開店前のお店
ハル
……はぁ…
テーブルを拭きながらため息を零す
常連
あら、どうしたの?
ハル
あれ、早いですね
常連
うん、ちょっとプレゼント持ってきたのよ
ハル
プレゼント…?
常連
お肉好きでしょ〜?
ハル
あ、はい
机の上にお肉のブロックが登場した
ハル
えっ
常連
おすそ分け!
ハル
ありがとうございます…!
常連
リオちゃんにもよろしくね
ハル
…えっ?
常連
2人とも一緒に住んでるんでしょう?
ハル
な…なんで知って…
常連
同じシャンプーの匂いとか
常連
急に距離が近くなってたらわかるわよぉ
常連
何年通ってると思ってるのよ〜
ハル
…はは…
常連
それで?いつから付き合ってるの?
ハル
!……
ハル
付き合ってない…です
常連
え!そうなの?!
ハル
……はい
常連
………へぇ…
常連
ふふ…そっかぁ…
ハル
…あの…なんでニヤニヤして…
常連
…ハルちゃん、リオちゃんの事が好きなのねぇ?
ハル
へっ…?
ハル
いや、そんな訳…
ハル
…私はもう…
常連
………
常連
もう前に進んでもいいと思うけどね
常連
ハルちゃん
ハル
………
自分でも分かってる
ユメは今の私を見たらきっと笑うだろう
「いつまでうじうじしてんだー!」って
でも、どうしても私は…
ハル
(ユメ……)
目の前で起きたあの悪夢からどうしても逃げられない
もしかしたら、また、次も
居なくなってしまうかもしれないって
多分、ただそうやって言い訳しているだけ
好きになるのが怖い
次失ったら私はきっと
死ぬだろう