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リクエスト 『我慢は禁物。』

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リクエスト 『我慢は禁物。』

1 - リクエスト 『我慢は禁物。』

♥

4,176

2021年05月16日

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ころ💙

さとみくーん。

さと💗

なに?

そう言って振り返った彼の目には、クマができていた。

目の前には一台のパソコン。

最近、ずっとそうだ。

構ってくれないから寂しい、とか、そんな自分勝手な思いはないけれど。

ただ単に、クマが酷くなっていくさとみくんの事が、心配だった。

ころ💙

…ご飯できたよ?一緒食べない?ニコッ

さと💗

あー、ごめん。先食べといて。後で食べるから。

ころ💙

…でも、そう言って前は食べなかったでしょ?

ころ💙

そろそろ何か食べないと、倒れちゃうよ。

さと💗

大丈夫。自分の体のことは、自分で分かってるから。

ころ💙

……そっか。

面倒臭い恋人だと思われたくなくて、一人で食卓へ向かう。

いつからこうなったんだっけ。

前は、もっと2人で話したりしてたのに。

このご飯美味しいね、とか、そんな当たり前の会話。

でも、最近は全く話さなくなっちゃった。

邪魔したくない僕と、邪魔されたくない君。

2人とも、自然と笑顔は減っていって、まるで別々に暮らしているかのようだった。

ころ💙

…ごちそーさまっ!

それでも、一回泣いたら止まらなくなる気がして、笑顔でいようと決めたんだ。

さと💗

…ころん。

ころ💙

へっ?

さと💗

ご飯、どこ?

ころ💙

…!今持ってくるね!

さと💗

ありがと。

椅子に座った彼を見ながら、急いでキッチンへと向かった。

ころ💙

えへへ…

久しぶりに手料理を食べてもらえることが嬉しくて、つい笑ってしまう。

また、美味しいって言ってくれるかな。

さとみくんの笑顔、見れるかな。

そんなことを考えながら、彼のもとへ戻った。

ころ💙

はい!さとみくん!

さと💗

んぁ?ありがと…

さと💗

…って、何これ。

ころ💙

え?ただのパスタだけど…

さと💗

……いや、こんなん食べるわけないだろ。

ころ💙

…え、なんで?

さと💗

…はぁ?考えたら分かるだろ。

さと💗

こっちは、仕事の合間に飯食いたいだけなんだっつーの。

ころ💙

だからパスタ作ってんじゃん。

さと💗

もっと軽いやつにしてよ。そんなガッツリ食いたいわけでもねーし。

ころ💙

………。

ころ💙

…自分で作れば?

さと💗

は?

明らかにイラついた彼の顔を見て、やらかした、と思った。

でも、もう我慢出来ない。

疲れてるからって、そんな態度とっていいわけがない。

ころ💙

…ッは、じゃなくてさ。僕が用意したものに文句言うなら、自分で納得するものを用意すればいーじゃん。

ころ💙

僕、別にさとみくんの家政婦じゃないんだよ。

さと💗

…俺の命令を聞けって言ってんじゃねーんだよ。

さと💗

俺よりお前の方が暇なんだろ?なら、俺をサポートしてくれって言ってんの。

ころ💙

…ッ僕たち、恋人だよね。

さと💗

そーだけど?

ころ💙

……ッこんなの、僕が求めてた生活じゃない!

さと💗

は?

ころ💙

前みたいに、普通の会話が出来れば十分幸せだった。

ころ💙

さとみくんの笑顔も、大好きだった。ポロポロ

ころ💙

でも、もう何も残ってない。ポロポロ

さと💗

何言ってんの?

ころ💙

僕が大好きだったものは、もう何も残ってないんだよ。ポロポロ

さと💗

…そりゃそーだろ。いつまで経っても自分の理想の形が続くと思うなよ。

ころ💙

…ッ理想の形を壊したのは誰だよ!!ポロポロ

さと💗

…何なの?いきなりキレ初めて。怖ぇんだけど。

ころ💙

……ッポロポロ

さと💗

……今日、お前おかしいよ。頭冷やせば?

そう言って、さとみくんは家を出ていった。

どれだけ時間が経っても、涙は止まらない。

そのうち、頭がボーッとしてきて、視界が歪み始める。

そういえば、朝から頭が痛かった気がする。

喉も、少し痛かったかも。

熱かなぁ、なんて呑気に考えていたら、視界が真っ暗になった。

しんと静まり返った部屋で、僕の倒れる音が響いた。

さとみくん。

今、どこにいるの?

怒ってるよね。

ごめんなさい。

疲れてるのに、負担をかけてごめんね。

迷惑かけてごめんね。

そろそろ、帰ってきてくれないかな。

もう、さとみくんの笑った顔を見ることはできないのかな。

寂しいな。

また、抱きしめて欲しかった。

好きだよって、言って欲しい。

それも全部、ワガママなのかな。

ころ💙

んぅ…

さと💗

…!ころんッ!!

ころ💙

さと…みく…?

さと💗

…ッ大丈夫?

心配そうに、僕を見つめる彼。

あぁ、夢か、と思った。

だって、さとみくんはもうこんな優しい目で僕のことを見てくれないと思うから。

ころ💙

……好き、だよ。

さと💗

…え?

ころ💙

…だーいすき。

にしし、と笑うと、彼は泣きそうな顔になった。

ごめん、と呟く声が聞こえる。

ころ💙

どぉしたの…?

さと💗

ごめんなぁ…ッポロポロ

ころ💙

……なんで、謝るの…?

さと💗

俺も、大好きだよ…ッポロポロ

そう言って、僕を抱きしめる。

やけにぬくもりがリアルで、その事が僕の胸をしめつける。

だって、目が覚めた時、僕は泣いてしまうと思うから。

さと💗

熱、気づかなくてごめん…ッポロポロ

ころ💙

…忙しーもんね。ニコッ

さと💗

…ッまだ、そんなこと言ってくれるの…?ポロポロ

ころ💙

…さとみくんの近くにね、僕はいるの!ニコッ

さと💗

へ…?ポロポロ

ころ💙

近くにいるからね、さとみくんの頑張ってるところも見てるんだよ!ニコッ

ころ💙

毎日、お疲れ様。ニコッ

さと💗

…ッころぉ…ポロポロ

さとみくんは、何度もごめんと言っていた。

気づかなくてごめん、迷惑かけてごめん、そんなことを、繰り返し。

もういいよ、と言っても、彼は謝り続けた。

ころ💙

さとみくん…

さと💗

お前が優しいからって、ずっと八つ当たりしてた…ポロポロ

ころ💙

…別に、いーよ。ニコッ

さと💗

お前が辛そうにしてるって、気づけたはずなのに。ポロポロ

さと💗

耐えきれなくなって言った言葉も、全部酷い言葉で返した。ポロポロ

さと💗

ほんとに、ごめん…ポロポロ

ころ💙

……ポロッ

思わず溢れた、僕の涙。

それは、止まることを知らなくて、どんどん目から溢れる。

さと💗

辛かったよな…ポロポロ

ころ💙

…ッちが、ごめ…ポロポロ

涙を拭きながら、これが現実だったら、と思った。

彼が、また好きだと言ってくれた。

前みたいに、優しい目で僕のことを見てくれた。

それが、僕の中で作られた、ただの夢だなんて。

ころ💙

さとみく…ッポロポロ

さと💗

どーしたの…グスッ

ころ💙

ごめ、なさ…ッポロポロ

さと💗

え…ッ?

ころ💙

僕が、悪かったからぁ…ッポロポロ

ころ💙

もう、文句言わないから…ッ迷惑かけないから…ポロポロ

さと💗

ころん…?

ころ💙

嫌いになんないでよ…ポロポロ

『現実』のさとみくんに向けた言葉。

それは、僕の叶わぬ願い。

きっと、もう届かない。

さと💗

…ッころん!

ころ💙

ふぇ…ポロポロ

さと💗

俺は、お前が好き!大好きだよ!

ころ💙

…ちが、違うの…ポロポロ

『君』じゃなくて。

『現実の君』は、きっとそんなこと思ってないから。

さと💗

何が違うの…?

ころ💙

…ッだって、貴方は『さとみくん』じゃないもん…ポロポロ

さと💗

……へ?

口をあんぐりと開けたまま、固まっている。

その後すぐに眉をひそめて、俺が俺じゃない…?とかブツブツ言い出した。

さと💗

えっと、俺は『さとみくん』なんだけど…?

ころ💙

違うもん…ッポロポロ

さと💗

違うって言われても…

そう言いながら、本当に困った顔をしている。

その顔を見ていると、僕も混乱してきた。

ころ💙

えと、でも、さとみくんは怒って出て行っちゃったから…ッポロポロ

さと💗

…え?

ころ💙

ここに居るはずなくて、だから、これは夢で…ッポロポロ

さと💗

………あー、そゆことね…

少し申し訳なさそうな顔をした後に、僕を優しく抱きしめた。

その温もりが大好きで、また涙が溢れる。

さと💗

忘れ物しちゃって、一旦家に帰ろうと思ったんだよ。

さと💗

気まずかったけど、悪かったのは俺だし。謝りたいと思って。

ころ💙

…え、じゃあ、夢じゃなくて、さとみくんなの…?ポロポロ

さと💗

ずっとそう言ってんだろ。ばーか。ニコッ

ころ💙

…ッざどみぐ…ポロポロ

それから、僕はみっともなく泣き続けた。

そんな僕を、彼は変わらず優しく包み込んでくれる。

その温もりを、一生手放したくはないと、心の中で願った。

のの ❀

リクエストされていた、さところの喧嘩の話です!

のの ❀

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のの ❀

リクエストも待ってます!

のの ❀

では、またねー\( •ω•´ )/

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