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灰色の霧が、窓の外でゆっくりと渦を巻いていた。
エンジン音と、タイヤが砂利を踏む低い振動だけが車内に響く。
ネム
長時間の移動で疲れたのか、魔女の三角帽を被る少女は退屈そうに話す。
タツヤ
冗談まじりにそう話すのは運転席に座る30半ばの男性。オールバックに切れ目が印象的な彼は、ハンドルを握りつつ髪を気にしながら運転を続ける。
カイト
短髪でツンツン頭のいかにも元気な少年といった様相の彼は、スマホで地図と手に持つコンパスを頼りに道案内をしている。
いずれの隊員も首元にはメカニックなチョーカーを装着しており、埋め込まれたライトはいずれも"青"く淡い光を放っている。
タツヤ
カイト
ネム
タツヤ
カイト
近くまで車を進めると手を振る少女の横にはぐったりと横たわる少年の姿も見えた。
タツヤ
セラ
セラ
カイト
タツヤ
セラ
ネム
そんなやりとりをしていると重厚な足音が聞こえ始める。霧の中で蠢くそれは、車の2倍の大きさはある巨大な獣の姿をした魔物だった...オオカミのような見た目だが目はなく、口元からは黒い煙が出ている。
タツヤ
タツヤが指示を出すと慣れた様子で隊員たちは陣形につく。小さく折り畳まれた状態で身につけていた武器を展開し、各々臨戦体制をとる。
タツヤ
大太刀で魔物の手足を切り疲弊させていく。 巨大がよろめいた瞬間、槍を持ったカイトが一直線に胸元めがけて突進した瞬間... 魔物は大口を開け衝撃波を出し、カイトは吹き飛ばされ近くの木に叩きつけられる。
カイト
タツヤ
ぐったりとしたカイトにすかさず襲い掛かろうと爪を振りかざす。 絶体絶命の瞬間、黒い人影が魔物の正面に現れる。
ネム
周囲が困惑するなか、セラは心配した様子でレンに近寄る。
その人影は気絶していたはずのレンだった。 首に巻いたマフラーからは口が開き、中から一本の刀が現れる。 すかさず刀を魔物の心臓部に突き立て、勢いよく引き抜く。コアを破壊された魔物は体にヒビが入り、徐々に霧となって霧散していく。
セラ
レン
カイト
一同は車内に戻り、再び禁域都市を目指して車を走らせる...