テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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"主様。私は貴方が居なければ人間にはなれない。" 主様転生します。

第3話 - 月明かりに照らされた君は…。

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2023年05月03日

#あくねこ

#あくねこ夢

#悪魔執事と黒い猫

#ルカス･トンプシー

#転生

#事故

×怜ちゃん×

デビルズパレス。○○の自室。

天の声

ルカスは、簡単に言えば心が壊れてしまったため医療係も交渉係もまともに務まらなくなってしまった。

天の声

ルカスが行っていた医療係はミヤジが。

天の声

交渉係はベリアンが。

天の声

代入りりで、補っていた。

天の声

そして、ルカスの心のケアはナックとラムリが仕事の合間にやっていた。

天の声

だが、その心のケアも何百年とも続けているが相変わらず…。

天の声

…。

ルカス

（なぜ、僕は毎日ここに通いつめるのだろう…。）

ルカス

（僕はここの部屋に何か思い入れが…？）

ルカス

（僕には、何か大切なものがあった…はずだ…。）

ルカス

（でも、それがなんだったか…思い出せない…。）

ルカス

（なぜ、この屋敷の執事…？は僕に…。）

ルカス

（"や、さしく…？"するのだろう…。）

ルカス

（僕は…何も出来ない。お返しも出来ないのに…。）

ﾊﾞﾝｯ!!

天の声

と、突然勢いよく扉が開けられた。

ナック

あっ、ここに居たのですねルカスさん。

ナック

随分探しましたよ!!

ラムリ

ルカス様、突然居なくならないでください!!

ラムリ

僕、心配して焦ったんですから!!

ルカス

…ん？

ルカス

（"探す"…？"突然"…？"心配"…？"焦る"…？）

ルカス

（なんのことだ？）

ルカス

（僕は、別に居なくなったりしていない。）

ルカス

（今もこうして、息をして心臓も正常に動いている。）

ルカス

（そして、今もしっかりとこの足で立っている。）

ルカス

（なぜ、そのような思考に彼らは至るんだ…？）

ルカス

（僕には理解が出来、な…い、、。）

ナック

ﾊｧ、また主様のお部屋に来ていたのですねルカスさん。

ナック

毎日ここに来るのも悪いことでは無いと思いますけど、せめて私達のどちらかでもいいので声を掛けてください。

ルカス

…。

ルカス

（なぜ、彼らに僕がやることに対していちいち報告しなければならないの？）

ルカス

（僕を"心配"してくれる人間なんてこの世に居るはずが…。）

ナック

あの日から、もう499年経ったというのに…。

ナック

お気持ちは分かりますよ。ルカスさん。

ナック

私も、今も鮮明にあの日を思い出すことが出来ます。

ナック

私も、とても胸が痛みますよ。

ナック

ですが、主様は我々の"悲しむ顔"よりも"笑った顔が好き"と仰っていましたよね。

ラムリ

そうですよ、ルカス様!!

ラムリ

クソ眼鏡の言う通りです!!

ナック

普段なら怒るところですが、まぁそんなことはいいでしょう。

ルカス

（"悲しむ顔"…？"笑った顔"…？"好き"…？）

ルカス

（なんなんだろう。それは…。）

ルカス

…。

ルカス

（だめだ、…。）

ルカス

（どうしても分からない。思い出せない…？）

ラムリ

ルカス様？

ルカス

僕に…何か用事でも？

ナック

ルカスさんの心のケアの時間でしたので、ルカスさんのお部屋に行ったところ、いらっしゃらなかったので。

ナック

こうして、ラムリと探していたんですよ。

ルカス

…。

ルカス

（いつもの、変な質問がまた始まるのか…。）

ラムリ

ルカス様は本当に主様のことが大好きだったんだね。僕もだけどさ。

ルカス

だい、すき…？

ラムリ

うん!!

ラムリ

あ、意味はね"特別その人のことに夢中になって、頭から離れなくなって、その人のことを考えるだけで嬉しくなる"んだよ!!

ルカス

…。

ルカス

僕に、そんな人…、居た、の？

ラムリ

うん!!そうだよ、ルカス様!!

ナック

そうですね。私達は主としての好感でしたけどルカスさんは少し違っていたようですし。

ルカス

…。

ルカス

（その人かどうかは分からないけど、1人だけ昔から覚えている人が居る…。）

ルカス

（○○…という名だった。）

ルカス

…？

ルカス

（ん？心臓が温かい…？）

ルカス

（いや、胸…？）

ナック

さぁ、ルカスさん。心のケアの時間ですので、3階の部屋に行きますよ。

ルカス

…。

ラムリ

うんうん、ルカス様は主様の部屋から離れたくないんだね。

ラムリ

気持ちは分かるけど、流石に主様のお部屋では出来ないからケアが終わったらまた来ようねルカス様!!

ルカス

…3階の部屋を忘れた。

ナック

はい。では、ご一緒に行きましょうか。

ラムリ

そうだね!!

ラムリ

行こう!!ルカス様!!

ルカス

うん…。

天の声

ナックとラムリは、ルカスの心情を察して優しく言葉を掛けてルカスを○○の部屋から連れ出した。

天の声

…。

3階。

天の声

ナックとラムリでいつもの、"ルカスの心のケア"をし終えそれぞれの仕事に戻って行った。

天の声

それは実に2時間30 分にも及んだ。

ルカス

ﾊｧ…。

ルカス

（なぜ、あの2人は僕に構うんだろう。）

ルカス

（僕はこれから何をすればいいんだろう…。）

ルカス

（僕に何かやることでもあったっけ？）

ｺﾝｺﾝ

天の声

と、3階のルカスの自室に誰かがノックをして入って来た。

ミヤジ

失礼するよ。

ルカス

…？

ミヤジ

元気にしてるかな？ルカス。

ミヤジ

本当は、君とこうして話をするのは好きじゃないのだけれど。

ミヤジ

私も一応医者でもあるから、今の状態の確認だ。

ルカス

…。

ルカス

僕に、何か…。

ミヤジ

少し、体調をチェックさせてもらうね。

ルカス

…。

ミヤジ

…。

ルカス

…。

ミヤジ

よし、これで終わりだ。

ミヤジ

どこも問題無いようだね。

ミヤジ

ルカス。

ミヤジ

気持ち的には、今はどうかな？

ルカス

…。

ルカス

（きもち…？）

ミヤジ

（目に光を感じないな。ずっと、このままっていう訳にもいかないからね。）

ミヤジ

（改めてまたベリアンと話をする必要があるたみたいだ…。）

ルカス

…ｯ、た…、、

ミヤジ

…ん？

ルカス

ね、…が、い…、、

ミヤジ

すまない。もう一度言ってくれるかい？

ルカス

胸、が…痛い。

ミヤジ

胸がかい？

ミヤジ

（体調的には異常は無かったが…。）

ミヤジ

（気持ち的にか…？）

ルカス

○○…様…、、のことを…、

ルカス

考える…？おも、う…？と、胸が痛くな、る。

ミヤジ

私達もルカスも主様のこと、本当に大切に思っていたからそれは、無理もないよ。

ミヤジ

（主様…。私も、出来ることならまたもう一度お会いしたいよ…。）

天の声

ルカスは、その首元にある○○と買ったペアネックレスを優しく包みながら、そう言った。

ルカス

ｯ、今…でも、思い、出、せるｯ…

ルカス

あの日のことをｯ…、

天の声

と言うなりルカスは、ボロボロと泣き始めてしまった。

ルカス

この、辛さ…だけはｯ、た、えられ…ない…。

ミヤジ

…。

ルカス

ｯ…!?

天の声

泣きじゃくるルカスを、ミヤジは子供をあやすように優しく抱きしめルカスを安心させるように言葉を掛けた。

ミヤジ

大丈夫だ、ルカス。

ミヤジ

君は決して1人ではない。

ミヤジ

私や、ナック君にラムリ君。ベリアンや他の執事達が付いている。

ルカス

うっ…、

ミヤジ

だから、泣きたい時や辛くなった時。いつでも私の所へおいで。

ミヤジ

私が全て受け止めてあげるから…。

ルカス

ｯ…!!

天の声

ルカスはミヤジに抱きしめられながら、優しい言葉を掛けられ少し安心したのかミヤジに腕を回し…。

天の声

声を上げて再び泣き出した。

ミヤジ

…。

天の声

ルカスが泣いている間、ずっとミヤジはルカスの頭を優しく撫でていた。

天の声

そんなミヤジの目にも涙が溜まっていたなんて。誰も知ることは無い…。

ミヤジ

大丈夫だ…。安心してくれ…。

ルカス

ｯ…、、

天の声

その言葉は、形としてはルカスに掛けているが、自分自身に掛けているのかもしれない…。

天の声

"辛いのは1人だけではない。"ということなのだろうか…。

天の声

…。

外。

ルカス

…。

天の声

あれから、数時間後。

天の声

23:26 分

天の声

今、ルカスは1人。無言で屋敷を抜け出して行く宛てもなくフラフラと外を歩いていた。

ルカス

…。

ルカス

なんで僕はあそこを抜け出して来たんだろう…。

ルカス

僕の居場所なんて、あそこしか無いのに。

ルカス

…。

ルカス

ﾊｧ…。

ルカス

でも、明るいよりも暗い方が僕はいいな。

ルカス

明るいのは、いやだ。

🌧

ルカス

…ん？

ルカス

わっ、雨に降られちゃった…。

ルカス

服が濡れたけど、まぁいいや…。

ルカス

服が濡れたぐらいでは、死なないからね。

ルカス

"体だけ"は、丈夫なのが気に食わない…。

天の声

その頃、デビルズパレスでは。

天の声

…。

デビルズパレス、ホール。

天の声

ナックが就寝しようとして、ルカスの様子を確認しに行ったところ姿が見当たらず、皆をホールに集めた。

ナック

皆さん、ルカスさんがどこを探しても見当たらないんです!!

ナック

ルカスさんを探すのに協力していただけませんか!!

バスティン

何？ルカスさんが居なくなったのか。

ボスキ

分かった、俺もルカスさんを探す。

ベリアン

え!?ルカスさんが？

テディ

もちろん、俺も探しますよ!!

ラト

おや、人探しですか。

ラト

ｸｯﾌﾌ、探すのは私得意です。

フルーレ

俺もルカスさんを探すけど、ラト監視に回っちゃうかも…。

ハナマル

皆で手分けして探すか。

ユーハン

おや、外は雨が降っているみたいですね。

ユーハン

傘をさしながら、探しましょう。

ミヤジ

全く、困ったものだねルカスは。

ナック

ありがとうございます。皆さん!!

ラムリ

待ってて、ルカス様!!

ラムリ

すぐに見つけ出しますから!!

天の声

と、ルカスの捜索が開始された。

天の声

…。

○○の部屋。

ロノ

おーい!!ルカスさーん!!

ロノ

ここには居ないか…。

バスティン

ふむ、ここになら居そうな気もしたんだがな。

ロノ

あぁ、毎日来ていたからなルカスさん。

ロノ

本人は、なんでここに来るか分かってなかったらしいがな。

バスティン

あれから、499年経ったのに未だに主様の匂いがするからな。

ロノ

あぁ。ここに居ると、主様が隣に居るみたいに感じちまう。

ロノ

それで、ルカスさんはここにいる間は安心してたんだろうよ。

バスティン

あぁ、俺もここに居ると安心する。

ロノ

だな。俺もだ。

天の声

…。

書庫。

フェネス

ルカスさーん!!出ておいでぇ〜!!

フェネス

怖いことは何にもしないから〜!!

フェネス

いい子だから、出ておいで〜!!

フェネス

ルカスちゃ〜ん!!

ハウレス

おい、フェネス。

フェネス

ん？

フェネス

どうかしたの？ハウレス。

ハウレス

そんな探し方と呼び方で出てくるわけないだろう。

ハウレス

いいか、フェネス。こう探すんだ。

ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｯ

ハウレス

おい!!出てこい!!まだ、今月分の家賃払ってないじゃない!!

ハウレス

今出てくるのなら、許してあげてもいいわよ!!

ハウレス

…。

ハウレス

これでも出てこないって言うのね!!

ハウレス

この薄情者!!

ハウレス

私と結婚してくれるって言ってたじゃない!!

ハウレス

この浮気者ｯ!!

アモン

あの、ハウレスさん…？

ハウレス

なんだ？

アモン

そんな、取り立て屋みたいなことしても出てこないと思うんすよ。

アモン

あと、最後の捨てられた彼女みたいなのはなんなんすか？

ハウレス

あぁ。それなら、焦って出てくると思ってだな。

アモン

そんな変なことで出てきませんっすよ。

ボスキ

まだ、猫探しみたいなフェネスの方がマシだな。

アモン

そうっすね。

アモン

それと、本棚揺らして落とした本。お1人で片付けてくださいっすね。

ハウレス

…。あ、、

天の声

…。

食堂。

ハナマル

おーい、ルカス先生〜!!

ハナマル

どこだぁ〜!!

ハナマル

ここか？

ハナマル

いや、こっちか？

ハナマル

と、見せかけてあっちか？

ユーハン

ハナマルさん。そんな椅子の下覗いても居るわけが無いでしょう。

テディ

そうですよ!!ちゃんと探してください!!

ハナマル

へいへい。

ハナマル

じゃあ、ここかな？

ベリアン

わっ!?

ハナマル

え？

ハナマル

なんで、天井にへばりついてるんだ…？ベリアン。

ベリアン

え、えっと〜。

ベリアン

こういう見落としそうな所に、居るんじゃないかと思いまして…。

ハナマル

ほーん。

テディ

ユーハンさん。（小声）

ユーハン

なんでしょう、テディさん（小声）

テディ

ベリアンさんって、変なところありますよね。（小声）

ユーハン

えぇ、そのようですね。（小声）

天の声

…。

夜の街。

ラト

ふむ、こちらから気配を感じたのですが…。

ラト

夜の街とは言えど、他の人も居ますし少々探しにくいですね。

フルーレ

確かに、夜なのにまだまだ街には人が居るんだね…。

ラト

おや？

ラト

あそこにパセリが。

フルーレ

あ、待ってラト!!

フルーレ

今は、パセリじゃなーい!!

天の声

…。

外。

ルカス

少し、寒くなってきた。

ルカス

雨は止んだけど、服が濡れたままだからかな？

ルカス

…。

ルカス

ハ、ﾊｯｸｼｮﾝｯ!!

ルカス

うぅ、お腹が冷えてしまいそうだ。

天の声

少し離れた所では…。

ﾊｯｸｼｮﾝｯ!!

ナック

ん？

ラムリ

今のは…

ミヤジ

ルカスの声のようだね。

ラムリ

ルカス様が近くに!?

ラムリ

ルカス様〜!!

ナック

どこですか、ルカスさーん!!

天の声

一方、ルカスの方は。

ルカス

う、寒い…。

ルカス様〜!!

どこですか、ルカスさーん!!

ルカス

ん？

ルカス

誰かが、私を呼んでいる…？

ｶﾞｻｶﾞｻｯ

ミヤジ

ん、ここに居たのか。ルカス。

ルカス

…。

ルカス

み、やじ…？

ミヤジ

あぁ、そうだよ。

ミヤジ

ルカスを皆で手分けして探していたんだ。

ミヤジ

そんなに、濡れてしまって。

ミヤジ

あとで、フルーレ君からの説教が待っていそうだね。

ルカス

…。

ミヤジ

ほら、いつまでそこで体育座りしているつもりだい？

ミヤジ

さぁ、帰ろう。ルカス。

天の声

座り込むルカスの目線に合わせ、しゃがみ。

天の声

慣れない笑顔を作り、ルカスに手をさし伸ばすミヤジ。

ルカス

…。

ルカス

（僕は、この手を取っても良いのか…？）

ルカス

（僕は人に迷惑を掛けることしか出来ないのに…。）

ミヤジ

ほら。

ルカス

…。

ルカス

分かった…、、。

ミヤジ

そう。それでいいんだ、ルカス。

天の声

ミヤジは、ルカスが自身の手を取ったのを確認すると…。

ミヤジ

ナックくん、ラムリくん。

ミヤジ

ルカスを見つけたよ。

天の声

と、ナックとラムリが居るであろう方向へと声を掛け、知らせた。

天の声

…。

天の声

その後、屋敷へ着くなりベリアンからの説教を食らい、フルーレからも説教を食らった。

天の声

"なぜ、こんな時間に屋敷を無言で抜け出したのか"。"どうして、服を濡らしたまま外にずっと居たのか"と。

天の声

その後、全身冷えきった体を温めるために、フェネスに入浴補助をしてもらって入浴した。

天の声

…。

3階。

天の声

あの、ルカス"無言屋敷抜け出し"事件から数日。

ナック

ふぁ〜、チッ。もう朝か。

ナック

あぁ〜、めんどくせぇな。

天の声

1人朝早くに起きて身支度をするナック。

天の声

身支度をしている内に、機嫌が直ったのかいつもの口調に戻った様子のナック。

ナック

さて。

ナック

そろそろ、ラムリを起こすとしますかね。

ラムリ

…。

ナック

ラムリ。ラムリ!!

ラムリ

うぅ〜、ゲコちゃんのお歌ぁ〜

ナック

本当にカエルがお好きなのですね。

ナック

全く…。

ナック

こら!!起きなさいラムリ!!

ラムリ

うわっ!?

天の声

ナックは、ラムリの布団を無理矢理剥ぎ取った。

ラムリ

なに…、もう朝〜？

ナック

えぇ。そうですよ。

ナック

身支度してくださいね。

ラムリ

は〜い。

ナック

（朝は、聞き分けがいいんですよねラムリ…。）

ナック

（それを、24時間にして欲しいのですがね。）

ナック

それでは、ラムリ。ルカスさんを起こしていただけますか？

ラムリ

は〜い!!

ラムリ

…あれ？

ラムリ

居ないよ〜、ナック〜。

ナック

え…？

ナック

ﾊｯ…!?

ナック

あまり、信じたくないのですが…。

ナック

まさか、また抜け出してしまったのですかね？

ラムリ

…そうかも…。

ナック

また、皆さんを集めましょうか…。

ラムリ

そうだね。

天の声

こうして、再びルカス捜索隊が結成されようとしていた。

天の声

少し時間を遡る…。

天の声

…。

外。

天の声

屋敷を抜け出し、また行く宛てもなくフラフラと歩くルカス。

天の声

明け方の4:28 分。

ルカス

ﾊｧ…。

ルカス

（また、あそこを抜け出してきてしまった。）

ルカス

（僕に行く宛てもなくないのに、どうして抜け出すんだろう…）

ルカス

（今日は、雲が1つないね。）

ルカス

（これなら、服は大丈夫…なのかな？）

ルカス

（月明かりが、ちょうどいいくらいだ。）

ﾄﾞﾝｯ

ルカス

わっ、

天の声

そんなことを考えていると、人とぶつかってしまったルカス。

ルカス

痛てて…、、

ルカス

あ、じゃなくて

ルカス

すみません、大丈夫ですか？

天の声

昔の交渉係としての癖なのか、一言謝り顔を上げたルカス。

ルカス

ｯ、え？

××

すみません!!ボーっとしてて、大丈夫ですか!?

天の声

そこには、目の前で失ったはずの○○が立っていた。

天の声

心配そうに、ルカスへと手をさし伸ばす××。

ルカス

ｯ!!

××

わっ!!

天の声

ルカスは、少し驚いたが××にすぐ抱きついた。

××

すみません!!痛かったです、よ…ね…、？

××

え…？

天の声

××は、慌てて謝ったがぶつかった相手がルカスだと気づき驚いて固まってしまった。

天の声

××は前世の記憶はあったが、まさかぶつかった相手がルカスだとは思わずルカスに抱きしめられ、月明かりに照らされたその髪の色と彼の放つ彼自身特有の香りとあのネックレスが青光りしていてルカスだと気がついた。

天の声

そして、前世から愛しているルカスだと気がついた××はすぐにルカスを抱きしめかえした。

天の声

ルカスを安心させるように。優しく。包み込むように。

××

ごめんね、ルカス。長い間待たせちゃったよね？

××

でも、しっかり見つけたよ…。

××

これからは、ずっと傍に居る。

××

ずっと一緒に居るから。

××

だから、もう安心してねルカス…。

ルカス

はい…。

ルカス

首を長くしてｯ、お待ち…しておりましたｯ…。

ルカス

ずっと、私のお傍に居てくださいｯ…。

ルカス

もう、居なく、ならないでｯ…くださいｯ!!

天の声

とら泣きじゃくるルカスを、ひたすらに慰めて抱きしめて××自身も涙を流した。

天の声

…。

デビルズパレス、ホール。

ロノ

どうしたんです？ナックさん。

ナック

すみません、皆さん。

ナック

こんな朝早く早くから。

テディ

いえいえ、全然大丈夫ですよ!!朝練してたので!!

ユーハン

はい、問題ありませんよ。

ナック

ありがとうございます。

ナック

実は、またルカスさんが居なくなっていまして。

ハウレス

え!?

ベリアン

またですか!?

ナック

はい…。

バスティン

いっそのこと、椅子に縛り付けておいたらどうだ？

ラト

それ、面白そうで良いですねバスティン君。

ラト

毎日、観察日記を付けるのも良さそうですねぇ〜。

フルーレ

ラト、辞めて。

ナック

流石にそこまでは、しませんが…。

ナック

とりあえず、また捜索の方をお願い致します。

ｶﾞﾁｬ

ラムリ

ん？

ボスキ

誰か来たのか？

天の声

玄関の方から扉を開ける音がした。

ルカス

皆、色々と迷惑を掛けてしまってすまないね。

ルカス

だけど、今日からはまた私は仕事をやれるよ♪

天の声

その目には、以前には無かった光があった。きちんと目の前が見えているのだろう。

天の声

希望の光沢と呼んでも良いだろう。

天の声

そして、そのルカスの背中からひょっこりと出てきた××は…

××

皆、長い間留守にしてごめんね。

××

ただいま!!

天の声

と言い、あの愛らしい笑顔を浮かべた。

ベリアン

え!?

フェネス

へ？

アモン

は？

ナック

え？

ラムリ

え!!

ラト

おや。

ハナマル

おぉ。

天の声

執事達は、何が起きたのか分かっておらず間抜けな声を上げた。

天の声

そして、ベリアンがこの出来事を整理するように言った。

ベリアン

えっと、ルカスさんは帰って来まして…。

ベリアン

もう、心配しなくても大丈夫そうですね。

ベリアン

それで…、お帰りなさいませ主様。

天の声

戸惑いが滲み出ているがきちんと言うベリアン。

天の声

ベリアンに連られるようにして、他の執事達も××を迎え入れるように挨拶をした。

天の声

そして、ルカスは事情を話しはじめた。

ラムリ

えっ!?じゃあ、前世からの記憶は元々あったのですね!!

ベリアン

（では、ルカスさんの心は主様との再開で治ったという事でしょうか…）

フェネス

ルカスさんが戻ってきて安心したけど、まさか主様を連れて帰ってくるなんて…。

フェネス

すっごく嬉しいんだけど、驚きが…。

ナック

この上ない喜びでございます。主様。

ナック

またこうして貴方様にお会いでき、このナック感激で今にも気を失ってしまいそうです…。

××

私も皆に会えて嬉しいよ!!

××

ねぇ、ベリアン。また、ここの主をやってもいい？

ベリアン

えっ、よろしいのですか!?

××

うん!!むしろ、皆とまた過ごしたいの!!

ミヤジ

良いのかい？また私達と生活をしてくれるなんて。

××

うん!!改めてよろしくね皆!!

ラト

また主様と生活が出来るなんて、嬉しいですねフルーレ。

フルーレ

うん!!俺すっごく嬉しいよ!!

ルカス

主様♪また、よろしくお願いしますね♪

××

うん!!よろしくねルカス!!

天の声

そして、屋敷には以前××が生活していた賑わいがまた戻っていた。

天の声

…。

天の声

それから数日後…。

ルカス

ミヤジ。色々と迷惑を掛けたね。

ルカス

ありがとう♪

ミヤジ

まだ、湿気てた方が良かった。

ルカス

ｱｯﾊﾊ、相変わらず面白いことを言うねミヤジは♪

ミヤジ

黙れ。

ミヤジ

そのお喋り口を二度と喋れないように砕いた方が良さそうだな。

ルカス

きゃ〜、怖いね♪

天の声

相変わらずの関係に戻った2人。

天の声

だが、2人の顔はとても良い笑顔をしていた。

天の声

…。

天の声

〜END〜

作者です!! 皆ごめんね!! そして、読んでくれてありがとう!! 続編を出すのめっちゃ遅れてた自覚はある。本当に待たせてごめんね。まさか、2話が1000イイネ行くとは…。本当に感謝しかないです( > <。) これでやっと、○○の転生シリーズが終わる…。いやぁ、長かった。多分3〜2週間かな？ "バスティン・ボスキ・ルカス" と来たもんだ。夜のお散歩は中の人が好きなんですよね。田舎だから、夜中の2時とかでも補導されないし空気良いし人居ないし最高!! 鬱の時に気分転換にやってたんですよね〜。薬も無しで自力で治したら2年掛かった。長い。うん。ゲロ。そこの主様も、自分を追い込み過ぎると鬱になるから頑張るのも程々にしてしっかり夜は休んでね!! 次回は、ついに!! "ベリアン天使説"となります!! いぇーい!! "ハッピーエンド、バッドエンド" 両方用意、致します!! 大まかな設定は出来ております!! 一気に出そうと思っておりますので、お時間が掛かる見込みです💦 楽しみに待ってくだされば、それだけでも励みになりますので是非!! それでは、最後まで本当にありがとう!! 次のストーリーでお会い致しましょう。主様!! by作者