長尾景
オリバー・エバンス
ペチッ
消毒液をひたひたに 浸したガーゼで ぐちゃぐちゃに 縫われた腕をつつく。
長尾景
長尾景
と懇願するような目で 見上げてくるが、 そう簡単に許すわけにいかない。
オリバー・エバンス
長尾景
めちゃくちゃに怒られてしまえ。 何が神殺しだ馬鹿野郎。
長尾景
馬鹿野郎。
良かった……。 生きてて良かった。
強く…は痛いので そっと抱き締める。
オリバー・エバンス
長尾景
優しいなぁと思う。
俺がバカやっただけなのに、 生きて帰ったことを こんなにも喜んでくれて。
手当てをしてくれて。
抱き締める時も 力弱めてくれて。
脳筋ゴリラのくせに スパダリかよ。
好きだわ。
生きて帰れた安心と 好きな人が目の前にいる幸福で 痛みも全部吹き飛ぶみたいだ。
長尾景
そう言って俺は、 意識を手放した。
オリバー・エバンス
景くんは 本当に帰ってきてくれた。
あとから駆けつけたお弦君と、 甲斐田君から 事の顛末を聞いた。
結局何にも知らなかったんだと 自分を呪う。
景くんは、 神を殺さなくてはならなかった。
それは自分たちのせいなんですと お弦君と甲斐田君は言う。
僕たちが捕まってしまったから 景の足を 引っ張ってしまった、と。
あぁ、優しいんだなぁ、 君は。
健屋さんに怒られながらも しっかり手当てをしてもらい
すぅすぅと 穏やかな寝息を立てて 僕のベッドで眠る 景くんを見る。
オリバー・エバンス
神様を殺したの?
続きの言葉を聞く前に 驚きの言葉が返ってきた。
甲斐田晴
聞くと、景くんはあの後、 桜魔皇国のお偉いさんの所に 単身乗り込み、
桜華水刃でめちゃくちゃに 荒らして脅したらしい。
もちろん大事件だけど、 厳重な警備を突破されたことが 世に知れれば 体裁が良くないらしくて。
オリバー・エバンス
弦月藤士郎
なんだそりゃ。じゃあ、
オリバー・エバンス
えー、何それおもしれー男。と 意外と神様にはウケた様で、 そっちも全く お咎め無しだという。
オリバー・エバンス
弦月藤士郎
つくづくとんでもない男だね、 君は。 だから皆に愛されてるんだね。
すやすやとよく眠る 景くんの額をそっと撫ぜる。
すると小さく笑った気がした。
弦月藤士郎
お弦君が何かボソリと 言った気がしたけど 何を言ったかは 聞き取れなかった。
甲斐田晴
弦月藤士郎
ベチッとそれはそれは いい音がして、 お弦君が甲斐田君をぶった。
甲斐田晴
弦月藤士郎
弦月藤士郎
またベチッと叩かれる甲斐田君。 仲がいいなと思う。
素敵な友達だね、景くん。 優しい君に良く似合う。
お弦君と甲斐田君は
甲斐田晴
それだけ言って 元気に帰っていった。
弦月藤士郎
お弦君はそう言っていた。
君は独りだと死んじゃうのか。
君のこと、 僕は本当に何も知らない。
もっと教えて。
君のことが知りたい。
でもその前に
目が覚めたら、 一番に言わなきゃいけない。
約束、守ってくれてありがとう。
愛してる。
そして、
無茶すんなって言っただろ!!!
もくもくの
長尾景
オリバー・エバンス
もくもくの
もくもくの
もくもくの
もくもくの
長尾景
オリバー・エバンス
もくもくの
長尾景
オリバー・エバンス
もくもくの
長尾景
オリバー・エバンス
長尾景
もくもくの
もくもくの
もくもくの
コメント
7件
お気に入り確定ですね すごくいい物語ありがとうございます!
なるほど…… 新しい扉が開いた音がしたのか いいもの見れましたありがとうこざいました
タメナンデス大好きだから嬉しいです!!!!!!