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⚠︎死ネタを含みます⚠︎

⚠︎潔凛地雷は注意⚠︎

⚠︎アニメ軸に沿った内容です⚠︎

君は、気づいていたかな。

 

「潔?」

 

「どうしたの、凛。」

 

俺の目が、だんだん見えなくなっていっていることに。

 

 

 

俺と凛は恋人だった。

俺が凛に惚れて、告白をし、付き合うことができた。

しかしある日から、俺の視界はぼやけ始める。

医者からは、今の医療技術では治療は難しいと言われた。

ドナーが見つからない限り、視界が回復することはないらしい。

徐々に見えなくなる目。

回復は望めない。

いつか、視界は完全に消えてしまう。

それでも、俺は目が見えなくなる最後まで、凛とサッカーを続けることを決めた。

目がうまく見えなくても、凛との毎日は幸せだった。

俺は目が見えていないことを悟られなうよう、今まで以上に努力を重ねた。

サッカーでも、凛との関係でも。

だからあの日、凛が外でデートをしようと言ってくれた日、本当に嬉しかったんだ。

お互いの貯めてきたポイントを使って、俺たちは久しぶりに外に出た。

久しぶりの外の世界は楽しくて、なんだか新鮮だった。

凛が隣にいると思うと余計幸せで、このまま時が止まればいいのにと、柄でも無いことを考えた。

幸せだった。

言葉では言い表せないほど。

でも、その時は突然に訪れる。

 

不幸な事故だった。

 

居眠り運転だったそうだ。

あの時、あの場所を通らなければ。

もっと早く、トラックに気付いていれば。

犠牲になったのが俺であれば。

 

凛はもう、帰ってこない。

凛の手を握ることも、

凛の声を聞くことも、

凛を力いっぱい抱きしめて、「愛してる」と伝えることも、

俺にはもうできない。

 

「お前か、潔世一って奴は」

 凛の葬式で突然声をかけられた。

凛の兄の、糸師冴だった。

 

「凛の目玉を貰ってほしい」

 

冴はそう言った。

冴は俺に話した。

凛は、俺の目が見えなくなっていっていることに気付いていたこと。

それでも隣にいようと決めたこと。

自分が潔を守ると誓ったこと。

そして、

凛は心の底から、俺を愛していたこと。

 

涙が、止まらなかった。

 

俺は今まで、なんて素敵な恋人と一緒にいたのだろう。

「愛してる」って、そんなの、俺も一緒だよ。

俺は、もう何も見えなくなった目で泣き続けた。

 

 

 

その10数日後、俺は視力を取り戻しつつある

 

「潔」

「蜂楽」

 

「潔の目、凛ちゃんと同じ色だね」

凛、俺さ、凄く嬉しかった

やっぱ、バレてたんだね、目、見えてないの

それでも、俺の恋人でいつづけてくれてありがとう

凛は俺といるとき、あまり喋らなかったから、感情を読み取るのが難しかった

でも俺のこと、ちゃんと愛してくれてるのはすごく分かってたよ

俺はもう、凛とサッカーをすることはできない

でもこの目で、俺は世界一のストライカーになるから

待っててね、凛

俺は、もう返信が二度と来ることのないメッセージを凛に送る

 

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