妖の世は今日も過ぎる

辺りはとっくに真っ暗で

でも、体感はあっという間だった

ー女子寮

ぽろぽろぽろぽろ

大切なものを入れた箱は溜まっていく

嬉しさや楽しさを入れた箱は 溜まっていく

でも

幸せが満たされようとした時

あの日の記憶が

それらを一気に流そうとする。

でもきっと、この人達に

苦しさを、辛さを

そして、これからの楽しさを

全部ひっくるめて、握ってもらえれば

流されることは、無いと思った

だから……

ホプエンさんの豆知識

月彩、天羽の母が著作した本は

累計20万部突破している。

（尚、ベストセラー入り）

私は

能力が代々受け継がれている

家系に産まれた。

兄は、5つで能力が発見された。

父から受け継いだ、植物に関係する能力

うちの家は

曾祖父母の代位まではかなり力が強く

当時の"五代名門家"に

入っていたらしい。

でも、祖父母の代から

段々力は弱くなり

父母の代でも……

その上________

急激に神遣いが減り

神遣いの家系は、2つしか残らず

その2つの家系の力が

膨大だったことから

私たち、雨宮家の五代名門という

母いわく"誇り高い"立ち位置は無くなり

新生五代名門

という

御三家＋神遣いの二家で構成された

名門の分類が出来た。

きっと、そこからだ。

父や母が不安定になったのは

兄が産まれる前以前

父と母は子供に恵まれていなかった

他の家系より遅かった

だからこそ

焦りが出た

だから________

だから、兄に期待をした

重圧をかけた

期待と責任のみをあげて

愛情なんてあげなかった

それは

私が能力を発現したあとも

まったく変わらない事だった

むしろ________

ひりひりと痛む右頬は

この家を表すのにぴったりだだた

ｽﾞﾘ…

水に顔だけ沈められて

ぶくぶくと泡が口から出でて

みんなは、他の子は

親に撫でられるはずの頭を

髪を

掴まれて

痛い

苦しい

なんで______

毎日が憂鬱で

朝目が覚めた瞬間から

泣き疲れ、眠る時までが

私の地獄。

私の________

終わらせたかった

この地獄への道を

今すぐにでも、断ち切りたかった。

でも…

私には

兄がいた。

彼はそう言うけれど

私は、彼に一人で全部

背負って欲しくなかった。

これは私の最初の

願いで、

彼に背負わせない、という意地で

我慢して我慢して

ずぅっと、我慢して

ようやく、私達に

転機が訪れた