テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

……

誰?

…何してんだお前

凛……!?

なんで、どうして……!

お前がまだ帰ってねぇって聞いて

何してるか見に来てやったんだよ

そしたらこれか

り、凛…

バッ

こんなん捨てろ

や、やめてっ……!!

それがないと俺は…!!

こんな事しねぇと生きていけねぇってか?

ふざけんな

理由を話せ

……

うるさいっ……

……あ?

凛には分からねぇだろうな!

こうやってでしか自分の気持ちを抑えられないやつの

苦しんでる辛さなんて!

考えたこともないだろ!!

だから俺のことはほっとけ……

……

俺はお前が苦しむ姿を見たくない

だから訳を聞いてるんだ

この気持ちはお前にとって間違ってるか?

っ……

その気持ちはうれしいよ

でもな凛……

それは“余計”なんだよ

失せてくれ

……嫌だ

ッ……!!

バッ

あ、おい!!

はぁ……はぁ……

くそっ……

俺のバカ……

凛がせっかく優しくしてくれたのに……

俺はそれを無下に……

いっ…!!

ポタポタ

あっ

血が……

勢いで飛び出してきたから

包帯も何もかも教室に置いてきちまった…

凛がいない隙に取りに行かねぇと……

……ん、

お前……

え、冴……!?

こんなとこでなにして…

……

そういうことか

いや、あの、

(やばいどうしよう…気づかれた)

あの、このことは!

黙っておけ、か?

は、はい…

絶対に知られたくないんです

へぇ……

だとよ、凛

え?

……はぁ…

お前、いつから

途中からだ

今お前のその傷は俺らだけが知ってる

なら、お前が事情を話せるのも俺らしかいないよな

……

もちろん無理にとは言わない

でも、好きなお前には苦しんで欲しくない

はい……え?

す、すき?

おい兄貴!

うるせぇ本当を言ったまでだ

それはさておき

今日、家に泊まらねぇか?

えっ……?

お前の学校関係を見てる限り

いじめとかではなさそうだし

おそらく家庭環境が原因だろ

まぁ違ったとしても……

こんな公共の場じゃ誰かに聞かれるってこともあんだろうし

ゆっくりはできねぇだろ

まぁ気晴らし程度にでも、

どうだ?

えっと……

凛は…いいの?

…好きにしろよ

じゃあ…

泊まらせてもらいます……

決まりだな

俺は部活が終わるまで帰れねぇし

凛、こいつ連れて帰れ

言われなくても分かってるよ

行くぞ

お、おう

おじゃましまーす……

あれ、親は?

海外出張中だ

今は兄貴とふたりで暮らしてる

そうだったのか…

それより

お前それ、いいのか

あ、

(凛が指さしたのは帰り道、 隠したままずっと放置していた傷の跡)

あんま痛くないから気づかなかった……

…それが痛くねぇとか重症だな

はは…

最初は怖かったよ

でもやるうちに段々癖になってくんだよ

だからいつしかこうしないと耐えられないようになっちまった

笑えるよな

みんなが好きな俺は

至って普通だけど

いつもにこにこ笑ってるやつなのに

いざ中身を見て見たら

こんな心が弱いやつで

毎日思うよ

なんでこんなんなんだろうって

すごくっ……

惨めになるんだっ…!!

床に涙が零れ落ちる

すかさず手で押さえ込んでも

次は手首から溢れる血が床に落ちる

っ…!!

ごめんなっ…俺がこんなので……

……

チュッ

え、?

な、なんで?

いきなりなんだよ

……ばか

失望も何もするわけねぇだろ

逆に泣いてくれて感謝してる

こうやって気持ちを少しでも吐いてくれて

今まで知らなかったお前の本性が

少しでも知れて

よかったと思ってる

……!

蔑まないのか…?

俺を見て…

する訳ねぇつったろ

……

勝手に塞ぎ込むんじゃねぇよ

こっちはお前のこと

どれだけ好きでいると思ってんだ……

凛……

グスッ……ケホッケホッ……

ごめんな、

ありがとう

少し、心が軽くなった気がしたよ

潔世一は愛されたい

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

709

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚