???
………
有栖 光
……………
有栖 光
すんません
俺とぶつかった相手は口の両端にひし形の傷跡があるピンク髪の男だった
俺が謝るとピンク髪の男、略してピンク男はちっ、と舌打ちをしてどこかへ去って行った
有栖 光
なんか言えよ、((ボソッ
有栖 光
………………
有栖 光
えっ
ちょっと待てよ。
あの柄の悪そうな男、まさかとは思うが同室か?
見舞いか?
いや、見舞い時間はとっくに過ぎてる。
入院服着てたしな……他の病室のやつなのか?
いや……それもないな、
そういえば今日の昼間ピンク頭を見た気がする
有栖 光
まじかよおぉ〜、……
医者
うん、頭の傷もだいぶ治ってきましたね
医者
これくらいの傷なら少しの外出を許可しても問題ないでしょう
俺の担当医は資料片手にそう言った
有栖 光
まじっすか?!
医者
ええ
医者
ですが院の敷地内を散歩する程度ですからね?
医者
これ以上はまだ許可出来ません
有栖 光
分かってますって
有栖 光
……でも、退院はまだまだ先になりそうっすね
医者
うーん、そうだな……
医者
一概にはそう言えませんね
有栖 光
え?
医者
あと1週間くらいして、何も異常がなければ退院出来ると思います
医者
有栖さんの傷はそんなに深くないんでね
医者
まあ、浅くもないけど……
俺はその言葉に歓喜した
よかった、そこまで長居する必要はないんだな!
医者
ま、でもあなた次第ですね
医者
今は回復することに集中しましょう
有栖 光
はい!!
俺は医者の説明を聞き終えると挨拶もそこそこに診察室を後にした
続く