魔宮の広がる世界より
世界に広がり、人々を苦しめる迷宮。
それが生まれた理由に迫る中で、葛藤する少女の物語。
――いつからか、迷宮が生まれるようになった世界。
そこから湧き出る魔物は人々を襲い、町を飲み込んでゆく。
人口が半減するまで押されたところで、ようやく均衡を保てるようになった――
無谷(なしたに)優香は、高校の定期測定で魔力の素養が確認され、協会の訓練施設へと連れていかれた。
そして魔法士として育てられ、迷宮に潜る羽目になる。
友達のため、家族のため。果ては国のため、世界のため。
その叩き込まれた理由を胸に、魔物を倒す。
だがある日、優香はブラックだと感じていた協会を抜け、野良の小隊と組むことに。
しかし彼らは、新米の若い女性を狙う最低な新米狩りだった。
そして、優香が来たことのない深さまで連れて行き、襲った。
それから優香の人生は、一変する。
その日、少女の「覚醒者」に出会ったがために。
人知を超えた力を持つとされる覚醒者。
味方であると断定しきれないその少女に、振り回されることになる。