LAN
ねぇ まただって
一言発する
誰も返事はしてくれない
LAN
また
LAN
魔王戦が始まるんだって
意味もなく
16つの墓に話す
LAN
俺にはもう
LAN
どうすることも出来ないよ
下を向き
自信なさげに
LAN
攻撃魔法も 守護魔法も
LAN
もう使ってないよ
墓に囲まれて呟く
石でできた墓
LAN
もう そっちへ逝きたいよ
意味もなく嘆く
LAN
もう 散々生きたよ
意味もなく呟く
LAN
もう 疲れたよ
意味もなく助けを求める
LAN
…… なんて
LAN
冗談を言ったら
LAN
君たちはどう言うだろう
木が風で揺れる
草が風で揺れる
花が風で揺れる
あの頃とは随分変わった服装
魔法を使う杖なんて
家の物置に放置されてる
イヤリングは
もう変わらない
耳は長い
太陽が嫌な程にさんさんと
俺たちを照らす
冬 。
雪解けなんて
まだまだだ
皆が逝った季節は
春だっけ
桜が誇り咲いてた
秘密の場所
墓の場所
誰も知らない場所
誰にも教えてない場所
悲しき場所
唯一の
自分の居場所