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茜
はっとして顔を上げると、君の心配そうな顔が見えた。
茜
結
地面に残りのアイスの塊が落ちる。
茜
そう言って君は貰ってきたアイスを僕に差し出す。
結
結
茜
困ったように眉を下げてアイスを袋から取り出す君。
茜
焦る君を見て、少しおかしな気分になってしまう。
結
君は僕を驚いたように少し見つめた後、同じように笑い出す。
笑うことなんて何もないのに、この時間は、何故か…とても楽しかった。
茜
結
やっぱり、変な心配は無用だったようだ。
今日も、いつもと変わらない、なんの変哲のない一日。
君と手分けして虫を探していた時、一匹際立つ金色のカブトムシがいた。
結
冷や汗が全身を伝う。
その時
茜
結
茜
結
茜
結
結
茜
残念そうな顔をする君に、少し、申し訳なくなった。
結
結
茜
君はふてくれたような態度を取りつつ了承した。
僕はそんな君の手を引いて駆け出す。
茜
茜
結
振り返ると、肩で息をしている君がいる。
必死に息を整えている君を見て、自分自身のことにもやっと気がついた。
結
結
おかしい。
いつもならこんなに走れないのに。
気がついた時には、無我夢中で君と山を下りていた。
結
”また”、僕はその場にしゃがみ込む。
茜
結
君の顔を見れずに、逃げるようにその場から走り去る。
後ろから君の声が聞こえる。でも、この足は止まらない。
止まってくれなかった。
走って、走って…やっと家へ入った。
結
結
唐突な吐き気が全身を走る。
結
ただの夢なはずなのに。
僕はどうして、なんで?
結
そう、呟いた時だった。
結
…なんで、なんで。
なんで僕は、また布団の上にいるの?
結
結
僕は急いでトイレへ駆け込む。
結
うそだ、うそだ。
結
だんだんと息が上がってきて、胸が苦しい。
僕はその場にうずくまって、動けなくなる。
結
どのくらいの時間が経ったのか、僕にはわからなかったけれど。
ピンポーン…
古びた音のインターホンが聴こえて、ハッと意識が戻る。
結
生憎この時間母は家におらず、任せる人もいないので僕はトイレを出る。
結
茜
そこには見える、少し頬に汗を垂らしたまま、僕を見つめる君の姿が。
茜
結
茜
君は首を傾げて、心配の眼差しで僕を見つめる。
結
茜
結
茜
君はひらひらと手を振ると、僕の反対方向に駆けていく。
君の背中が見えなくなると、僕は安堵のため息をついて、引き戸を閉める。
結
結
時計を見ると、その時間帯は…。
結
結
結
結
結
時計は、あの時と同じ、13時を指していた。
結
茜
茜
信号が青になって駆けた時、横5メートル先辺りからクラクションの音が聞こえた。
茜
理解する間もなく、車が目の前まで来た時。
結
先程まで家にいたはずの結が、俺の背中を押す。
俺は歩道側に転げて、至る所に身体をぶつける。
しかしそれより意識がいったのは、____。
道路に響いた、鈍い音だった。
グチャッ。
茜
結は…ちがう。結だったモノは、面影もなく赤にまみれていた。
人の形なのかも怪しくて、気持ちが悪くなる。
運転手は叫び声を上げて、急ブレーキをかける。
遠ざかっていく車を見つめていると、途端に身体に痛みが押し寄せてくる。
茜
身体を押さえながら呻く。
心臓が聞いたこともないほど速く鼓動して、バクバクと鳴っている。
茜
動かなくなった身体を見つめながら、俺は意識を失った。
茜
気づくと、君が僕に手を差し出していた。
結
結
さっきは布団からだったはずなのに。
なんでここまで進んでいるの?
……さっき?
結
グチャッ。
結
僕は足の力が抜けて、その場に崩れ落ちる。
茜
君が慌てて僕に駆け寄る。
結
君を見つめているのに、顔が引き攣る。
車に触れたあの感触はまだ残っているのに、痛みはない。
怖い。痛くない。本当に?
結
パニックになって君の手を振り払う。
なんで、落ち着いてよ…。
目の前にいるのは…
茜
いつものキミなのに。
なんで、なんでずっと同じことが起きているの。
今も夢?
本当に夢?
ここにいる君は誰?
結
僕は君の顔を見れないまま、そのまま山を駆け下りた。
結
僕は、さっき死んだの?
僕が死んだから、進んだ?
結
泣きべそをかきながら、僕は歩道を走る。
涙で視界が歪む。
結
足元にあった、手のひらサイズの石で躓いて転ぶ。
結
抑えきれなかった涙がボロボロと零れ落ちる。
結
色んな感情が押し入って、地面の上で拳を握る。
茜
君が驚いた顔で駆け寄ってくる。
茜
結
結
グチャッ。
結
僕は君が差し伸べてくれた手を振り払って、君を押し返す。
結
結
僕は焦って君に背を向けて走り出す。
茜
その時、君が後ろで声を荒らげる。
茜
結
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