トットット!!
ラスティ
ラスティ
家中をどれだけ探し回っても見つからない
限られた狭い家の中で、身を潜める力の高さにただただ圧倒されるばかりであったが…
同時に恐怖心さえ感じ始めていた
もう出てもいいよ さっきのサキュバスは帰ってったから
一雄
俊太
ズズッ…ズ
空間内に張り巡らされた配線やら管やらを避けながら"出口"へと向かっていた
一雄
眼前の配線を避けるため、体勢を低く保つ…
負荷が太腿に重く伸し掛かる…
ポコッ
壁に設置された少扉を開け、リビングに身を乗り出した
ラスティ
足音を聞きつけ、2人の元へと駆けつけた
開いたままの小扉を見て、驚いていた
ラスティ
俊太
時間は少し遡って…
インターホンが鳴り終え、ラスティが玄関へと向かった直後のこと…
俊太
一雄
何処に…?
限られた時間
外にいるサキュバスが入ってくる可能性…!
俊太
俊太
俊太
一雄
俊太
俊太
一雄
俊太
一雄
俊太
小扉の取っ手を掴み…
ポコッ
俊太
俊太
壁内の冷たい空気が肌にヒシヒシと伝わってくる…
配線を避けて奥へ、さらに奥へと進んでいった
俊太
一雄
一雄
ゴソゴソ…(話し声)
ガチャッ…
入ってきた…!
俊太
俊太
俊太
俊太
一雄
ラスティ
一雄
物珍しそうに眺めていた
一雄
一雄
俊太
俊太
俊太
俊太
俊太
一雄
一雄
一雄
一雄
俊太
一雄
ラスティ
!!
俊太
一雄
一雄
ラスティ
ラスティ
ラスティ
一雄
俊太
俺が引き起こしたヤツだ
ラスティ
ラスティ
俊太
ラスティ
俊太
ラスティ
俊太
一雄
ラスティ
ラスティ
ラスティ
一雄
一雄
俊太
俊太
ラスティ
俊太
俊太
時間が経てども消えぬ疑問
どうしても明らかにしたかった
ラスティ
ラスティ
口を開きかけ、何かを言いたそうな気がしたが…
最終的には口を閉じ、その言葉を飲み込んでしまった
俊太
俊太
俊太
ラスティ
先程と同様に言葉を飲み込んだ後、ベッドへと向かった
彼女の目には躊躇いと迷いが宿っていた
一雄
一雄
一雄
一雄
一雄
俊太
俊太
ラスティ
ラスティ
俊太
一雄
ラスティ
カチッ
部屋は静寂に包まれた
瞼は重くなり、疲れがゆっくりと俺を包み込んでくる…
床に頬を預けると、静かな眠りへと誘われるのを感じた
冷たい冬の風が学校の敷地を舞い踊る日
校舎の2階の窓が開かれ
合格者の受験番号が書かれた用紙が受験生とご対面する
一瞬、時間が止まるかのような感覚が広がった後…
友達同士で抱き合う者
家族と涙を流す者
嬉しさを抑えきれずに笑顔を見せる者
そして…
俊太
俊太
静かな喜びを抱えながらも、心の片隅に何かを抱えている者がいた
今までの人生…
何事にも全力で取り組めなかったんだよなぁ…
テスト勉強も前日間近になってようやくやり始めるし…
宿題も運動も塾も…
受験勉強も…
ゲームしてる時間の方が断然多かった気がするし…
周りの人達が羨ましかった
感情を爆発させたかった
俊太
母親
母親
俊太
両親は賞賛してくれた
お世話になった塾講師、中学校の教師も皆、賞賛してくれた
合格するのが困難で、有名な進学校に受かったんだから…そりゃそうだ
でも…
俺の実力じゃないんだ
運と環境のお陰なんだよ
入学式が静かに幕を閉じた後
新しい高校生で溢れている教室内にて
生徒同士のグループがいくつか形成されていた
俊太
あの頃はホントにびっくりしたんだよな…
俺だけ取り残されたような感じがして…
でもかといって、輪の中に入っていく勇気は無いし…
どうしようもなかったんだよな…
俊太
目の前の現実から逃げたくて、スマホを取り出した1人の高校生
でも…
大翔
[大野大翔]が後ろの席の[川上俊太]に声をかけた
今思えば…これがアイツとの出会いだったんだよな
俊太
俊太
大翔
大翔
初めての声に胸が軽くなる感覚を覚え、少しだけ緊張が解れた
そこからは…会話をしてるのが嬉しくって楽しくって…
友達になったんだよな…
そこから…一緒に学校生活を送って…
大翔は頭が良くて、成績がめちゃくちゃ良いことは嫌でも分からせられた
普通に羨ましかった
でも、もっと羨ましかったのは…
"物凄い努力ができる"って所だ
俺には無い良いものを持ってる
俺の友達なのが勿体ないくらいだ
暗闇の中で静かに瞳を開けた
俊太
俊太
俊太
無事だよな?