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美女マフィアが学校内に侵入しました。

第1話 - マフィアの叶わぬ恋

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2023年01月05日

#マフィア

#ロマンス

#青春恋愛

#叶わぬ恋をした

ちわまる+｡:.ﾟ♡

紫雲　籐香

私は紫雲　籐香。ヤクザの秘密組織の娘、いわゆるマフィア。

紫雲　籐香

お父様から市立◯高校の男子生徒を調べるために、無理やり高校に転校することになった。

紫雲　籐香

正直凄く嫌だ。私は人が多い所が嫌いだった…

お父様

おい籐香、もうすぐ時間だ。あと、毎回言っているが…
「絶対に正体はバレるな」

紫雲　籐香

はい、分かってます

紫雲　籐香

そう、私らの組織は「正体がバレると罰として殺される」。そして、私だって娘構わず殺される。

紫雲　籐香

今まで一度も正体がバレたことは無い。

紫雲　籐香

あ、もうすぐ8時。

紫雲　籐香

私は、カバンを持って登校した。

紫雲　籐香

あーあ。生徒や通行人がたくさん…住宅街だから安心してたのに…

紫雲　籐香

私がため息をついていると…

紫雲　籐香

きゃっ！

一流　隼也

あ…ごめん。お前ウチの学校だよな、にしても…見ない顔…転校生か？

紫雲　籐香

あ、はい…こちらこそすみません

一流　隼也

気をつけろよ。じゃあな！

紫雲　籐香

…アイツ…ピアス開けてるし黒マスク…ボタンも開けてる…。ヤンキー?にしてもチャラくはなかった…

紫雲　籐香

さあ、お父様が言っていた「ヤツ」は何処かしら。

紫雲　籐香

よし、着いた…

紫雲　籐香

にしても今日あっつ…熱中症になってもおかしくない…シャツ透けないかな…ああ、そんな事考えてたらキモくなってきた…よし…入ろう

先生

さあ、授業始めますよー

先生

あ、その前に、転校生居るので紹介しますね。紫雲さん！

紫雲　籐香

はじめまして、紫雲　籐香です。よろしくお願いします

先生

仲良くしてあげてねー！

先生

じゃあ紫雲さん、窓側のあの男の子の前ね。

紫雲　籐香

…はい

一流　隼也

おう！またあったな。まるで性別逆転の少女漫画みたいだ。

紫雲　籐香

そう、ね。

一流　隼也

どうかしたか？

紫雲　籐香

いや…

一流　隼也

あ、おれは一流　隼也。しゅんやじゃなくてじゅんやだからな！

紫雲　籐香

よろしく、隼也さん。

一流　隼也

隼也でいいよ

紫雲　籐香

隼也。
よろしくね

一流　隼也

おう！

一流　隼也

ん、授業はじまるな…教科書無いだろ？見せてやるよ。

紫雲　籐香

ありがとう

一流　隼也

はあーやっと授業終わった…

紫雲　籐香

今日は教科書とか、図書館、職員室の場所とか、色々教えてくれてありがとう。

一流　隼也

それくらいどうってことないよ。

紫雲　籐香

じゃあね。

一流　隼也

おう！またな。

紫雲　籐香

お父様、ただ今帰りました。

お父様

情報は？

紫雲　籐香

いえ…まだです。すみません…

お父様

初日だからまだ良い…

お父様

お前に言い忘れていた事があった。

紫雲　籐香

なんでしょう。

お父様

男子生徒の特徴だが、ピアスを開けていて、黒マスク、服のボタンは開けたまま、髪型は少しボサってしているらしい。

紫雲　籐香

…！

お父様

どうした。

紫雲　籐香

今日…

お父様

なんだ？

紫雲　籐香

今日ソイツと会いました。

お父様

なんだって？

お父様

ソイツは何か他に分かったか？

紫雲　籐香

いえ、ソイツの前の席になったので。

お父様

そうか。

お父様

その調子で頑張れ。

紫雲　籐香

はい。

紫雲　籐香

まさか隼也が狙いの男子生徒だとはおもわなかった。

紫雲　籐香

そういえば、お父様は何で隼也を狙ってるんだろう。何かしたのかしら。

紫雲　籐香

隼也は何かしているように見えなかったし…

紫雲　籐香

今度お父様にきいてみよう。

紫雲　籐香

はぁ。まだ初日だとはいえ、謎が多すぎるわ…

紫雲　籐香

まあ、今日は火曜日だからまだ時間はある。

紫雲　籐香

明日こそ新しい情報を入手していかないと。

紫雲　籐香

お父様だって何か一つは知っているはずだし。

紫雲　籐香

今日は宿題して早めに寝ようかしら。

紫雲　籐香

さあ、問題にかかって16分…

紫雲　籐香

情報が何故か気になって集中できない…

紫雲　籐香

1時間半。よし、終わった。

紫雲　籐香

風呂入ろう…

紫雲　籐香

ん…もう朝…？

紫雲　籐香

…やば…目覚ましかけずに寝落ちしちゃった…今は…7時52分…

紫雲　籐香

早く準備しないと…！

紫雲　籐香

はあ、何とか間に合った…

一流　隼也

よっ！転校の次の日に遅刻か。珍しい。

紫雲　籐香

目覚ましかけずに寝落ちしちゃったの！

一流　隼也

そうか！面白いw

紫雲　籐香

もう…

先生

さあ！授業始めますよ!教科書35ね！

生徒

はーい

一流　隼也

！消しゴム落としちまった…

紫雲　籐香

…よいしょっと

一流　隼也

面倒くせー

一流　隼也

あ、

紫雲　籐香

…///

紫雲　籐香

手…離し…

一流　隼也

あ、ごめん///

紫雲　籐香

私達は消しゴムを拾おうとして、手を触ってしまった…

一流　隼也

…

紫雲　籐香

…

紫雲　籐香

私はそっぽ向いた。

紫雲　籐香

なんか今日どっと疲れた…

紫雲　籐香

ん？

一流　隼也

今度必ず返します。本当にすみません。

紫雲　籐香

何？隼也の声…？

紫雲　籐香

こっそり覗いてみよう。情報入手出来るかも。

一流　隼也

本当にすみません!

先生

今月だって誰かにお金借りたそうですね。しかも他の先生にも…親が病気で手術料が必要だからといって嘘は一番駄目です。あと、今月16回も借りたと校長から聞きました。

紫雲　籐香

…

一流　隼也

ごめんなさい…

先生

そんなんじゃすみませんよ。必ず返すとか言いながら今まで一度も返したことは無いですし、最近成績が下がって来ているではありませんか。

先生

こんなの絶対に許しません。もう遅いですし帰りなさい。

一流　隼也

…はい。失礼します。

紫雲　籐香

隼也…

一流　隼也

あ、籐香じゃねえか、今の話…聞いてたか…？

紫雲　籐香

…！いや、丁度通り掛かっただけ。図書館の場所忘れちゃって…

一流　隼也

そうか…なら良かった。

一流　隼也

もう遅いし、一緒にかえるか？

紫雲　籐香

…帰り…たいけど…///

一流　隼也

そうか。

紫雲　籐香

あ、でもやっぱりいいや。

紫雲　籐香

（屋敷に住んでいることがバレたらヤクザの組織の娘の事もバレる…）

一流　隼也

そうか…残念だな。じゃあ！

紫雲　籐香

バイバイ

紫雲　籐香

なんとなく公園に来ちゃったけど…どうしよう

紫雲　籐香

一応制限時間は無いからいいけど…ん？

カップル

なおくん♡

カップル

めい♡

紫雲　籐香

うわーちょっときもちわるい…

紫雲　籐香

今はこういうのあんま見たくないかも…

紫雲　籐香

にしても、今日は夕日が綺麗だな…

紫雲　籐香

私達ヤクザ、マフィア、殺し屋、スパイは人を殺める秘密組織。マフィアも殺し屋みたいなもんよね…何だろう…隼也だけは殺したくない…

紫雲　籐香

あいつの笑顔…私が居ることによって悲しみに染まる。

紫雲　籐香

本当はヤクザ何てやりたくない。出来たら普通の女子高生になりたかった。人の笑顔を奪う事なんて私にはできない…

紫雲　籐香

でも制限時間が無いからって3ヶ月経ったら殺される

紫雲　籐香

私も…何時か私も生まれ変わったら…友達と一緒にご飯食べて、話して、わらって、結婚して、幸せいっぱいに死んで…嘘の無い生活を送りたい…

紫雲　籐香

私の気持ちなんか…

紫雲　籐香

その辺に捨てられてる子猫みたいな存在。

紫雲　籐香

私が生きている理由なんて何処にあるんだろう…

紫雲　籐香

そう思うと涙がぽろぽろ落ちてくる。

紫雲　籐香

…この空が私が死んだときに最後に行くところ。こんな綺麗なところ…私には…

一流　隼也

おい、何してんの？泣いてたぞ。

紫雲　籐香

じ、隼也⁉なんで…

一流　隼也

なんか気になってついてきちゃった。

紫雲　籐香

…

一流　隼也

あ、ごめん、邪魔だった？

紫雲　籐香

…

一流　隼也

うわ///いきなり飛びついて来て…なんだよ…

紫雲　籐香

今まで私を心配してくれる人なんて誰も居なかった。でも…

紫雲　籐香

初めて私を心配してくれる人が居た。

紫雲　籐香

しかもすぐ側に。

紫雲　籐香

私…こんな人…殺せないよ…

一流　隼也

…籐香も悩み、あったんだ…俺と一緒。

紫雲　籐香

…！

一流　隼也

俺もさ、家が貧乏で、親父はヤクザに殺され他界、オカンは仕事しても何回もクビ。だから先生とか友達とかに金貰って。大量の借金を乗り越えるためにまた金貰ってさ。それの無限ループだよ。

紫雲　籐香

お互い辛いこと乗り越えようね。

一流　隼也

///お、おう。

一流　隼也

なんか今日の籐香可愛い…

紫雲　籐香

じゃあね！

一流　隼也

またな！

一流　隼也

籐香…アイツの事…好きに…

一流　隼也

いや、何いってんだ…あんな無表情女の何処が良いんだよ…///

一流　隼也

明日、連絡先聞くか。

紫雲　籐香

あーーー///

紫雲　籐香

なんで…なんであんな可愛い感じの表情を…///隼也が告白して来たら…余計に殺せなくなる…

紫雲　籐香

とにかく、告白して来ても絶対に断る事…！

紫雲　籐香

しかもあんな夕日の側で…カップルみたい………

紫雲　籐香

もう今日は寝れ無さそう…

陽菜

籐香ちゃん…だったよね！はじめまして、陽菜だよ！

紫雲　籐香

はじめまして。

陽菜

今日の放課後、何処か食べに行こうよ!

紫雲　籐香

…いいわよ。

紫雲　籐香

ご飯美味しいね。

陽菜

ね！

紫雲　籐香

どうしよう。隼也の情報知る為にここに来たのに堂々と生徒とご飯…でも、ちょっと嬉しい…そうだ。

紫雲　籐香

ねえ、陽菜ちゃん

陽菜

どうしたの？

紫雲　籐香

隼也の秘密、何かしってる？

陽菜

うーん…噂で聞いたんだけどね、隼也の家、結構な借金まみれなんだよ。

紫雲　籐香

…他は？

陽菜

……隼也と話したの3回くらいだからな…お父さんが紫雲ヤクザに殺された…あ、籐香ちゃん、同じ苗字だ！きっと籐香ちゃん可愛いからヤクザにナンパされるかもね！
一応言っとくけど、うたがってないからね。

紫雲　籐香

分かってるよ、あと、可愛いくないから…

陽菜

えー可愛いじゃん！

紫雲　籐香

（ふぅ、何とか乗り切った…）

お父様

通話
00:00

紫雲　籐香

ん、お父様から電話…

紫雲　籐香

お父様?どうしたの?

お父様

どうだ。

紫雲　籐香

ちょっと陽菜ちゃん待ってて、トイレ行ってくる

陽菜

分かった！

お父様

友達か？

紫雲　籐香

…はい…すみません誘われて…

お父様

いや、いい。何か聞きたいことはあるか？

紫雲　籐香

あの、友達から聞いて、アイツは隼也って言うんですけど、父親が紫雲ヤクザに殺されたって聞いて…本当なんですか…？

お父様

……ああ、アイツは借金まみれでな。我々が金を貸しても戻ってこないクソ野郎だ。

紫雲　籐香

え…じゃあその事が隼也にバレたら…殺されるし…

紫雲　籐香

ありがとうございます。では

紫雲　籐香

ごめん、急用出来たから帰るね。

陽菜

え？あ、じゃあね！

次の日

紫雲　籐香

隼也！

一流　隼也

おう！

紫雲　籐香

連絡先交換して!

一流　隼也

え…急に？

紫雲　籐香

いいから！

一流　隼也

わ、分かった

紫雲　籐香

出来てる？

一流　隼也

おう。

紫雲　籐香

じゃあ。

一流　隼也

…

一流　隼也

アイツ…アイツといつでも連絡出来るかも…

紫雲　籐香

よし、連絡先聞けたから情報いつでも知り放題。

紫雲　籐香

あ、隼也から通知…

紫雲　籐香

スマホ見てだらだらしてるよ

一流　隼也

電話していい？

紫雲　籐香

仕方ないな…いいよ

一流　隼也

通話
00:02

私達は、電話して23時まで話した。

一流　隼也

げ、11時…おやすみ

紫雲　籐香

おやすみなさい！

紫雲　籐香

はあ、これじゃあもう付き合ってるみたいじゃん…彼の情報まだ2個しか分かってないし…

紫雲　籐香

早く風呂入んないと…

紫雲　籐香

凄い面倒くさい…

陽菜

籐香ちゃん、おはよう！

紫雲　籐香

おはよう、昨日は急に帰ってごめんね…

陽菜

いや、全然いいよ！気にしないで！

紫雲　籐香

うん。

陽菜

あれ、今日隼也来て無くない？

紫雲　籐香

確かに…遅刻？

陽菜

かな…

紫雲　籐香

電話しようかな…

紫雲　籐香

え…う…そ……！

陽菜

隼也!?

紫雲　籐香

先生に早退って言ってくる！

陽菜

あ、ちょ、籐香ちゃん！

紫雲　籐香

はぁ、はぁ、此処かな…

看護師

面会ですか？

紫雲　籐香

はい！

看護師

誰ですか？

紫雲　籐香

先程この病院に運ばれた一流　隼也です！わたしは同じクラスの紫雲　籐香です。

看護師

分かりました。こちらへどうぞ。

一流　隼也

…

紫雲　籐香

隼也…そんな…！

紫雲　籐香

隼也は傷だらけで、全身に包帯を巻かれ、ベッドに横たわっていた…

紫雲　籐香

これじゃあ…私が…殺ったみたいじゃない…

紫雲　籐香

隼也!お願い!目を覚して!

紫雲　籐香

私は泣きながら隼也に寄りかかった。

紫雲　籐香

布団には大量の涙が滲む。

紫雲　籐香

これが最後かもしれないとおもうととても辛かった。

紫雲　籐香

でもまだ生きてる…

紫雲　籐香

う…うぅ

一流　隼也

おーい、大丈夫か？

陽菜

籐香ちゃん？

先生

紫雲さーん、起きて下さい

紫雲　籐香

わっ…夢…

一流　隼也

悪夢でも見たのか?

紫雲　籐香

隼也が…事故に合った…夢。

一流　隼也

何だそれw

陽菜

普通笑う？

一流　隼也

だって俺の家学校の隣のマンションにすんでるから。道路なんて歩かねぇよ。

紫雲　籐香

なんか安心…

陽菜

まあ、そりゃあ好きな人が事故に合ったらうなされるよね！

一流　隼也

おい！///

紫雲　籐香

べ、別に好きじゃ無いし…///

一流　隼也

ガーン💧

陽菜

とにかく、授業始まるからね！

一流　隼也

あ、うん。

紫雲　籐香

1時間目…数学か。

陽菜

よーし！明日は土曜日!授業も終わったし、どっか行く？

一流　隼也

遊園地!

紫雲　籐香

え…///

陽菜

何ー？もしかして籐香、私服姿恥ずかしいの？

紫雲　籐香

いや…///

一流　隼也

じゃあ遊園地、土曜日の12時な。

陽菜

OK！

紫雲　籐香

えー…

紫雲　籐香

もう、こんな事していて殺し屋なんて…

紫雲　籐香

よ、よし…お、お父様に言いに行こう…

お父様

何だ籐香。

紫雲　籐香

あ、あの…

お父様

…

紫雲　籐香

殺し屋辞めさせて下さい!

お父様

は？お前誰に言ってんだ？

紫雲　籐香

友達も出来て、好きな人も出来て…私は人の笑顔を奪うような事はもうしたくありません！私は…私は嘘の無い平和な生活を送りたいんです!人を殺めても何も楽しくないです。私は貴方の操り人形じゃありません！いい加減自由を下さい…！

お父様

…お前…娘だから優しくしろって思ってるだろ…？

紫雲　籐香

え…？

お父様

お前はウチの玄関に捨てられた赤ん坊だったんだよ。

紫雲　籐香

う…そ…

お父様

紫雲　籐香…お前は…

お父様

くれは…朝比奈　紅華だ。

紫雲　籐香

あさひな…くれは…何処かで…

お父様

金持ちの娘だ。

紫雲　籐香

じゃあなんで捨てられて…

お父様

親父と妻が離婚して兄だけ妻の所に行ったんだよ。夫は酒に溺れた

紫雲　籐香

そんな…私…やっぱり誰にも…

お父様

分かった。殺し屋を辞めなさい。

紫雲　籐香

お父様…

お父様

あと、パパって呼べ。

お父様

これからは自由に生きて、幸せになるんだ。

紫雲　籐香

パパ…

紫雲　籐香

ごめんなさい！

お父様

な…

お父様

紅華から「ごめんなさい｣という言葉が出たのは初めてだった…

紫雲　籐香

ありがとう…パパ。

お父様

俺は思わず涙が出た。

お父様

紅華…あばよ

美女マフィアが学校内に侵入しました。

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