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テラーノベル(Teller Novel)
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長かった中間テストも終わり、無事5位以内を取ることが出来た

そして学校は夏休みへと突入する前

皆は夏休みの予定を立ててワクワクとしていた

私はというと、最近ちょっとずつ距離が近づいてきたナナと夏休みについて話していた

ナナ

実家には帰らないの?

ユウ

…うん、会いたくないし

ナナ

ふーん…

ユウ

ナナは?

ナナ

んーまぁ、実家帰ろうかな

ナナ

お母さんとお父さんも帰っておいでって言ってたし…

ユウ

………

ユウ

あ!!

何か思いついたように声を上げたユウにビクッとする

ナナ

な…なによ…

ユウ

行きたい!!

ナナ

え…?

ユウ

ナナの実家!!

ナナ

……は?

そして数週間後

ナナ

すごい…っ

ユウ

気持ちいいでしょ〜

私はユウの膝に乗って首に片腕を回していた

私の実家までレヴァラルタに乗って向かっていた

ナナ

初めて乗った…

ユウ

いつもナナが整備してくれてるレヴァラルタだよ〜

ナナ

…すごい…

楽しそうに操縦するユウを見てから前を見ると綺麗な青空が広がっていた

レヴァラルタ

ナナ様の故郷まであと5分です

ユウ

おおっ、もうすぐだね!

ナナ

速…

ナナ

飛行機より速い…

ユウ

これならいつでも実家に帰れるじゃんっ

ユウ

その度私も一緒だけど

ナナ

ふふ…それは別にいいわよ

案内してもらった収納庫に止めて外に出た

ユウ

海!!!

ナナ

お疲れ様

ユウ

すごっ初めて見た!!

ナナ

え?海を?

ユウ

うん!

ユウ

凄い…!!

ナナの母

貴女がユウさん?

ユウ

ナナ

お母さん

ユウ

(お母さん…?!)

とても美人な、でも少しナナに似てる女性が歩いてきた

ナナの父

よく来たね

ナナ

お父さんも…

ユウ

……

ユウ

お初にお目にかかります

ユウ

ユウ・ウェルガーです

さっと礼をしながら挨拶をする

ナナ

ナナの母

あらあら…

ナナの父

そ…そんな…

ナナの父

顔を上げて…!

ナナの母

良いとこの子なのねぇ

ナナの母

綺麗な挨拶

ナナ

貴女…そんな振る舞い出来たのね

ユウ

えへへ…

ナナの母

狭いけどゆっくりしていってね

ユウ

はい!お邪魔します!

家に通されソファーに座ると隣にナナが座った

ナナ

アンタ溶け込むの早くない?

ユウ

え?そう?

ナナの母

たまに聞いてるわ、ユウさんのこと

ナナの母

ナナから

ユウ

ユウ

(ナナ…私の事話してるんだ…)

ナナの母

婚約者なんですってね〜

ナナの父

ぶふぉっ……

ナナの父

は…はぁ?!

ナナの母

あらやだ、お父さんには言ってなかったわ

ナナの父

だ…誰と誰が?!

ナナの母

だから、ナナとユウさんが

ナナの父

な……な…

ユウ

あ…あの!

ユウ

卒業…までです!

ナナの父

…卒業…?

ナナの父

なるほど…

ナナの父

それで…

ナナの母

あら、私は初めてユウさんとお会いしたけど…

ナナの母

そのまま結婚しちゃっても良いと思うわよ〜

ナナの父

なっ、母さん!?

ナナの母

だって…

ナナの母

凄く綺麗な顔してるし〜

そう言いながらナナの母は私の顔を自分の胸へとギュッと抱きしめた

ユウ

んんん?!!

ナナの母

ナナの事守ってくれるなんて素敵じゃない?

ナナ

ちょっとお母さん?!!

ユウ

んん!!んんー!!

ユウ

(しぬ…!!パイで…死ぬ!!)

ナナの母

あらやだ私ったら

バッと離されて空気を思いっきり吸う

ユウ

はぁ…はぁっ…

ユウ

圧死するとこ…だった…

ナナ

………

ユウ

ナナ…

ユウ

……ナナ?

ナナ

なに…

ユウ

え"、なんか怒ってる?!

ユウ

私なんかした?!

ナナ

別に

ユウ

ナナ〜?!

ナナの父

お…?

ナナの母

あらあら…?

少しムスッとしてるナナを連れて外に出た

ユウ

ちょっとずつ暗くなってきたね

ユウ

凄いや、自然ばっかりだ

ナナ

田舎でしょ

ユウ

んー

ユウ

いい感じ

ナナ

……

ユウ

…私さー小さい頃からずーっと家の中

ユウ

それか病室

ユウ

今やっと自由に動けるのは嬉しいよ

ナナ

……そう

ナナ

…やりたいこと、あるの?今

ユウ

そうだねぇ…

ユウ

動物園とか、水族館とか…

ユウ

あと!海!

ナナ

海…?

ユウ

海入ってみたい!

ナナ

…じゃあ明日…

ユウ

今!行こう

ナナ

えっ?

ナナの腕を掴んで走って行った

ユウ

善は急げ!って言うでしょ!

ナナ

なっ…

ナナ

ま…待って…!!

嬉しそうに腕を引く、夕陽に照らされてキラキラと輝く彼女の横顔を見てドキドキと胸が高鳴っていく

ナナ

(……卒業まで…卒業まで…なんて嫌だなぁ…)

だからこそ、「卒業まで」の婚約者という肩書きが胸を突き刺すように痛む

ユウ

ねえねえねえ!見て見て!

ナナ

ん?

ユウは上着を脱いで置くと海へと飛び込んだ

ナナ

なっ…!

ユウ

わっ!しょっぱい!!

無邪気に微笑む彼女を砂浜から見つめる

濡れたシャツが肌に張り付きその肉体が露になっていく

ナナ

(意外と…いい身体…)

病弱だったと言っていた過去が嘘かのような鍛えられた肉体についつい見とれてしまう

ユウ

ナナ!

ナナ

ん?

ユウ

ほらっ!

ばしゃっと水を掛けられて髪が濡れる

ナナ

やったわね…?!

ユウ

おわっ怒った?!

この平穏で平凡な日々が、ずっと

出来ればずっと、卒業したあとも

貴女と過ごせたらいいのに

そう私は密かに思う事しか出来なかった

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