止めてチラリと部屋の壁に掛けられている時計を見た。 既に14時を回っている。
らん
まだ吸入器の薬も残っているし、今日行かずに〇〇病院に予約を入れて行ってしまえば良いだけの事だ。
なつ の診察とか受けたくない。何されるか分かったもんじゃない。
不意にバタバタと廊下の方から足音が聞こえて来てそちらを振り返った瞬間、ノックも無しに部屋の扉が開かれた。
みこと
らん
みこと
らん
みこと
みこと
またバタバタと出ていく みこと に小さく笑う。
あー……嫌だなぁ……。
そう考えながら手元の勉強に戻った。
数分経って みこと が階段を駆け上がってくる。
みこと
らん
みこと
勉強の手を止めない らん に、もー!!と みこと は声を上げて仕度を始める。
らん の診察券の入った財布、それから使用していた二種類の吸入器を鞄に詰め込んだ みこと が、未だに勉強を止める気配のない らん の腹部に手を回す。
らん
みこと
らん
らん
みこと
らん
簡単に言えば軽々く俵担ぎにされてしまった。
それから抵抗も虚しく車に押し込められ、みこと 運転の元六奏病院へと向かった。
なつ
らん
らん
なつ
深々としたため息を吐く なつ の白衣姿は、まぁ…似合っている部類なんじゃないだろうか…?知らんけど。
なつ
らん
なつ
らん
らん
なつ の言った通り、らん は左手にずっとシャーペンを持ったままだった。
正直邪魔だったので何故手放さなかったのかと数十分前の自分に言いたい。
っていうか普通に鞄に仕舞えば良かったくね…?と今更ながらに思い立って鞄に仕舞う。
なつ
らん
なつ
らん
なつ
らん
らん
なつ
それは綺麗に脅しになるから本当に止めて欲しい。
というか何故嘘だと分かったのか……。
なつ
らん
みこと が鞄の中に全て突っ込んでいた。
発作治療薬の吸入器を渡せばジッと何かを確認している。多分、使用回数のメーターだろう。
……と、考えて、不味い事に気付いた。
なつ
らん
なつ
らん
なつ
らん の両頬を優しく包み、顔を近付けてきた なつ に、慌てて鞄を渡す。
なつ
あの みこと のことだ、絶対に長期管理薬も入っている。
鞄の中にはそれ程ものは入っていないので、直ぐに なつ が長期管理薬の吸入器を取り出してメーターを確認し、そうして眉を寄せて らん を睨み付けた。
らん はと言うと、速攻で顔ごと視線を逸らした。
なつ
なつ
らん
なつ
声がもう既に怒ってんのよ。見れる訳もなくない?ねぇ??
そんな事を考えて居れば、不意に背後から頭を鷲掴みにされて なつ の方に強制的に向けられた。
らん
こさめ
こさめ
こさめ の声が聞こえる……という事は、今 らん の頭を鷲頭かみにして強制的に なつ の方へと向けているのは いるま と言う事なのだろう。
お若い看護師が苦笑いを零しているのが見える。苦笑いしてないでこの双子どうにかしてください。
いるま
いるま
らん
らん
らん
なつ
なつ
なつ
らん
なつ
わぁ、なつ が相当キレてる。
以前の病院の担当医からも最初に忠告されたので知っている。
お金に余裕が出来た時からは必ず長期管理薬も処方すると言われていたがずっと断っていたのだ。
重症化してきていると忠告も受けていた。
なつ
らん
なつ
これガチで相当にキレてるな……。
鞄に吸入器を仕舞って らん に返した なつ がそう指示を出してPCに向き直っている。
未だに頭を鷲掴んでいる いるま の手を叩き落として振り返り、 いるま の隣に居た こさめ に抱き着く。
こさめ
らん
こさめ
らん
いるま
こさめ
らん
こさめ
らん
こさめ
らん
らん
肉も筋肉も付きにくいせいで身長の割りに体重は軽い方だ。
だが流石に こさめ が抱えようとすれば潰れてしまうだろう。
慌てて立ち上がって こさめ の手を引き診察室を後にした。
夕飯を摂り終えていつも通り部屋で勉強をする。
病院に通っているとバレてからは みこと だけがこの時間に良く部屋に飲み物を持ってきてくれる様になっていた。
まぁ……全員にバレてからは時々 みこと 以外も来るようになったのだけれど…。
らん
トントン、とノートの端の方をシャーペンの先で叩く。
そうした所で思い出せる訳も無く助けを求めて教科書に手を伸ばしかけた所で背後から抱き着く様にして手が伸びて来た。
らん
なつ
らん
なつ
突然手が伸びて来るのだから驚いてしまうのも仕方ない。
肘が見事に腹部に直撃し、肩に片腕を置かれたまま逆の手で腹部を押えた人物を見れば なつ だったのだ。
らん
らん
なつ
らん
なつ
ノックしてたのかぁ……全く気付かなかった。
みこと は割と足音を立ててくれるのでノックされる前に気付けるのだけれど……。
なつ
痛みが落ち着いた様で再び手を伸ばして数学で詰まっていた問題の解き方を分かりやすく教えてくれる。
らん
らん
らん
なつ
らん
元より病弱な母のために医者になろうとしていて、母が他界してからというもの病弱な こさめ のために医者になろうとしていたのだし。最初から教師の選択肢は無かっただろう。
なつ
問題を解き終えたタイミングで目の前に吸入器が差し出される。
コレは長期管理薬だ。発作治療薬は使っていたから違うのは分かる。
らん
なつ
らん
なつ
らん
背後から抱き着いてきている形の なつ を振り払って再び勉強に戻る らん に対してかため息が聞こえてくる。
なつ
らん
なつ
文句を言いながら長期管理薬を持って部屋から出ていく。
……なんで持ってくねん、置いてけばええやろ……。
心の中で突込みを入れてから目の前の問題に集中した。
コンコンとノックの音が聞こえたが無視をする。
これが…こうで……、ふむふむ……。
なつ
らん
なつ
コイツ本当に物音立てないんだなぁ……。
いや、らん も確かに物音は立てない方だけれど、もしかしたら なつ の方が本当に立てないかもしれない。
何せノックの音は聞こえたけれど足音も聞こえなければ扉の開く音も聞こえなかったのだ。
不意に再び背後から抱きしめられる様に腕が伸びて目の前に吸入器が差し出される。
らん
なつ
らん
なつ
らん
予習も復習もきちんとしていないと勉強に付いていけない……と、思う、多分。
昔の事が原因でコレが癖になってしまっていたので直せないというのもあるだろうか…。
なつ
らん
なつ
寝る時間を決められる程もう子供ではない。
らん
らん
なつ
らん
なつ
なつ
らん
なつ
あぁ、もう耳元でうっさいなぁ…!!
振り払えば椅子をクルリと回転させられ、昼間に みこと にされたように腰に腕を回され軽々と持ち上げられる。
ちょっと待って身長同じはず何ですけど…?いや、みこと とも4、5センチくらいしか違わないんだけどね…?
混乱していればベッドに放り投げられ、詰め寄ろうとすれば体を反転させられ背後から抱き着かれる様にして腕と体を封じられる。
やっば…力つよ……。
なつ
長期管理薬は手順がある。まず肺の中の空気を吐き出す事す必要があるので抵抗として呼吸していれば服用は出来ない。
なつ
らん
なつ
抜け出そうとしても なつ は体力はない癖して力が強いので無理な話。
なつ
らん
怒ってる。皆にバレてから余程心配されている事は自覚している。
それを“嬉しい”と思っている自分が居て気持ちが悪かった。
だってそれは、前までの関係性では有り得ない事だったから。
今、前までの関係性に戻ってしまったら自分が壊れてしまう事が分かっていたから、こんな些細な事で幸せを感じる自分が気持ち悪かった。
なつ
もう一度怒鳴られて深く吸い込んだ空気を全て吐き出す。肺の空気が空になったタイミングで吸入器をくわえさせられた。
なつ
言われた通りに吸い込む。吸入器のタイプはドライパウダーなので使用者の呼気力が必要になって来るものだ。
なつ
吸入器が口から外される。最後に5秒~10秒程息を止める必要がある。目を瞑りながら息を止め、秒数を数える なつ の声を聞く。
なつ
らん
らん
なつ
らん
らん
吸入器をサイドテーブルに置いてあろうことか らん を俵担ぎにする。
マジで何でこんな軽々と抱え上げる訳?納得がいかない。
そう思いながら なつ の背中を思い切り叩いた。
二階から元気な らん の叫び声が聞こえてくる。
そろそろ寝る時間なので家の窓は全て仕舞っているから近所迷惑にはならないだろうけれど……。
こさめ
いるま
らん が病弱体質だと知ってからと言うもの、らん と担当医になった なつ は毎日の様にこうした喧嘩(言い合い…?)をする様になった。
まぁ、この時間帯にやり合うのは初めてだけれど いるま は何故か知っている。
いるま
すち
いるま
すち
いるま からは言わないでおこう。この世の終わりを悟りたくはない。
「発作治療薬はちゃんと使ってんだから良いでしょ!!?長期管理薬は欲しいとか言ってない…!!」
「欲しい欲しくないの問題じゃねえんだよ!!!!」
おいおいおい、言わないでおこうとか思った いるま の気遣いを返せよ。
相対に座ってる すち が無言で目が座った笑みを零し始めたぞ。
「お前の気道の慢性炎症は重症化してるつってんだ!!発作を起こしにくい状態にするためにお前には長期管理薬は必須なもの!!」
「発作治療薬が効いてるから要らない!!」
「要る要らないの問題じゃねえつってんだろ!!!!」
いつも以上にドンパチやってんなぁ…。
すち
いるま
すち
隣に座っていた こさめ が立ち上がって いるま の背後に隠れるくらいには恐怖の笑みだ。
〇〇病院からの紹介状は、医者の兄弟間に伝達済みなので今まで長期管理薬を処方されていなかったのは知っている。
だが なつ が担当医になってからは長期管理薬が処方されていた。
すち 含め全員使っていると高を括っていたが……まぁ、今回の なつ の怒号で諦めて使い始めてくれる事を願うばかりだ。
「息を吐ききれって言ってんだ!!」
ん、駄目っぽいな?
ニコニコと笑う すち が本当に恐怖以外の何物でも無いので らん には早めに降参して欲しい所なのだけれど…。
「らん!!」
本当に長期管理薬を摂取しないのなら別に方法を考える他無いな…。
そう考えて居れば二階が静かになった。やっと観念して なつ の言う事を聞いたのだろうか…?
いるま
すち
いるま
いるま
すち
本当に分かってんのか…?
「歩けるつってんだろ下ろせクソが!!」
「階段で暴れてんじゃねえ!!!!」
降りて来たと言う事は らん が降参したのだろう。下ろせ、黙ってろ、と言うやり取りが響きながら洗面所の方へと消えて行った。