コメント
1件
うわぁっっっ!!(死 小説 1冊分 見た満足感が... 2人とも末永くお幸せに!
WARNING 二次創作BL(📢🍍) 体調不良描写 鬱···▸ハッピーエンド 花吐き病パロ(+独自設定有)
※この物語は 読切作品となっております。
❁⃘
夏月
夏月
夏月
夏月
花が蕾をつけてしまった。
___つけたところで、 実るはずがないのに___。
“カタオモイ” を 拗らせると発症する “ 花吐き病 ”
ほら、ここにも___。
夏月の部屋
夏月
夏月
俺・赫浦 夏月は 1人寂しくお茶を飲む。 歌い手になって早2年ちょい。 ライブも決まり、 グループは順調に進んでいる。 しかし……。
夏月
実は、約2年ずっと メンバーの茈冬 伊流真 に 片思いしているのだ。
夏月
夏月
『墓』まで持ってくつもりだ。
伊流真
夏月
夏月
夏月
夏月
伊流真
夏月
伊流真
俺は個人通話が好きだ。 2人きりになれるから。
伊流真
はやい。 俺らだけ時計の針が狂ったような。 いつも、そんな感じだ。
夏月
伊流真
そんな、早く戻ろうとしないでよ。 行かんといて___
夏月
夏月
伊流真にとって俺はただの友達で 大勢の中の1人だから。
夏月
伊流真
夏月
夏月
紫と赤のアイコンが並んでいるだけで よかったのに。 ここは、いつもカラフルで 俺は好きじゃない。 メンバーに 純白な気持ちを向けられない そんな自分が嫌になるから。
藍
伊流真
伊流真
藍
夏月
伊流真は優しい。 俺だけじゃなくて、みんなに。 俺とは違って___。
夏月
夏月
言えたら、どれだけ楽になるだろう。
夏月
❁⃘
夏月
夏月
夏月
不思議な感触がある、 手のひらを見る。 何か、白いものがあった。
夏月
花 び ら ・ ・ ・ ??
夏月
俺の体から、花……??
夏月
状況を呑み込むのに時間がかかる。 まだ何が起こったのかが よくわからない。
藍
夏月
夏月
___ダメだ。 藍は、何も悪くない。
夏月
夏月
藍
夏月
ブチッ、と無理やりoffにする。 藍には申し訳ないけど、 今はそれどころじゃなかった。
あいつらにこの状況を 話せばいいのかもしれない。 しかし___
夏月
とりあえず、 汚れた手を洗いに 洗面所に向かった。
夏月
夏月
夏月
伊流真
伊流真
夏月
夏月
夏月
『花 嘔吐』で検索をして、 2番目にヒットしたものを見る。
夏月
夏月
“花吐き病とは?? その実態に迫る!”
“花吐き病は、病名の通り花を吐いてしまう病気です。近年発見され、誰でも発症する恐れがありますので、ぜひ目を通してみてください。”
“[症状]”
“花を吐く(花びらだったり,花そのものだったり内容は様々です。)”
“頭痛”
“意識が朦朧とする”
“[原因]”
“カタオモイを拗らせると発症するとされています。”
“[治療法]”
“服用。(完治させるのではなく、症状を抑えることを目的としている為、注意が必要です。副作用がある場合がございます。)”
“そして、無事にその恋を実らせること。1番確実で、安全です。”
“[花吐き病の疑いがあった場合]”
“病院に行き、診断してもらうことをお勧め致します。”
夏月
夏月
そう思うけれど、 花を吐いたことは確かだ。
それに、 原因も心当たりがある。
伊流真
夏月
夏月
夏月
寝て、リセットするんだ。 この優れない体調も 自分の気持ちも。
ピピピ、という 人工的な音で目が覚める。
夏月
起き___
❁⃘
夏月
頭に激痛が走る。
夏月
このままでは、 生活すら出来ない。
夏月
夏月
なんで、なんでなの。 伊流真から連絡が来て 嬉しいはずなのに。 身体が、言うことを聞かない。
夏月
また___。 でも、少し違う。
夏月
夏月
夏月
夏月
天気が代弁しなくていいのに。
夏月
夏月
無機質な空間で沈黙とは、 居心地が悪いにも程がある。
医者
数分経って、 医者がようやく口を開く。
夏月
❁⃘
医者
夏月
ネットで見たのと、 医者から言われたのでは、 また、感じ方が違う。
医者
夏月
夢なんかじゃない 現実だと
夏月
恋鮫
伊流真
恋鮫
伊流真
夏月
夏月
甘えるとこ 明るくいるとこ 素直なとこ
夏月
夏月
❁⃘
伊流真
夏月
割れるような頭の痛さは まだ続いている。 音で頭が痛くなるため 全ての音が嫌になってくる。
医者
夏月
夏月
夏月
半透明のビニール袋から 薄らと「内用薬」と書いてあるのが見える。
夏月
これから、どういう気持ちで 生きていくのだろうか。
夏月
夏月
走って帰ろうか。 どうせ家に帰っても やることは無いけど。
天気は、やはり俺の気持ちに 比例するようだ。
夏月
パーカーのフードを被りながら 家に向かう。
走ろうと思ったけど、 そんな気力もないのでとぼとぼと歩くことにした。
夏月
どうせなら ずっとこのままがいい そう思ったその時、
伊流真
夏月
俺の不運さは、もしかして 天才的かもしれない。
伊流真
伊流真
夏月
夏月
雨の音にかき消されそうな程 小さな声で声を出した。 聞こえているのかは、わからない。
伊流真
夏月
伊流真の目線の先には 薬がはいった袋があった。
半透明だから「内服薬」と 見えてしまっている。
伊流真
夏月
バッ、と全速力でその場から逃げる。
伊流真
伊流真からだから 追いつかれるかもしれないけど。
少しでも、距離をとっていたかった。 壁が欲しかった。
夏月
夏月
びしょ濡れだ。 普段なら濡れていなくても 絶対風呂には入るのに、 今日は一向に入る気分にならない。
昨日吐いた花びらと 今日吐いた花。 あの花はアネモネというらしい。 白のアネモネの花言葉は 「儚い恋」 「薄れる希望」
夏月
❁⃘
夏月
少し会っていなかっただけなのに、 随分と久しぶりに感じていた。
夏月の身体は、表情も相まってか 痩せ細って見えた。
伊流真
夏月
青ざめ、瞳孔が細くなっており まるで野良猫のようだった
手に持っている、 水滴のついたビニール袋。 「内用薬」の文字が見えた。
聞く間もないまま、 夏月は駆け出してしまった。
あの表情を見るに アレルギーやただの風邪では無さそうだった。
メッセージは未読無視。 電話ももちろん出ず、 作業通話にも入ってこない。
伊流真
翌日
珍しく遅く、6時頃に起きた。 一般的には遅くはないだろうが、普段は老人くらい早かったから仕方ない。 今日は嘔吐症状が出ていない。 ずっと頭が痛いのが気がかりだけれど、苦い薬を飲んだからか安心する。
腹の虫が鳴り、 7時ごろに冷蔵庫を見る。
夏月
夏月
少し前まで冬だったため、 やはりまだ肌寒い。
夏月
伊流真
❁⃘
夏月
夏月
夏月
___今回は多いな。 花の種類は変わらないけど。
近くに公園があってよかった。
夏月
夏月
偶然なことに、 夏月がいた。
伊流真
夏月
❁⃘
伊流真
なにして…っ
夏月
苦しそうな顔。 浮き出た喉仏。
伊流真
夏月の口から…花??
伊流真
声をかける間もないまま、 去ってしまった。
伊流真
夏月
先程から、30分位は経っただろうか。 ぼーっとする時間が、増えていくように感じる。
夏月
さて、買ってきた飯でも___
“ピーンポーン”
夏月
夏月
宅配便は頼んでいないはずなんだけど。 あいにく、うちには玄関を写す カメラは無い。
夏月
夏月
伊流真
夏月
伊流真
夏月
夏月
伊流真が、俺の腕を掴む。 伊流真の手は細いと思っていたけど、 意外とがっちりしていて 珍しく、なんのアクセサリーもつけていない。
伊流真
伊流真
夏月
“メンバー” それ以上でも、以下でもないのかもしれない。
伊流真は、“友達”とか“親友”くらいなら呼んでくれるだろうか?
でも俺にはそれが苦しい。
伊流真の“特別”でいたい。
夏月
伊流真
夏月
夏月
伊流真
夏月
伊流真
これを、は̀な̀し̀た̀ら̀……。
夏月
夏月
夏月
伊流真
伊流真
夏月
伊流真
伊流真
夏月
伊流真
夏月
馬鹿だな 俺。
避けることなんて 出来るわけないじゃんね。
夏月
なんだこの気まずい空気…。
そっちが押しかけてきたんだから、 話し出してくれないと困る。
夏月
伊流真
夏月
夏月
見られた……?? でも、いつ__??
伊流真
伊流真
伊流真
夏月
伊流真
夏月
伊流真
夏月
夏月
夏月
伊流真
夏月
伊流真
伊流真
伊流真
時が、止まった気がした。
夏月
伊流真
夏月
と、いうことは___。
夏月
伊流真
伊流真
伊流真
夏月
信じられない。 伊流真が、俺の事……?
伊流真
夏月
伊流真
伊流真
夏月
伊流真
夏月
伊流真が、安心したような顔をした。 そんな顔したいのは、こっちなんだけど…なんて。
夏月
伊流真
伊流真
夏月
伊流真
❁⃘
夏月
伊流真
夏月
伊流真
伊流真
なんで、治るはずなのに…。
夏月
医者
医者
夏月
伊流真
夏月
伊流真
夏月
夏月
伊流真
夏月
約1ヶ月後
伊流真
2人で歩く河川敷は 心地いい。
夏月
夏月
伊流真
夏月
伊流真
俺の花も 散って 幸せになったんだから___。
“花が散る、その日まで。”