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…………

モブ4

お?どうした、言い返せなく
ていじけたかぁ?w

トンッ…

すると突然、夢は手刀を作ると モブ4の腹部にそれを軽く当てた。

モブ4

おいおい、んなので
俺がやられるわけ…

ドッッッ……ゴォンッ!!

モブ4

ガハッ…!?

しかし夢がそのまま突き出した瞬間、モブ4はそのまま後ろに吹っ飛び壁に激突した。

は?え…、夢ちゃん?

突然のことに理解が追いつかず、 その場にいた全員が硬直した。

目の前の少女が繰り出した、 問答無用のワンインチパンチ。

ねぇ、来ないの?

殺んないと、殺られるよ?

ビュンッ

夢はそう言うと、 次の標的にすぐさま迫った。

モブ5

!?

ズガァァンッ!!

すると今度は容赦なく、モブ5の顔面目掛けて回し蹴りを入れた。

はい、次…

モブ3

クソ!!

モブ3

お前らボーっとしてねーでいくぞ!!

するとモブ3の掛け声に反応し、武器を持った大勢の男たちが夢に襲いかかった。

しかし…

ゴッッッ!!

モブ3

グハァ…!!

モブ3は繰り出されたサイドキックを食らい、

モブ6

テメェ…!!

ガッ……ゴギッッッ!!

モブ6

アガッッ!?

モブ6は不意打ちを狙うも交わされ、関節蹴りを食らいゴミのように蹴り飛ばされ

モブ7

この野郎!!

…ッ……!

モブ7は夢に殴りかかったが、攻撃の腕を何度も掴まれ抑え込まれてしまい、全く当たらなかった。

そして…

ビュンッ!!

一瞬の隙を見切った夢は水平にした手を突き出し、モブ7の右目に突き刺した。

モブ7

ギャアアアアアア─────ッッッ!!!!!

モブ7は潰れてしまった右目を押さえ、その場に蹲った。

それからもずっとそれは続いた。

目の前で起こる一人の少女による、一方的な蹂躙…

彼女の勢いに追いつく者も、 止められる者もいなかった。

ココ

おいおい、夢いきなり
どうしちまったんだよ…

鶴蝶

分からない、でもひとつ
言えることがあるならば、

鶴蝶

夢は空手かなんかの、
武術を習っていたんだろう

マイキー

いや、あれは空手じゃない

マイキー

最初のワンインチパンチや関節蹴り

マイキー

相手の腕を掴んで固定するトラッピング、そしてさっきのフィンガージャブ

マイキー

あれは全て、
"ジークンドー"の技だ

竜胆

ジークンドー…

武臣

おい、もしかして前のあれって、
そういうことじゃないか?

望月

前のあれ?

武臣

ほら、前に夢が梵天ランキング
とか言うのを始めた時だよ

注意⚠ ヲタ女と反社 短編集のお話です

武臣

話も大詰めになった頃、夢のランキングは何だろうみたいな感じになって

武臣

俺が夢に特技聞いたろ?

武臣

そんとき夢…

夢 「特技?私の特技はジー……っ!!」

武臣

みたいな感じに言ってたろ?

武臣

多分あれは、ジークンドーって言おうとしたんじゃないか?

春千夜

確かに、無くはないかもな…

ココ

でもなら、なんで夢は
隠すような真似したんだ?

…………

七年前…

赤〇秀一 「フィンガージャブ、日本で言う目潰しだ」 「ジークンドーの技の一つだよ」

夢(9歳)

おお…!!

夢(9歳)

かっこいい!!

私がジークンドーを知ったのは9歳の時…

初めてハマったアニメ、初めてできた推し。

推しのようになりたい、 そう思うようになった。

そして私は色々調べながら、 独学でジークンドーを身につけた。

そして気がついたら、近所のガキ大将やちょっとした不良も倒せるようになっていた。

そういうことに使おうとは、 微塵も思っていなかったけど、

大切な人を守れるようになって、 すごく嬉しかった。

でも…

夢(中一)

今日のお昼は何にしよっかな〜♪

不良A

なあ、兄ちゃんよォ?

夢(中一)

ん?

見ると不良達に、ある二人の 男子生徒が絡まれていた。

なんと!?あれはクラスでも 一押しのBLカップル!?

不良に絡まれちゃうなんて お決まりの展開…

などと、寝ぼけたようなことを考えていた私。

不良A

俺ら金なくてさ、腹減って
るから何か買ってくれや

優太

いや、でも…

不良B

あ”?拒否ったら
どうなるか分かってんの?

誠二

すみませんが、
他を当たってくれます?

うおお!!攻めくんが受けくんを守ってるなんて最高すぎるッッッ

遠目にそんなことを 思っていたその時だった。

ドゴッッッ!!

誠二

うぐっ…!!

不良Aが、誠二君を殴ったのだ。

夢(中一)

は?

不良A

俺らに逆らうとかいい度胸じゃん?

不良A

なあ?真面目くんよォ?

誠二

グッ…

不良は倒れた誠二君の髪をつかみ上げた。

優太

おい、やめろよ!!

不良B

何?お前も殴られたい訳?

優太

……ッ…!!

周囲の生徒はただ見ている者や泣いている者、先生を呼びに行こうとする者はいたが

誰も止めようとはしていなかった。

夢(中一)

チッ…

私は痺れを切らして、 その不良たちの元へ向かった。

ガシッ…

不良A

あ?

そして私は、不良Aの肩を掴んだ。

不良A

なんだお前、
お前も殴られてぇのか?

夢(中一)

……………

不良A

おい、聞いてんだろうが…!!

私はそう言って殴りかかる不良Aの腕を掴んで抑え、そのまま腹にパンチを入れた。

不良A

ガハッ…!?

突然のことにガードもできず、 不良Aはそのまま倒れた。

それが大喧嘩の引き金を引いたけど、私はやめなかった。

最初は5人くらいだったのが、仲間を呼ばれて敵は10人にもなった。

でもさらに上達したジークンドーで、私は少しも苦戦することなく勝った。

これで二人を助けられた、 そう思うと安心できた。

でも…、返ってきたのは

優太

…ッ……!?

誠二

……………

恐怖と軽蔑の混ざった視線だけだった。

それから瞬く間に、この話題は 学校中に広まった。

小学生の時はみんな「すごいすごい」と言って、私に近づいてきた。

でも今は違う。

不良10人を倒した、危ない女

そういう印象を付けられ、私の周りには誰も寄り付かなくなった。

私はただ守りたかっただけ、でも現実はいつも予想通りには行かない。

こんなことなら、ジークンドーなんて知らなければよかった。

私は生活が耐えきれなくて、 その学校を転校した。

新しい学校では心安らかに、誰にも腹を立てないようにしようと心に決めた。

大切な人も作らないようにしよう 友達も好きな人も…

もし作ってしまったら、 また同じことを繰り返すから

でも結局できなかった 勝手に出来ちゃうし、その分何度も同じことをした。

私は、自分が嫌いになった。

ダメだと分かっているのに、 制御できない自分を心底憎んだ。

高校生になって出来てしまった友達 恵美子と優里も、そして蘭ちゃん達も…私がどんな子か知ればきっと離れていく。

そう…みんな同じ

…………

モブ4

このッ…死ねクソ女!!

ドォンッ!!

モブ4

グアッ…!?

背後を取り金属バットを振るったモブ4だったが、軽々と交わされ地面に倒された。

そして夢は胸ぐらを掴んだまま馬乗りになり、モブ4の顔面を殴り始めた。

ガッ……ゴキッ… ゴッッ、グシャ!!

モブ4

ガハッ……グッ、やめっ…!!

……………

鶴蝶

おい…夢、もう…

ココ

あ、あとは俺らでやるから…

嫌な予感を感じた二人は夢に制止を訴えたが、夢は全く聞く耳を持たず

ただ黙って、モブ4を殴り続けた。

春千夜

……同じだ

武臣

何がだ?

春千夜

今の夢は…血のハロウィンの時、一虎を殺しかけたマイキーと同じなんだよ

望月

嘘だろ…

マイキー

ダメだ夢…

マイキー

お前は、俺みたいになるなッッ!!

竜胆

やめろマイキー!!

焦ったマイキーは夢を止めに行こうとしたが、そばにいた竜胆がマイキーを抑えた。

マイキー

離せ竜胆ッッ!!

竜胆

離すわけねーだろ!!よく考えろ!!

竜胆

今の夢に少しでも近づいたら、
どうなるかくらい分かんだろ!!

マイキー

でもこのままほっといたら、
取り返しがつかないぞ!!

取り返しがつかない…?

まさか、夢ちゃんが"人殺し"に…?

夢ちゃん!!

竜胆

兄貴ダメだ、待て!!

蘭は呼び止める竜胆の言葉を 無視して、夢の元へ駆け寄った。

夢ちゃん、もういいから

これ以上やったら、夢ちゃんが人殺しになっちゃう

それだけはダメだ

…………

蘭がそう訴えると、 夢は殴る手を止めた。

夢ちゃん………グッッ!?

ダァンッ!!

しかし蘭が力を緩めた瞬間、 夢は蘭の首を掴み地面に倒させた。

そして夢はそのまま、 蘭の首を絞め始めた。

ガッ……ウグッ、カヒュッッ─!!

竜胆

兄貴…!!

マイキー

夢、ダメだやめろ!

…………

夢…ッちゃん

ないで…

え?

嫌わ…ないで、
ひとりに…しないで

置いて…いかッないで…

夢はそう言って、 瞳からポロポロと涙を流し始めた。

ココ

夢…

…………大ッ丈夫、だよ

俺は…俺たちッは、
夢ちゃんを…嫌わないし

一人になんか、しないッから

置いてッなんか…
いかないよ、約束…

やく、そく…

うん、約束

そう言って蘭が微笑むと、次第に夢の手の力が緩まっていった。

蘭ちゃん…

うん、蘭ちゃんだよ

…ごめん、ごめんなさいッッ…!

いいんだよ、泣かないで

私…ただ、守りたかったッだけ、なのに……ッ!!

うんうん、分かってるよ

ごめんッ…グスッ……ありッがとう…

蘭は夢を優しく包み込むと、大きな手で何度も背中をさすり頭を撫でた。

ブックル

…………………

和田

ヒュー……ヒュー……

2人とも、和田っちは?

MDO

もう意識がない、
呼吸も弱くなってる

MDO

救急車の音が近いが、
もしかしたらもう…

夢達のいる空間が、その言葉と共に重苦しい空気に包まれる。

しかし…

和田

ゆ…めッ……

和田っち!?

和田

聞ッ……け…

聞く…ッ聞くから…!

和田

おれ…の、むすめはッ…
亡くなった、んじゃッない

和田

"無くなった"ッ…んだ

え?

それ、どういう…

和田

…ッ…!!

しかしその答えを聞く前に、 和田の意識は再び消えてしまった。

和田っち…和田っち!!

MDO

和田さんしっかり!!

ブックル

くそっ…!!

三人の声が工場内に響いたが、けたたましいサイレンの音がそれを全てかき消した。

To Be Continued…

ヲタ女と反社【第1期】

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コメント

19

ユーザー

遂に人類にもエ○ァが居るんだ……(?)

ユーザー

ヲタ女と反社の1期読むの五回目(笑)でも、何回見ても面白い!主様天才だ…気がついたらこの小説のこと考えてる…

ユーザー

私の推しがピンポイントで出てくる…(梵天メンバー全員と、赤井○一&夢ちゃん)

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