蘭世
・nmmn注意 ・ご本人様には関係なし ・「〇〇に似てる」等の コメントはお控えください
あたしは中学生になってから、 一度も両親に会ったことがない
だって…あたしに両親なんて居ないから
今は、義理のお母さんと 一緒に暮らしている
あたしと血の繋がった家族は
お兄ちゃんただ1人しかいない
産まれた家に、幸せや愛 なんてものは存在しなかった
父はお酒をよく飲み 常にイライラしている
思い通りいかない場合は手を上げ、 そんな怪物を母がなだめる
それが我が家の日常
母はそんな父に疲れてしまったのか、 いつもあたし達に愚痴をこぼしていた
そのくせ離婚などはしようとせず
言いたいことを言い、 諦めた顔で父の元へ戻る
実際、幼い頃のあたしは それを何とも思っていなかった
まだ小学生にもなってない頃、 それを普通と信じて疑わなかった
だけど、物心がつくにつれて
強烈な違和感に襲われる
どうしてあの子は父と 話せているのだろう?
どうしてあの子と話す母は あんなに優しそうなの?
どうして皆は家族と ご飯を食べているの?
どうして、皆…
あたしには持ってないものを 当たり前みたいに持ってるの?
考えれば考えるほど苦しくなる
"両親"が羨ましい
"普通の家族"が欲しい
それから、いつもの日常も 平気じゃなくなった
父のことが怖くなり 母の愚痴も嫌になったから
お兄ちゃんが、あたしと 一緒に逃げてくれた
あたしを逃がしてくれた
そんなことを続けているうちに
あたし達と両親は、 同じ家に住んでいるだけの
ただの"他人"になってしまった
会話が減り、家からは声が消えた
だけどそんな両親のことは恨んでいない
だって、2人があぁなったのは
あたしが産まれたことが原因なんだから
きっとそうに違いない
「産まなければ良かった」 なんて言われたこともある
あたしが悪いんだ
あたしが罪を犯してしまったんだ
__両親が亡くなったことを知ったのは
あたしが小学生の頃
子供が学校に行っている間、 交通事故に遭ったらしい
それからあたし達は、里親の 元で育てられることになる
すぐ葬儀が始まり、 あたしとお兄ちゃんも出席した
葬儀が始まってから終わるまで
悲しいと思うことなんて無かった
そして…自分がどんな 人間だったのかを察する
両親が欲しいなんて言っていながら
それは、あたしの理想を 押し付けているだけで
当の父親と母親を、家族と なんて思っていなかっただけ
あたしは何かが人として 欠落しているように感じた
こんなあたしは人間じゃない
人間になりたい
ダメだと分かりつつ、今も思ってしまう
幸せな家族を見たときに
羨ましくて…妬ましいと
そんなことを考える自分が嫌い
気持ち悪くて仕方がない
早く、人間になって
この罪を償わなければいけないのに…
蘭世
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コメント
6件
まあまあリアルなところが辛い,,,
誰の視点かと思った!重すぎだろ
内容重すぎて、別の作品かと思っちゃったよ…() 明るい蘭世ちゃんにこんな過去が…しかもリアルで辛い…