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ホルスト
ホルスト
ファルク
攻撃を食らった左腕から、 血が滴り落ちる。
傷口は浅いが、二の腕から先の殆どに 火傷を負ってしまったようだ。
ホルスト
ファルク
ホルスト
ホルスト
男の拳が顔面に直撃し、足取りが フラフラと落ち着かなくなる。
ファルク
負傷していない右手で背中に手を伸ばし それを不慣れな手つきで構える。
ホルスト
ホルスト
ファルク
ホルスト
ホルスト
ホルスト
勢いよくこちらに迫りだす。
武器は持ってない。 だが奴の過罪能力だけで十分危険だ。
ファルク
男が間合いに入った瞬間、 素早く"扇雲"を振り下ろす。
ホルスト
しかしそれを両手で受け止められ、 男に刃は届かない。
ファルク
だが男の両手は塞がっている、 今なら攻撃が通るはずだ。
思いついたまま腹部を思い切り蹴る。
ホルスト
ホルスト
だが次の瞬間、男の掴んだ槍の柄から 橙色の火花が散る。
ファルク
(爆発音)
ファルク
ホルスト
ホルスト
ホルスト
…恐ろしい。
勿論、こいつの危険すぎる過罪能力も 厄介で痛いし怖い。
しかし、 このホルストという男。
狂喜に満ちた恐ろしく淀んだ笑いを 叫ぶこの男は、もっと恐ろしく感じる。
恐れは思考を妨げ、体を固め、 熱を奪い、いつしか何が本当かすら 分からなくなる。
ファルク
ホルスト
ホルスト
ファルク
ホルスト
ホルスト
ホルスト
ファルク
鋭く冷たく、作り物のような眼が ホルストを貫いた。
ホルスト
ホルスト
ホルスト
右手を大きく開き、一直線に駆け寄る。
あの手は明らかに殴る拳じゃない。
ファルク
ファルクは動揺せず、負傷した 左手を拳にかざし、難なく受け止めた。
ホルスト
ファルク
しかし、爆発しない。 過罪能力を使わない。
困惑の混じった表情で、 男は急いで後退する。
ファルク
ホルスト
ファルク
ホルスト
ホルスト
もし、その予想が外れていれば、負傷 していた腕にさらなるダメージを負っていたに違いない。
この男がそれを承知していない わけはないだろう。
ファルク
ホルスト
ホルスト
クラミィ
クラミィ
ニル
ニル
クラミィ
クラミィ
クラミィ
クラミィ
クラミィがその場に座り込む。
少し雲がかった暗い顔だ。
ニル
少女の小さな手が、彼女の頭を撫でる。
ニル
ニル
クラミィ
クラミィ
クラミィ
クラミィ
(爆発音)
イズミ
カズミ
カズミ
イズミ
「あ゙ぁ、その必要はねェ。」
カズミ
イズミ
薄暗い廊下に 低く枯れた不気味な声が反響する。
奥の曲がり角から、紫色の纏いを 身に着けた背丈の高い男が現れた。
ギルシア
ギルシア
ギルシア
カズミ
イズミ
ギルシア
イズミ
ギルシア
ギルシア
ギルシア
ギルシア
カズミ
男にそう問うと、クマの酷い顔を上げ 光のない瞳をこちらに向ける。
その時、その瞳から存在しない活力と 果てない欲望を感じた。
ギルシア
ギルシア
ギルシア
カズミ
ギルシア
ギルシア
その瞬間
巨大な青い炎が 男を包み込む。
イズミ
イズミ
揺らめく青を背景に 朱色を身に纏う彼女の立ち姿が目に映る。
思わず目を奪われてしまった。
その炎の中から 身を乗り出す男の姿に。
カズミ
イズミ
(鈍い音)
鈍く輝く鉄の腕が、 イズミの体を大きく吹き飛ばす。
イズミ
ギルシア
ギルシア
カズミ
カズミ
イズミ
イズミ
口から血が一筋、首に伝う。
見ただけで重症だ。
イズミ
イズミ
カズミ
カズミ
イズミ
片足で地面を踏みつけ、 ゆっくりと立ち上がる。
イズミ
カズミ
イズミ
口元を噛み締め、力強くそう呟く。
カズミ
カズミ
次の言葉が口から出る前に、 イズミの手が覆い被さる。
カズミ
イズミ
そして目を合わせ、言う。
イズミ
カズミ
カズミ
カズミ
ギルシア
ギルシア
(金属打撃音)
男がカズミの拳を受け止める。
ギルシア
が、しかし 彼の拳は男の大きな図体を押し返した。
ギルシア
カズミ
カズミ
俺は、世界が嫌いだ。
弱者を利用し搾取し捨てるこの世界が
俺の家族を、大切な物を奪う この世界が。
復讐をしたいわけじゃない。
ただ、これ以上奪われないために。
カズミ
ギルシア
カズミ
カズミ
Profile.15 ギルシア
ギルシア
ギルシア
ギルシア