遺書。

真へ。 辛いとき、誰も僕を理解してくれないとき、優しく包み込んでくれてありがとう。見たことない場所へ連れ出してくれてありがとう。 逃げ場所を一緒に探してくれてありがとう。 僕に何も期待しなくてくれてありがとう。僕の持ってるものが宝でないことを肯定してくれてありがとう。 僕が死んだら真がどう思うかは分からない。けど、大丈夫だと思った。 ごめんね。こんな僕で。 理想の人間になろうとしたんだ。 みんなに優しい、心の広い人。 僕には到底なれない人間に。 けれども、誰も気付いてくれなかった。誰も。

辛かった。けど、今まで真がいてくれたから生きれた。嫌な家族が永遠と家に居座り続けてでも。 真さえいれば全然良かった。 だけど。ダメだった。 去年の夏。親に言われた一言が忘れられないんだ。 『宝の持ち腐れ』 僕にとっては タブーな言葉。 時間が経てば忘れられる。そう思っていたけど。 ダメだったんだ。

過去の品を見るだけで吐き気がしてくる。嫌な思いがフラッシュバックして鬱状態が永遠と続いてしまう。 監督に似ている物とかを見ただけで怖気付いてしまう。 こんな僕でごめん。 もう 頑張れないんだ。 元々頑張ってないけどさ。 真、今までずっと一緒にいてくれてありがとう。