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父親が再婚した
相手がどんな人とか
前の母親はどうなったとか
どうでもいいし、興味はない
とりあえず小説の続きを読みたくて
新しい母親の話を右から左に受け流す
2,30秒ほど経っただろうか
彼女は反応もしない私に
話しかけるのを諦めたようだ
やっと終わった
待ちわびた小説を開けば
今度は二つの影が、本を奪い取る
まだ栞も挟んでないのに
蘭
ぶつけ所のない怒りを
グッと飲み込んだ
竜胆
梨
うっかり前の苗字を言いかけて、少し間が空く
名前を伝えれば
二人は顔を見合せて
悪い笑顔で私の隣に座った
嫌な予感
本も、もうどっかいってるし
蘭
竜胆
遊ぼうといっても 小学校低学年とはいえ
鬼ごっこ や かくれんぼ、同年代がやっている遊びは 今までで一度も楽しかった覚えがない
マセている、と言われればそうかもしれないが
本当に何が面白いか分からないのだ
暇つぶしなら本でも読めば時間が経っているし
知識も増えて、一石二鳥
何故、汗をかいて気持ち悪い感触の中 走るという労働をするのか
そして自ら汚れに行くのか
自分には分からなかった
梨
蘭
蘭兄がそう言って手を取る
もう片方の手も、竜胆兄に塞がれ
両親に何も伝えることなく、玄関を出た
見てるだけ
見てるだけなら
大丈夫かな…?
なんて思ってた自分を
今すぐにでもぶん殴りたい
蘭
竜胆
公園にそぐわない、重く不規則な音
血に濡れた義理の兄貴達
助けを求め、俺の足元にへばりつく中学生
一つ二つ違う年齢だとは思えない
まるで悪魔だ、不良だ
呆然としながら佇む私に
蘭兄は長い髪をたなびかせながら
ゆっくりと近付く
蘭
怖い訳じゃない
梨
蘭
倫理が通用しないと分かって 良くない、とかダメだよとか 止めるヤツの方が頭おかしいと思う
そんなの、返り討ちにされるだけだ
蘭
竜胆
殴ってみろよ
そう提案する竜胆兄
梨
竜胆
つまらないと言うように 二人は眉をひそめた
梨
触りたくもない
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