戦闘の天才少女

試合当日

アルマは私の頬をそっと撫でて顎を掴んだ

バシッ

手を払い除けて距離をあけた

ハッチの中及びコックピットの中

少し力のない声に違和感を感じながらも試合に集中した

「ユウ・ウェルガー、アルマ・ペリトの試合開始します」

ビーッ

通信機で話しかけられながらも飛んでくる銃光線を避けていく

画面の数値とモニターを交互に見ながら2人の会話を聞く

ギュッと拳を握り込む

いつもの息苦しさを覚悟して身構えると、いつもよりも軽く感じた

いつもよりも速いスピードでアルマの機体に近づくと剣を背中から抜き取ってそのまま首を切断した

「首切断により、勝者ユウ・ウェルガー」

握りこんでいた拳を上に振り上げた

試合後

ナナに目掛けて走って行くと手で制された

この数日後、私はお兄様と試合をしたけど、結果は負け 当然と言えば当然…かな

そして、その一週間後

新しく生徒会に任命された私達はパーティーを開いてお披露目会をする事になった

確かに周りを見るとΩがここにいるのが珍しいのか皆チラチラとこちらを見ていた

戦闘特攻科専用のマントを外してナナの肩に掛けた

掛けられたマントをギュッと握った

ケイ・マクリ ♂(α‬) 2年生(17歳) 179cm 戦闘特攻科 こちらもまた名家である 医学に長けてるが、ケイは戦闘特攻科

会場の隅っこの方を指差し、振り向くと壁に向かってブツブツと話してる人物が居た

ジル・スチュワート ♂(α‬) 2年生(17歳) 195cm 戦闘特攻科 暗いけど、機体の剣術はトップクラス

やっぱり…私とは住む世界が…違う…

ガシッと腕を掴まれて会場の外に連れてかれた

指摘されてまだ腕を掴んでいた事に気づく

腕じゃなくて手を握るとナナは慌て始めた

ナナの頬をそっと撫でた

ふっと微笑みながらユウは頬にチュッとキスをした

突然の事に言葉が出ず、結局帰るまでまともにユウの顔が見れなかった