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7月30日

曇り

吐血した

単なる膵臓癌の症状らしい

晴夏(はるか)

あのさ

玲奈(れいな)

んー?

晴夏(はるか)

こんなに血吐いたの初めて

玲奈(れいな)

吐血記念日だね

晴夏(はるか)

ちょっと笑笑

晴夏(はるか)

サラダ記念日みたいに言わないで笑

玲奈(れいな)

えへへ笑

平気そうに見えるかもだけど

内心不安だし、悲しい

晴夏(はるか)

(玲奈と喋れるの、あと2週間しかないんだ)

晴夏(はるか)

(しかも、私より先に……)

晴夏(はるか)

(ダメダメ、考えない)

正直、 このままタヒなないんじゃないかなって思う

謎の自信

看護師

じゃあ、電気消しますね

晴夏(はるか)

はい

もう朝日を浴びれないのではないか

もう玲奈と話せないのではないか

なんて

ピッピッ..ピーーーー

心肺停止を知らせる、

頭に響いて、恐怖を掻き立てるような音

晴夏(はるか)

ハッ

私はこの音で目が覚めた

晴夏(はるか)

…玲奈?

シャッ(カーテンを開ける音)

看護師

大丈夫ですか?!

右隣から聞こえる、看護師さんの呼びかける声

看護師

近藤さん!!!

晴夏(はるか)

………

医者

……

医者

…心音、呼吸音の停止、瞳孔の拡大、対光反射の消失を確認しました。

医者

7月31日、午前3時34分。

医者

ご臨終です。

状況が理解できなかった

心肺停止の合図が鳴って

看護師さんが玲奈の名前を呼んで

死亡宣告がされて

晴夏(はるか)

嘘…でしょ?

シャッ(カーテンを開ける)

晴夏(はるか)

ねぇ!!!!

晴夏(はるか)

なんで玲奈がタヒんじゃったの?!

看護師

藤咲さん……

晴夏(はるか)

まだ…2週間あったのに…

晴夏(はるか)

グスッ

晴夏(はるか)

なんで…

玲奈が居ない生活は

あまりにつまらなくて

会いたくて、話したくて仕方がなかった

晴夏(はるか)

なんで……泣

玲奈の死を受け入れられない。

私の一滴の涙は床に落ち、

それと共に私の視界は真っ暗になった。

晴夏(はるか)

ハッ

長い長い夢を見ていた気がした

晴夏(はるか)

……なんの夢、見てたんだっけ

ジリジリと私を焼く太陽

生暖かいそよ風

晴夏(はるか)

暑……

私はふと、右隣を見る

そこには、 いつもと同じ本棚と、勉強机があるだけ。

晴夏(はるか)

…何やってんだろ

晴夏(はるか)

おはよう

お母さん

晴夏、ちょっとー?

晴夏(はるか)

なに?

お母さん

目玉焼き作ってくれない?

お母さん

あ、砂糖入れてね

晴夏(はるか)

はーい

晴夏(はるか)

じゃ、行ってきまーす

お母さん

ちょっと晴夏!

お母さん

お弁当、忘れてるよ!

晴夏(はるか)

あーごめん

晴夏(はるか)

ありがと!

お母さん

じゃあ、行ってらっしゃい

晴夏(はるか)

行ってきまーす!

葉の間から漏れる太陽の光

飛行機が作る飛行機雲

晴夏(はるか)

きれい……

いつもは気にせず通る道なのに

なぜか今日は見入ってしまった

晴夏(はるか)

おっはよー!

モブ

晴夏!おはよ!

モブ

そういえば聞いた?今日転校生来るらしいよ!!

晴夏(はるか)

え、ほんと?!

モブ

イケメンか美人だったらいいな〜🎶

晴夏(はるか)

そう来ないでしょ笑笑

モブ

あ、そうそう

モブ

晴夏が読みたいって言ってた小説!

晴夏(はるか)

いいの?!

晴夏(はるか)

ありがとうー!

モブ

どういたしまして〜

ガラガラ🚪

先生

席着けよ〜

モブ

はぁーい

モブ

晴夏、またね!

晴夏(はるか)

うん!

先生

今日から転校生が来ます

モブ達

え、今頃?

モブ達

夏休み入っちゃうよ?

モブ達

ザワザワ

先生

じゃあ、入ってきて

ガラガラガラ...🚪

晴夏(はるか)

……!

風になびく長くて焦げ茶色の髪

太陽に照らされ発光する白い肌

モブ達

美人すぎない?!

モブ達

めっちゃ可愛いんだけど……

モブ達

ザワザワ

先生

それじゃあ、自己紹介して。

???

はい

玲奈(れいな)

近藤玲奈です。

玲奈(れいな)

よろしくお願いします。

晴夏(はるか)

…(懐かしい…気がする)

晴夏(はるか)

…玲奈

先生

じゃあ、近藤は藤咲の右隣な。

会ったことも、話したこともないはずなのに

懐かしくて、友達で。

ずっと笑い合っていた気がした

玲奈(れいな)

よろしくね、藤咲さん

晴夏(はるか)

うん、よろしく

晴夏(はるか)

ねぇ、玲奈

玲奈(れいな)

ん?

晴夏(はるか)

お昼、一緒に食べない?

玲奈(れいな)

もちろん!

晴夏(はるか)

じゃあ、屋上集合ね!

玲奈(れいな)

屋上、初めてきた

晴夏(はるか)

ほんと?

晴夏(はるか)

私も初めて…かも

玲奈(れいな)

なんで'かも'なの?笑

晴夏(はるか)

よく覚えてないのー!

玲奈(れいな)

あははっ

玲奈(れいな)

晴夏っぽいね笑

晴夏(はるか)

えへへ笑

晴夏(はるか)

…今、私の名前呼んだ?

玲奈(れいな)

あ…ごめん

玲奈(れいな)

嫌だった?

晴夏(はるか)

ううん、全然嫌じゃないよ

玲奈(れいな)

…なんか

玲奈(れいな)

夢でそう呼んでたみたいな感じがして。

晴夏(はるか)

わかるよ

晴夏(はるか)

私も玲奈にあった瞬間、懐かしいなぁって思ったもん笑

玲奈(れいな)

私達、そういう運命だったのかも笑

晴夏(はるか)

…うん笑

貴方が笑っていてくれるならそれでいい

ただ、これが夢じゃないよう願った

あの夏に溶けた君と、何も知らない私達に。

【完】

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