TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

B組教室

教師

はい、それじゃ隣の席の人と机合わせてください

教師

ここからはペアワークの時間にします

遥都 筋菜

(隣の席の人、今日は休んでますわね…)

教師

…あ、仮面さん、遥都さんの隣に移動してあげて

遥都 筋菜

…えっ?

アタシは驚いた。先生の言葉で隣に移動してきた彼は、学園の三大イケメンに数えられるほどの存在だからだ

仮面 剣

…不満だったか?

遥都 筋菜

いえ、別に?

遥都 筋菜

(そっか、この人の隣も欠席なんだった)

仮面 剣

…それで、ここの問題だが――

 

 

教師

はい、そろそろ終わりにしましょう。仮面さん、もう自席に戻っていいですよ

先生の言葉で、彼は立ち上がった

 

昼休み

遥都 筋菜

(さて、次の授業は…)

遥都 筋菜

…あれ?

遥都 筋菜

この消しゴム…アタシのじゃない

遥都 筋菜

もしかして、アタシの消しゴム……あ、やっぱり無い!

遥都 筋菜

(…まさか、さっきの時間に?)

遥都 筋菜

(どうしよう…彼がどこにいるかも分からないのに)

授業の前には、彼も戻ってくるはずだ

それでも、昼休み終わりの騒々しい教室で、離れた席まで行く余裕なんてないかもしれない

遥都 筋菜

(…捜してみようかな)

遥都 筋菜

とはいえ

遥都 筋菜

手がかりなんてないし…

遥都 筋菜

(彼の行きそうな場所…どこだろう)

???

あれ、その消しゴム、ツルギのだよね?なんでキミが持ってるの?

遥都 筋菜

えっ…?

星野 春

…あれ、もしかしてキミのだった?

遥都 筋菜

(ツルギ、って…もしかして、彼の友人?なら…)

遥都 筋菜

いえ、たまたま消しゴムが入れ替わってしまったみたいで。

星野 春

そっか

遥都 筋菜

それで、今彼を捜しているのですが…

星野 春

うーん…ツルギ、どこにいるんだろう。ぼくにも分かんないや

星野 春

でも、静かな場所にいるんじゃないかな?

星野 春

騒がしいのは苦手だってよく言ってるから

遥都 筋菜

…なるほど

遥都 筋菜

感謝いたしますわ。えっと…

星野 春

ぼく?星野 春だよ!

遥都 筋菜

…星野さん、ね。

遥都 筋菜

静かな場所、捜してみますわ

 

遥都 筋菜

(この学園で、静かそうな場所…)

図書室

遥都 筋菜

(思ったとおり…静かですわね)

遥都 筋菜

(さて、彼は…)

読書スペースを見回してみた。

遥都 筋菜

(いない…)

遥都 筋菜

(もしかして、本棚の方に?)

遥都 筋菜

(一列ずつ、見て回ってみよう)

遥都 筋菜

…あっ

経済学のコーナーを見ているとき、見覚えのある本が目に入った

遥都 筋菜

(これ、パパの…)

そう思って、その本に手を伸ばしたときだった

???

…あっ

遥都 筋菜

わっ…

誰かと手が触れあってしまった

仮面 剣

…すまない。周りがよく見られていなかった

遥都 筋菜

いえ、こちらこそ…

その相手は、捜していた仮面さん本人だった

遥都 筋菜

…あっ、これ。忘れないうちに…

仮面 剣

…私の消しゴム?

遥都 筋菜

ええ。さっきの時間に、入れ替わってしまったみたいで

仮面 剣

そうか。…机に置いておけば良かったのに、わざわざ届けてくれたのか

遥都 筋菜

…席、離れてますので。昼休み終わりの教室はよく混みますし…

遥都 筋菜

それに、仮面さんのだと断定できる証拠もなかったので

仮面 剣

…助かった

仮面 剣

生憎だがこちらはまだ気づいていなかった。今日は早めに戻ることにしよう

遥都 筋菜

え、でも…

仮面 剣

いいんだ。困るのは君だろう?

遥都 筋菜

…ありがとう、ございます

仮面 剣

…ところで、先程のことだが

仮面 剣

…どうして私が図書室にいると分かったのだ?

遥都 筋菜

…それは…

遥都 筋菜

…アタシも、同じですから。なんとなく分かったんですよ

仮面 剣

…?

遥都 筋菜

アタシも、騒がしいのは苦手ですから

仮面 剣

…フッ、そうか。

仮面 剣

…よかった

遥都 筋菜

えっ?

仮面 剣

君のような人が、同じクラスで

遥都 筋菜

………

彼からそんなことを言われるとは思っていなくて、アタシは黙ってしまう。

遥都 筋菜

(最初は近寄りがたいって思ってたけど…)

遥都 筋菜

(意外と話が合いそうですわね)

5限目は公民だった。

遥都 筋菜

(…あ、書き間違えた)

消しゴムを手に取る。今度はちゃんと自分のものだ。

遥都 筋菜

(A組の、星野さん…)

遥都 筋菜

(彼みたいに、なれるといいな…)

遥都 筋菜

(…友達に…)

教師

――じゃあ遥都さん、ここ読んでもらえる?

遥都 筋菜

――はい

教科書を持って立ち上がる。

今日は株の授業だった

そのページの端に、偉そうな男性の写真が載ってある

遥都 筋菜

(パパ…)

遥都 筋菜

(学校、ちょっとだけ楽しいよ)

遥都 筋菜

(だから…)

遥都 筋菜

(だから早く…)

キャラ紹介

遥都 筋菜(はると すじな) 性別:女 クラス:D組 得意科目:数学、理科、社会、言語学、音楽、技術 あだ名:スージー

この作品はいかがでしたか?

0

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚