テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

一覧ページ

ヲタ女と反社【君の名を呼ぶ】〜stand by you〜

第10話 - 第8話【怒号】

160

2023年02月18日

#東京リベンジャーズ

#夢小説

#梵天

#大人ロマンス

#ドラマ

#長編

月銀澪

竜胆

病院来るの久しぶりだな

蘭

まあ、なかなか休み
取れなかったもんな

蘭

夢ちゃん元気にしてるかな

竜胆

そういや九井から聞いた話では、もう足治ったらしいぜ

蘭

ってことは、
もう歩けるってことか

竜胆

ああ、退院は
一週間後くらいだって

蘭

そっか

ﾄﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

竜胆

ん？なんだ？

蘭

誰が走ってきてる…？

夢

蘭さぁぁぁぁぁぁんｯｯ───!!!!

二人

！？

ドオォンッ！！

蘭

グハｯｯｯｯ?!?!

突然廊下の奥から走ってきた夢は、そのままの勢いで蘭に突撃した。

竜胆

おいおい！？
2人とも大丈夫か！？

夢

蘭さん会いたかったです！

蘭

う、うん…
俺も会いたかったよ

蘭

出迎えの勢い
すごいね夢ちゃんw

夢

ふふっ、ありがとうございます

夢

それより見てください！
私足治りました！

夢はそう言うと嬉しそうに、その場でジャンプした。

蘭

ほんとだ、良かったね

夢

えへへw

看護師

こら夢さん！

すると廊下の奥から、一人の看護師が大きな声で夢の名を呼んで近づいてきた。

夢

げっ！？見つかった！？

看護師

まだ怪我がちゃんと治ってないんですから、安静にと言いましたよね！？

看護師

しかも廊下を走った挙句に、お客様にぶつかってるじゃないですか！

夢

知り合いだから大丈夫ですよ

竜胆

なんだその理由…

看護師

とにかく戻りますよ、悪化
したらどうするんですか

夢

えー、病室窮屈だからやだ！

看護師

わがまま言わないでください

竜胆

（なんか幼稚化してる気が…）

蘭

（ナース達も大変だな…）

蘭

夢ちゃん、色々持ってきた
から、病室で遊ばない？

夢

やった！蘭さんナイス！

蘭

はいはい、早く行こw

竜胆

（兄貴、笑うようになったな…）

竜胆

（なんかすげー安心した）

夢の病室

夢

蘭さん！蘭さん！
何持ってきたんですか？

蘭

夢ちゃんの思い出が
詰まってそうな物かな

蘭はそう言うと、バッグから漫画やらグッズやら色んなものを出してきた。

蘭

これ覚えてない？

蘭

夢ちゃんが俺らに
おすすめしてきたBL本

夢

びーえる…ってなんですか？

竜胆

そこからか、大変だな

蘭

BLってのは、男同士でイチャイチャしたり恋人同士みたいなことすることだよ

夢

そうなんですか

蘭

興味無さそうだね

蘭

前の夢ちゃんなら、俺らがBLの話するとすぐ「ハマってくれたの！？」って食いついてくるのにw

夢

その漫画はなんですか？

蘭

これは、ヤ○チンビッチ部だね

夢

名前のインパクトすごっw

竜胆

こんな露骨な名前のBL本すすめてきた、前のお前のがすごいわ

蘭

そう、インパクトすごいから覚えてるんじゃないかと思ったけど、ダメかな？

夢

はい、ダメみたいです

蘭

うーん、中身見る？

竜胆

ちょっと待て兄貴、今の夢は腐女子じゃねーんだから

竜胆

いきなりそんな過激なのばっか見せたら、色々とマズいだろ

蘭

あ、確かに

夢

まあ、後で読んでみますね

蘭

分かった

蘭

じゃあ、次は夢ちゃん
の赤○秀一フィギュア

蘭

ちゃんとケースに入れて、厳重にしてあるから安心して

夢

赤○…秀一…

竜胆

覚えねぇ？

夢

なんだか、あるような…ないような…

蘭

（これがきっかけだったから、もしかしたらと思ったけど）

蘭

（まだ完全には無理そうか）

竜胆

兄貴、もう無い？

蘭

うーん、めぼしい
ものはもう無いかも

竜胆

そっか〜

夢

………あの、蘭さん

夢

私、ちょっと聞きたいことがあって

すると夢が少し身構えながら、蘭にそう言った。

蘭

何？

夢

前に蘭さんのスマホを
使って、写真を見たあとに

夢

みんなが寝てる間に、少し写真を見てたんですけど

夢

その中に同じ女性の写真が何枚もあって、あれ誰なのかなぁ…と

蘭

…………………

夢

あ…む、無理に答え
なくて大丈夫です！

夢

ただ見覚えがあったので、少し気になっただけなんです

竜胆

兄貴のことだし、気に入ったキャバ嬢の写真でも持ってたんじゃない？

蘭

…ああ、多分そうかも

蘭

どんな感じの人？

夢

髪がお団子でとても美人な人でした

夢

あと、黄色い宝石の付いたピアスが、すごく綺麗でした

竜胆

黄色い…ピアス？

蘭

そっか、多分キャバ嬢か元カノかもね

夢

やっぱそうですよね、
勝手に見てごめんなさい

蘭

大丈夫、気にしなくていいよ

竜胆

………兄貴、ちょっといい？

すると竜胆がそう言って、蘭を廊下に誘った。

蘭

ん？分かった

蘭

夢ちゃん、ちょっと待ってて

夢

はい、いってらっしゃい

蘭はそう言って、竜胆と一緒に部屋を出て行った。

夢

…待ってる間に、このびーえる本？ってヤツを読んでみようかな

蘭

どーした竜胆、急に呼び出して

竜胆

…兄貴、正直に答えろ

竜胆

写真の女、キャバ嬢でも
元カノでもねーよな？

蘭

……………

竜胆

お団子の髪に、黄色いピアス

竜胆

兄貴が知っててその見た目の女なんて、花笠樹以外ありえねーだろ

竜胆

なあ、何しようとしてるわけ？

蘭

………………

竜胆

なんか言えよ

竜胆

もし何かまた一人でしようとしてんなら、そろそろ怒るぞ

竜胆

一人で抱え込むなよ、
俺らが…俺がいるじゃん…！

竜胆はそう言って、少し悲しげな表情を浮かべた。

蘭

…お前には関係ねぇよ

竜胆

…ｯ…！

蘭

俺が勝手にしてること
だし、だから邪魔すんな

竜胆

でも…もしまた一人でやって、取り返しがつかなくなったら…どうすんだよ

蘭

その時はその時だ

蘭

竜胆、勘違いすんなよ？

蘭

これは夢ちゃんの
ためにやってることだ

竜胆

…じゃあ、もし
それで兄貴が死んだら

竜胆

夢のせいにするってことか…？

蘭

…ｯ…!?

蘭は竜胆の言葉に、思わず目を見開き口を噤んだ。

竜胆

兄貴はさ、人のこと分かってるように見えて…実際は何も分ってないよな

竜胆

自分のために大切な人が傷つくことが、どれだけ辛いか分かってんのか？

竜胆

自分の知らないところで大切な人が苦しむことが、どれだけ辛いか分かってんのか？

竜胆

大切な人に何もしてやれない自分が、どれだけ不甲斐ないか…分かってんのか？

蘭

…分かってるよ

竜胆

なら…！

蘭

だからだよｯｯ！！

すると蘭の蛮声が、廊下に響き渡った。

竜胆

！？

蘭

今回のことで、それがどれだけ辛いか…痛いほど身に染みた

蘭

大切な人を守れなかった自分を、助けてあげられなかった自分を、心底殴りたい…！！

蘭

でも、時間は巻き戻せない

蘭

だから今、自分の出来ることをする

蘭

ただそれだけだ

竜胆

…じゃあさ、
せめて俺にも言ってよ

竜胆

そんなに信用ねぇの？頼りねぇ？

蘭

違ぇよ、ただ…
巻き込みたくないだけで

竜胆

今更何言ってんだよ

竜胆

昔から何も言わずに、色々と俺のこと巻き込んできたくせに

蘭

…それもそうだな

蘭

ごめんな竜胆、悲しい
思いさせちまって

竜胆

いいって、こっちこそ
問い詰めてごめん

竜胆はそう言うと蘭を優しく抱き締め、蘭もそれに答えるように抱き締め返した。

ガチャッ

夢

あ！2人とも、おかえりなさい

夢

なんか怒鳴り声みたいなの聞こえたけど、大丈夫でしたか？

蘭

うん、大丈夫だよ

夢

なら良かったです

竜胆

つか夢、何読んでんの？

夢

だ○いち？っていうBL漫画です

竜胆

え！？あの一話からバチボコにヤってるBL漫画！？

夢

はい、そうですけど…？

蘭

え？大丈夫なの？

夢

まあ流石にシてるところは、そんなまじまじとは見てませんけど

夢

恋愛の形は人それぞれですから、どんなものであっても素敵だと思いますよ

竜胆

さすが元腐女子、考え方は違えど対応力が鬼強い…

蘭

本能的には覚えてんじゃね？

蘭

どっかの銭○婆も言ってたぜ？

蘭

一度あったことは忘れないもの、思い出せないだけだって

竜胆

どっかの銭○婆ってもう隠す気ねーし、○も仕事しろ

夢

まあ、これで思い出す
かは分かりませんが

夢

少しずつ、ですね…

蘭

そうだね

蘭

もうすぐ退院もできるし、アジt…家に帰ったら、思い出せることも増えるかもね

竜胆

オフィス辛気臭ぇから、
早く帰ってこいよ？

夢

はい、頑張ります！

蘭

頑張るも何も、退院を決めるのは病院だから意味無くね？

夢

あ…そうでしたw

竜胆

ぷはっ、夢のそういう
とこほんと好きだわw

夢の発言に、病室は再び明るい笑いに包まれた。

To Be Continued…

ヲタ女と反社【君の名を呼ぶ】〜stand by you〜

作品ページ

次の話を読む

この作品はいかがでしたか？

160

5件

はい!w

主とBLの趣味合う人いないかな、語ろうぜ？

月銀澪

プロフィール

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。