刑務所物語

ドズル視点

そう聞くと、目の前の人物は振り返りもせずこう言う

僕はずっとおんりーを監視していた

おんりーがここに来てから、ずっと

いつも通りの微笑みを浮かべているんだろうと分かる、そんな声色

おんりーがゆっくりとこちらを振り向く やはり、にこにこと人当たりの良い笑顔を浮かべている

なぜかおんりーは目を少し見開いて驚いている

怪しい動き以外に、バレたらダメなことでもしてるのか…？

その当たり前が、 今の僕には信用できないけど

おんりーは、何をまだ隠しているんだろうか

ルザク視点

前から人の気配…

この気配を悟らせない歩き方… ゆっくりだけど、少し歩幅は大きい 足音は気にしなければわからない程度

？！おんりーちゃん！？ びっくりした… こっちに気づいていない…

何か呟いてる？

あ、バレた

おんりーちゃんの驚いた顔、初めて見たかも… でも、よく見ないと気づかないかも

おんりーちゃんは手をひらひらとして僕の横を通り過ぎた

僕もおんりーちゃんに背を向ける形で行く道を急いだ

急に頭がぼんやりしてき…た…

どう言うこと？ 僕は…サっき…まデ…

ぅ、ぐ…ァ… 頭が痛い

ガンガンと響いている

思わず声を漏らしそうになったその時

そうだ さっきまでおんりーちゃんと話してて… おんりーちゃんの様子がおかしかったんだ

ん…？急に頭がぼんやりしたのはなんで…？ まるで記憶が消えたみたいだった

目の前のおんりーちゃんの表情は 本当に心配しているようで 僕は頭を振って邪念を取り払った

僕は急いでその場を離れた

おらふくん視点

今日は刑務作業監視の係

ちゃんと見張らないと！

すると、ルザクくんが真っ青な顔をして僕の方に来た

そうルザクくんに言いながら

僕はいつものおんりーを思い出していた