推しのニセ彼女になりました

noさんからの電話を切ってしまった

「ya君が急にブロックされて驚いている」と言っていた

正直驚いている…

驚かれる程、ya君の中で存在が大きかったのか？

ﾊﾞｯ(頭.下)

「マネージャーに向いてるとは私は思いません」

推しを…大好きな人を馬鹿にされて普通黙っていられない筈

“青君”の事を忘れてほしくてetさんを傷付けて…

…あれ？

あの動画一本で何十万人の人を傷付けて…

今目の前で好きなetさんを傷付けて……

こんな人を傷付けてばかりの僕に、誰かを幸せにする事なんて出来るのか…？

…いや…出来る筈がない

どこから狂ってしまったんだっけ…

…そうだ…あの時だ

あの時オーディションなんか受けなければ…

くだらない夢なんか持たなければ…

…所詮夢なんて幻なんだ…

嗚呼…なんかもう…いいや…

この時、昔の事を思い出した

アイドルしてた時も…メンバーから“青兄”って呼ばれてたから

ya君との思い出は、昔の辛い記憶を拭うくらい楽しかった

「ya君の為なら…自分に出来る限り、全力を尽くしたい」

そう思った…

その時、etさんと初めて出会った

綺麗だった

橙色の綺麗な髪、ルビーの様な美しい瞳

惹きつけられる要素しか無い

これが恋だと気付くのに時間は掛からなかった

ya君がetさんの事を話している姿を僕が一番良く 見ている

その顔はまさに恋をしている顔

だから…諦めた

確信していたんだ

でも＿＿

ﾀｯﾀｯﾀｯ

etさんを傷付けてしまった時…

そう思ってしまったんだ

だから…ごめんなさい、ya君

僕は…最低なマネージャー(人間)です

やっぱり好きだ…

何を悲しんでいるんだ、僕…

分かり切っている事だろ？

ﾃｸﾃｸﾃｸ‥

etさんがya君に気持ちを出すまで…僕はetさんの前に姿を現しちゃ駄目だ

さようなら…僕の初恋