患者にだって恋はする

ぷふるるるる

赤が少し落ち着き始めた頃、スマホがうるさく鳴り響いた。 急いで病室を飛び出し、電話に出る

あれから10分程話し合っていた。

相談とは手術の事だった。 赤の手術が決まったらしい。

赤は心臓弁膜症と言う心臓病を患っている。 主な症状と言えば息切れや、ふらつき、動悸、疲労感だ。 これらの症状を赤が訴えるようになり、病院で心エコー図検査をしたところ病気が発覚した。

弁膜症の手術の成功率は比較的高い方だ。 手術をしない選択肢はないだろう。 もし仮に弁膜症を放置した場合、心不全を引き起こし、死に至ることもある。

これから先輩が赤のお母さんに連絡を取ってくれるらしい。 大きな手術になるため、費用もそこそこかかる。 そして100%成功の手術でも無いため、お母さんとの相談が必要だ。

とりあえず赤の病室に戻ると、赤は布団の中に潜っていた

そう言い、ゆっくりと布団を捲ると、小さく丸まり肩で息をする赤の姿があった。

胸が痛いと苦しんでいる赤の体をゆっくりと動かす。 右半身を下にして寝転がると心臓の位置が少し高くなるため、心臓の負担が軽くなる。

中々胸痛が収まらず、苦しんでいる赤を見ると心が痛くなる。

しばらくすると赤の症状は落ち着き、赤はすっと力が抜け、すぐに眠りについた。