紬
時だった
「おーい、そこのお前ちょっといいか?」……ん?俺のことかな……なんか呼ばれた気がするが俺は気にせず弁当を食べようとする
「おいってば!」
今度は肩を叩かれたので渋々振り返るとそこにはいかにもヤンキーですというような風貌をした男子生徒が立っていた
「何ですか……」
俺は面倒事に巻き込まれる前にさっさとここから立ち去ろうとそそくさと教室から出ていこうとする
「ちょっ、待ってくれよ」
すると男は慌てたように追いかけてきた
「なんなんだよあんた、何か用でもあるのか?」
「いやぁ、いきなり声かけて悪かったと思ってさ、そんなことよりも少し話があるんだ」
「だからなんなんだ?」
そんなことよりも俺は早く帰りたいんだ! 目の前にいる白衣を着た女は、俺の話を聞いていなかったのか?
「あのなぁ……さっきから言ってるが、これはお前たちのためでもあるんだよ!」
「何回同じ話をすれば気が済むんですか!? こっちにも予定があるんですよ!!」
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