男装女子はグールの手綱係

授業後

疲れに疲れた脳を休ませるために食堂に来ていた！

財布片手に「何しよっかな〜」と迷い始める

ひとりで「何にしようかしら……」と悩み込んでいると突然誰かが後ろから抱き着いてきた

思わず後ろからの体重に耐え切れずそのまま地面に伏すように倒れ込む

ムカついて後ろにいるヤツの胸倉を掴んで顔を見ようとこちら側に引っ張る

？？）おわぁ！？

後ろから抱き着いてきたのは同じ一般寮生で同級生の「笹原 凪(ささはら なぎ)」だった

凪）バレちった♥

凪）ヤーダ

凪は人懐っこい性格でよくつるんでる友人と言っても過言じゃない奴だ

凪）おーごって♥

凪）ひどーい、凪君泣いちゃぞ〜？

凪）わーお殺意マシマシだね〜

ちなみに、こいつも私が女 だとは知らない

まぁ、大半……いや、寮長と教師陣、あとあの後輩二人以外誰も知らない

凪）はーい♪

凪は背中から退き私も立ち上がる

凪）別に？居なかったから探し回ってた

凪）そゆこと〜

凪）お前ほっそいよなぁ、枝っ子じゃん笑

凪）女じゃないんだしいーだろ笑

凪）いやいや、顔はいい俺に引っ付かれて嬉しいだろ？

凪は嬉しそうにニコニコと笑いながら後ろからまた抱き着いてくる

凪）お、新作出てる

凪）え〜、真柊君冷たーい

凪は俺の肩に顎を乗せて 「お、あれも良いな〜」 なんて呟いていると……突然 「いたたたた！！」 と声を上げた

後ろを振り向くとそこには草薙先輩と 加賀美先輩が怖い笑顔を浮かべながら凪の後頭部を握り締めていた

凪）あ、頭割れる！割れる割れる！

草薙先輩は凪の耳元で何かを囁いてから頭を離し凪は直ぐに後ろに隠れて来た

凪）ちょー怖ぇって！

凪）い、いやぁ…ちょっと……(まさかあの人もコイツ狙ってるとか…勝ち目ねぇだろ)

凪）ちょｯ、俺を巻き添えにするんじゃねぇよ！

凪）ちげぇわアホ(なんで態々死にに行くような真似しねぇといけねぇんだよ)

凪）頼むから！マジで頼むから！俺が殺害対象になっちまうから！