罪人
罪人
俺は気づいたら見覚えのない場所に倒れていた。 最初に見えたのは綺麗な床に敷かれた暗めのシアンカラーのカーペット。 と、白いテーブルの足。
頭がほんのりズキズキと痛む。 目を拭って立ち上がってみると少しくらくらした。
チャリ……
myzm
足元を見る。なんと左の足首に錠がかけられていた。 ベットの横にある場所から延びるチェーンが冷たく足に辺り、動けば音がなる。
myzm
現実逃避。微かに重い左足をあげ、俺は部屋を見渡す。
広めの少し暗い部屋。見た感じLDK以上はありそう。 テーブルとソファーと大きなクイーンベッドと俺の…グッズ? それとクーラーと電気と…固定電話。 奥には何もない棚と白いクローゼットと押し入れ…? そしてその横にはひとつすりガラスの貼られたドアがある。 広さに見合わない質素な部屋で窓は小さいもののみ。 ミニマリストにでもなった気分だ。
俺は左側にあった出口と見られる壁と似た白色のドアを開けようと手を伸ばす。 足についたチェーンに足をとられ、なかなか届かないが、なんとか取っ手を捻る。
がちゃ… がちゃがちゃがちゃがちゃ
myzm
開かない。鍵がかけられている、ようだ。
横にはインターホンのようなものがある。 どうやらここでパスワードを押し、鍵を開けるようだ。
もう少し奥のもう一つのすりガラスのドアを開ける。 スライド式のドアのようで内側から鍵がかけられる。 中はトイレと風呂が同じのユニットバスと洗面台。 真っ白でカビ一つない。 ここにはチェーンが届くようだ。
どうやら詰んだらしい。 俺は思考を走らせるため、とりあえずまたベッドに座る。
ここがどこなのか。心当たりは……ある。
俺は、ここで目を覚ます前… hytさんの家にお邪魔して二人でだらだらゲームをしていろいろ 話していたりしていたはずだ。
俺たちは二人ソファーに座ってTVゲームをしていた。
myzm
kgm
kgm
myzm
myzm
kgm
myzm
kgm
そう言ってhytさんは立ち上がって部屋から出ていく。 俺はひとまずゲームのセーブをした。
kgm
myzm
kgm
myzm
hytさんがコーヒーを入れてお菓子と共に持ってきた。 深い良い匂いが部屋に充満した。
kgm
myzm
俺はコントローラーを置き、 hytさんの置いた白いコーヒーカップを触る。
コーヒーは俺の舌にあわせて少し冷まされていた。 hytさんの言う通り先にお菓子を食べ、 コーヒーを飲むことにした。 お菓子はプレーンクッキーで仄かに甘く舌に溶けた。 口の中の甘さを流すように俺はコーヒーを飲んだ。
………俺が覚えているのはそこまでだ。 信じたくはないが可能性としては……
myzm
確かにhytさんの匂いが感じられる。 俺のグッズがあったり俺のイメージカラーに似たカーペットが敷いてある事からも俺を知っている誰かの可能性でしかない。
足を繋ぎ、逃げられないようにするなんてhytさんに限ってないだろうが もしかしたら俺を楽しませるための脱出ゲーム ……なのかもしれない。
myzm
myzm
大きめの声で言ってみるがとくに反応はなく 広い部屋に少し響くだけだ。
myzm
とりあえずなにかありそうなクローゼットを開けてみた。 中には同じような無地の白いシャツとズボンばかり。 服を掻き分け、隅々まで見るがなにもない。 隣の押し入れを覗くが特に何もなく
テーブルやベッドの下を覗くがなにも見当たらない。 小さな小窓は頭も入らず通れはしないだろう。 まず窓が開かないのだが。 すりガラスで外は見えない。かなり厚い窓のようだ。
カーテンの上や窓の燦、カーペットの裏、隅っこまで隅々見たつもりだが何もなく。 残る手がかりは固定電話のみ。まあかけれるわけないだろう。 俺はあまり期待せずガチャリと受話器を持ち上げる。 一つ、舞い降りたのはメモ帳。 拾うとそこには番号がかかれていた。
myzm
メモ帳を握り、番号に指を置く。
myzm
施設、警察、消防、事務所 番号のわかるところはすべてかけたがやはり希望はない。 固定電話のコードは確かにコンセントに刺さっていたが。
myzm
myzm
三桁の番号がメモされたその紙しか展開があるものはなさそうだ。
予想だと出るのは俺を部屋に閉じ込めた奴だろう。 俺はまた耳に受話器を当て、番号を三回押していく。
プルルルル…… プルルルル…
ガチャ
思ったより早く、相手が応える合図が聞こえて内心ドキリとした。
myzm
開口一番に俺はhytさんの名前を言う。 理由としては…そうであってほしい、いや、 そうでなくてはならないからだ。
少し間が空けば俺の声じゃない声が耳に届く。
?
myzm
電話によって少し違うように聞こえるが、それは聞き覚えのある声。 hytさんの声だった。
myzm
kgm
myzm
kgm
myzm
悪い予感がする。とてつもなく悪い予感が。 気に入ったってなんだ?まるでこれから監禁でもされそうな…
kgm
ガチャ。
myzm
テンション高めのhytさんに押され、肝心なところを聞くことができなかった。
ワンチャン…出してくれるかもしれない。 hytさんを信じるしか希望はないのだ。
myzm
不安だけが募り、俺は落ち着くために深呼吸をした。
俺は無音の部屋でただ受話器を見つめ思考を巡らす。
ガチャリ
鍵が開き、ドアが開いた音がした。 俺は振り返り、開いたドアを見た。
現れたのはいつものスーツ姿のhytさん。 俺は走ってそこへ向かった。
kgm
myzm
kgm
myzm
myzm
kgm
myzm
やはりなにかおかしい。 まるで俺の足のこれなんて気にしてすらいない。
kgm
myzm
kgm
myzm
kgm
myzm
myzm
myzm
kgm
myzm
思わず声が荒くなる。
本音を言えば嬉しい…部分もあるが普通に考えてhytさんが危ない。 監禁罪で捕まってしまうだろうに。
kgm
myzm
kgm
myzm
myzm
kgm
myzm
kgm
hytさんは俺より逞しいスタイルに綺麗なスーツのシワを寄せて 俺をギュッと包み込む。
嫌な気分ではない。むしろ心地よさも感じる。
それは俺がhytさんに尊敬意外の気持ちを持っていたのだと気づかさせる 俺の素直な気持ちだ。
myzm
kgm
kgm
myzm
kgm
もうどうにでもなれ。何て思ってしまう。 最近微かに思っていた。自暴自棄な感じ。
myzm
おれはにやりと口角を上げてhytさんの背中に手を回した。
罪人
罪人
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