夏樹
ただいまぁ〜……
夏樹
雪?
夏樹
(おかしいなぁ、いつもはすぐ駆け寄ってくるのに。)
雪
……うぅ…………
夏樹
雪!?
夏樹
大丈夫か!?
雪
……夏樹……さん……?
夏樹
そうだぞ!
雪
……助けて……痛い……
雪
ガラス……刺さっちゃって……
夏樹
……!
夏樹
傷、見せれるか?
雪
うっ……はい……
夏樹
……これっ、相当深く刺さって…!
夏樹
痛いよな、ちょっと待ってな!
近くにあったスカーフで血を止め、
ガラスの破片を抜いた。
雪
痛いっ!……う"…
力のない小さな腕からは
ドロドロと紅い血が流れた。
雪
フーッ、フーッ……!
夏樹
ごめんな、もう少しだから。
夏樹
よく頑張ったな。
雪
ぐすっ……ありがとう…ございます……
雪
……ごめ、なさい……っ……
夏樹
大丈夫、辛かったよな。
夏樹
謝らなくてもいいんだよ。
雪
…………[ぎゅっ]
雪
(どうしよう…嫌だ、好き……。)
雪
(捨てられたらまた辛くなるのは私なのに……)
雪
(嫌だ、嫌われたくないよ……)
雪
(夏樹さんにだけは捨てられたくない。辛い……。)
夏樹
雪?
雪
……はい…。
夏樹
大丈夫か?
雪
……え…?
夏樹
今過呼吸気味だったから……
雪
あぁ、大丈夫です……。
夏樹
また苦しくなったりしたらすぐ言えよ?
雪
はい……。
雪
(バレないようにしなきゃ。)
雪
(じゃないと言い訳みたいだから。)
色々考えていたら、頭が痛くなって
眠ってしまった。
夏樹
……おやすみ、雪。
夏樹
[ちゅっ]