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エンデヴァー
エンデヴァー
「失敗作」の私は稽古場に 入る事すら許されなかった。
だから皆が寝静まった 真夜中から早朝にかけて、
こっそりと稽古をした。
轟冷花
氷を出し続けて 出力向上と出す速度を速める。
氷壁を的にして 氷弾の練習。
氷を操れる範囲を広げる。 冷たさに耐性をつけるなど。
幼いなりに考えて、 強くなるために。
昔は立派なヒーローになって 父に見て欲しくて、
そのために稽古をしていた。
でもいつしかそれは "復讐"に変わってしまっていた。
そんなある日。
エンデヴァー
エンデヴァー
轟焦凍
エンデヴァー
轟焦凍
今にも嘔吐しそうなほど 顔色が悪い焦凍を、
無理やり引きずっていく父。
その時の焦凍の 苦しそうな顔を見て、
私の中の何かが プツンと切れた。
轟冷花
轟焦凍
エンデヴァー
私は先端が尖った氷塊を 握りしめて父を襲った。
父は咄嗟に炎を出して 氷は呆気なく溶ける。
エンデヴァー
轟冷花
轟冬美
轟冬美
轟夏雄
轟冷花
轟冷花
襲いかかる私の両腕を 父が押さえつける。
ジタバタと暴れながら 訳も分からず氷を出して、
廊下はあっという間に 氷漬けになった。
冬美姉さんや夏雄兄さんも 全員で私は止められて、
数ヶ月間精神病院に 入院する結果になった。
当時私は 精神を病んでいて、
正常な判断が 出来なくなっていたらしい。
一旦家庭から離れて 病院で過ごすうちに、
どうにか我に返って 今の私がいる。
あの時は自分が自分じゃ ないような感覚で、
事件を起こした時以外の 日常の記憶は曖昧だ。
私のそれがあったから、
焦凍は余計お父さんを 恨むことになってしまったのだろう。
轟焦凍
轟冷花
居間でボーッとそれらを 思い返していると、
焦凍が心配そうに 顔を覗いてくる。
私はもう大丈夫という 思いも込めて頷いた。