お　兄　ち　ゃ　ん　【東京リベンジャーズ】

開始してから数分後。

東卍の勢いは、黒川さんによって止められた。

まるで佐野くんの蹴りみたいに1発で。

それを見て、ゾクッとする身体。

思わず息を飲む。

そして、聞き馴染みのある声。

八戒くんと河田くん(弟)を標的とした、兄2人の姿があった。

それも、すぐ目の前。

こんなこと、出来ればあってほしくなかった。

なんで、お兄ちゃんが…

そもそもお兄ちゃんたちはいつから、黒川さんのことを知っているのか。

そんな疑問を抱く。

でもその疑問はすぐに分かった。

きっかけはこの稀咲さんの言葉。

なんで、そんな話を笑ってできるのか私にはよく分からない。

けど、それが楽しいのか黒川さんはさらに続けた。

ドクン

ドクン

やけに心臓の音が大きくなる。

聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない…

黒川さんの言葉を被せてそう叫んだ。

思いのほか大きな声が出て多くの視線を集めてしまう。

自然とまた涙が込み上げてきて拭うに拭えない。

図星をつつかれ、返す言葉がない。

でも、稀咲さんの言葉は本当だ。

私のせいで、お兄ちゃんたちは捕まってしまったんだから。