ああ、またか
俺は何かに怯えるように抱き締め合う二人を遠目で見つめていた。
途中、鳥ちゃんが俺を見ていたことには気づいていた。それよか彼は、クミを俺に近づけさせないように守っているようにも見えた。
言い争う前、俺は彼女にちゃみんと付き合っていることを明かした。
きっかけはクミが俺の部屋に来て突然告白してきたからだ。
ずっと仲間だと思っていた。
いや、周りのメンバーとはそれ以上の関係でもあった彼女を特別扱いしていたのは他でもない。
彼女の気持ちに気づいていたと言えば事実にもなるが、同時にある罪悪感が生まれたのだ。
気持ちに気づいていたことはなんとなく察していた。
だが、俺にはちゃみんという彼女がいた。
いつも周りを笑みに取り込めるそんなちゃみんに恋をしていたのだ。
俺は、そんな彼女を裏切ることなんてできない。
次の日の朝。
あかがみんハウスはwatoさんを中心に騒がしい食卓となっている。
昨日のこともあってか、鳥ちゃんとクミの距離は近くなったように見える。
それは同時に俺を''避けている''ようにも見えた。
朝食を食べ終え、リーダーである自分が今日のスケジュールを発表する。
これがいつもの日課だ。
唯一変わったといえば、クミが俺の目を見て話を聞かなくなったことだ。
「クミ!」
作業が始まる前に俺は廊下にいた彼女の名を呼んだ。
クミ
クミは身体を俺の方に向けず、そう小さく答える。
彼女は酷く怯えている。
とも
謝るという意味ではない。
ただ心のどこかでなにかが引っかかっていた。それを繋げることも発することもなぜかできなかった。
言葉に詰まり、何かを伝えようとしたときだった。
鳥ちゃん
とも
クミ
なぜかその場に居てはいけない。そう思った。
考えれば、冷たくなったクミの視線だけではない。鳥ちゃんが俺の見る目が変わったのだ。
冷たいといえば少し違うかもしれないが、瞳の奥に怒りのようなものが見えた。
彼がそんな表情をするのは見たことがないのだ。
とも
鳥ちゃん
クミ
鳥ちゃんはクミの背中を優しく押し、玄関の方へと歩いていく。
今、クミを守っているのは間違いなく彼だ。
喜ばしいことだ。
だけど、
とも
激しく鼓動する心臓。
息苦しい喉。
言葉にできない感覚が俺を襲う。あんな表情をするクミを見ていると抑えられない自分がいた。
鳥ちゃんにだけ心を開き、見せるあの笑顔。
あれは、本当は俺のものだった。
俺だけが知り、俺だけが感じれりれる。そんな特別な気持ちをなぜ今まで気がつかなかったのだろうか。
とも
その先の言葉が口からは出なかった。
心の中で酷く喉に響いたように言い、後悔し、そして同時に''ある感情''が生まれた。
気づくと俺は走っていた。
クミ
鳥ちゃん
とも
今の俺はどんな顔をしている。
酷い剣幕だろう。
酷い面だろう。
だか、今はそんなことどうでもいい。
自分が求めていた本当であり、嘘の感情を押し殺してまで良い人ぶるのはもうやめだ。
とも
俺は鳥ちゃんの目の前でクミを強く抱き締めた。彼女がもう二度と俺の前から消えないように。
鳥ちゃん
とも
クミ
俺が気づいた感情。
それは嫉妬だ。
ずっとクミを大事に思っていたからこそ、その感情が生まれ、知った。
今思えば、酷い話だよ。
だが、あまい恋愛なんてぐだらない。
常識だった恋が愛に変わる。
この世界の恋愛に奪うというのは残酷な故に必要なんだ。
それでも俺は、止まらない。
とも
とも
END
コメント
1件
無理なら大丈夫何ですか赤髪のとも受けって出来ますかね攻めはぺんちゃんで(ぺいんとさんです)ゆっくりで良いのでお願いしますプレイとかやり方わおまかせでお願いします