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テラーノベル(Teller Novel)
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ユン

.....っ、

ヨナ

ユン、ミアは.....っ!!

ハク

......

ジェハ

っ.....こんなに無茶をするなんて.....やっぱりあの時、僕が無理矢理にでも引き止めて置けば....

キジャ

ユン!ミアは、ミアは助かるのだよな...?

シンア

ミア......が....し......ぬ......?

ゼノ

...っ、、

ユン

皆、落ち着いて聞いてね

ユン

まず、今のミアは貧血に加えて栄養失調、そして酷い打撲で意識を取り戻せずにいる。

ユン

足の怪我も、結構深い

ユン

正直言って、今のミアは凄く危険な状態。

ユン

絶対に死なせない!けど、目を覚ますかは、本人の回復力に願うしかない...

ライ

大丈夫だ。ミアはじきに目を覚ます

ユン

それにしても...どうしてここまで傷ついていてあんなに闘えたんだ....?普通は処刑台に立っていた時点で気を失っていてもおかしくないくらいの怪我だよ

ヨナ

ヨナ

ねぇ、今思い出したのだけど...

ユン

何?

ヨナ

.....ミア、斉国へ連れていかれて目を覚ましてすぐ、私とリリを庇って鞭で打たれていたの。

ライ

ハク

.....

キジャ

鞭....だと....?

ヨナ

その時。ミア、こう言ったのよ

ヨナ

「私は大丈夫、打たれ慣れてる」って

ジェハ

鞭で.....打たれ慣れているって...?

ヨナ

えぇ、その時は私達を安心させるために冗談を言っているんだと思ってた。

ヨナ

...ねぇ、ライ。ミアは過去に何があったの?どうして...こんなに強く、こんなに我慢ばかりするようになったの?

ライ

.......

ライ

ミアの口からじゃないと駄目だ。

ライ

これは、俺が言ってもきっと伝わらない。

ライ

受けた痛みを伝えられるのは...本人だけだ。目が覚めたら俺からミアに言っておく。だから、もう少し待ってやってくれねえか

ヨナ

.....分かったわ、

ミア

.....パチ

ユン

ゼノ

お嬢さん目を覚ましたよ!

ミア

.......

ユン

ミア、大丈夫?気分はどう?痛くない?

ミア

......ユン、か

ミア

...倒れるなんて...不甲斐ない...手を煩わせて悪いわね

ハク

誰も文句言ってねーよ、治るまでは大人しく寝ててもらうからな

ミア

.....そうさせて...もらうわ

ミア

.....!

ミア

キジャ、どうして泣いているの?

キジャ

.....っ、そなた、傷だらけではないか....危うく死ぬところだったと聞く。ずっと、落ち着かないのだ....ポロポロ

ミア

.....

ミア

ありがとう、ごめんね、心配をかけてしまって。

キジャ

ゔゔぅポロポロ

ぽんっ、

ミア

大丈夫よ....キジャ、貴方は...よくやってくれたわ。

ジェハ

キジャ君抜けがけは良くないなあ〜

ミア

ただ頭を撫でただけなのに

ヨナ

ミア、心配した.....っ、ごめんね...っ

ミア

ヨナ.....

ヨナ

守ってくれて....ありがとう....っ

ミア

ミア

うん、どういたしまして

なでなで

ユン

たくもう、皆して無茶して...!もう!

ユン

ご飯作るから!食べて寝ててよね!!

ミア

ありがとう、ユン

ライ

ミア....

ミア

ライ、私の言う通りに動いてくれて、色々ありが....

がばっ

ミア

ライ

も.....ほんと......心臓に悪ぃ....

ハク

へっ、1番余裕そうにミアは大丈夫だって言ってたぞこいつ

ミア

そうなの?

ライ

目を覚まさなかったら俺が腹を切ってお前と同じ所に行ってたからな

ミア

.......冗談?

ライ

いや本気。

ミア

馬鹿ね、まだまだ先が長いのに、こんなとこで死んでは駄目よ。禁止。分かった?

ライ

分かった

ユン

これが本物のメンヘラか

ジェハ

ライ君近くなーい?ミアちゃんは女の子なんだよ?

ミア

.....女だと...何か問題があるの?

ハク

......

ヨナ

チラッ

ハク

.....

ジェハ

異性とハグをするのはね、好き同士でしかダメなんだよ

ユン

何を今どき小学生に教えるみたいに....

ミア

好き同士なら問題ないじゃない

ジェハ

え?

ゼノ

およ?

ミア

私、ライのことは好きよ

ヨナ

え!?

ミア

ヨナも好きよ?抱きしめて欲しいなら言えばするのに

ヨナ

.....ほんと?

ミア

ふふっ、勿論よ

ジェハ

え、じゃあ僕は((

ハク

タレ目、調子に乗ると鉄拳が飛ぶぞ

ジェハ

ハハ

ライ

俺らは兄妹見てーなもんだからなあ、慣れっこだし、問題ないだろ?

ユン

あー。なるほどねー。うん。

ミア

ライは弟気質よね。世話を焼きたくなる

ライ

ったくよー、とりあえず薪でも取ってくるわ、大人しくしとけよ

ミア

うん、ありがとう

ハク

.....悪かったな

ミア

...?

ミア

何が?

ハク

あんたが無理すること、知ってたのにな。あん時、ミアの救出を優先すればよかった。

ミア

いいえ、私を救出したら力もない市民達が犠牲になってたはずよ。こちら側の人数も足りていなかったし。

ミア

ハクがあの決断をしてくれたからこその、死傷者なしで終わることが出来たの。感謝してるわ

ハク

っだぁーー!お前、ほんと....

ミア

ハクこそ、ヨナがいなくて寂しかったでしょう?巻き込んでしまってごめんなさいね

ハク

はっ!?

ヨナ

え?

ジェハ

あらら

ヨナ

そうなの?

ハク

っ〜〜!

ハク

ま、守る奴いなくなったら誰でもそうなんだろ!ライもそうだったし!

ライ

ほんと寂しかったわ

ゼノ

ははっ、お前らかわいいなあ〜

ミア

(足の感覚が少し戻ってる、ユンのおかげで早く治りそうね)

ミア

次の目的地はどこなの?

ユン

えっと...まだ詳しくは決まってないけど、1度リリの所には寄るつもりだよ

ミア

そう、良かった

ミア

ごめん、また少し...寝るわね

ユン

うん、ゆっくり休みなね

ハク

その調子で1週間くらい寝てろ

ミア

...なんだか言い方がムカつくわ

ジェハ

心配って素直に言えばいいのに

ミア

それに1週間は長いわ。明日出発でもいいわよ

ユン

それは駄目!

ヨナ

ゆっくり休んでていいのよ!?

ハク

ほんと寝てろよお前はよ!!

シンア

(゚ー゚)(。_。)ウンウン

ミア

わ、分かったわ.....

キジャ

本当にゆっくり休むのだぞ!!絶対だぞ!!

ミア

キジャは心配しすぎだけどね

シンア

怪我...ひどい....早く治して...ね

ゼノ

そーだぞー!俺みたいにすぐ治らないんだから、身体大事にしなきゃダメだぞー!

ミア

治るとしても痛みを感じるのだから、貴方も身体を大切にしなくちゃ駄目よ

ミア

シンア、このくらいたいしたことないわ。すぐに治すから心配しないで

シンア

.....( ゚ー゚) ( 。_。)コクン

ミア

...(1日だけどだいぶ足の感覚も戻ってきた)

ミア

.....スウォン.....

ハク

あれ?あんた起きてたのか?

ミア

.....ハク

ハク

なんでスタスタ歩いてんですかねぇ

ミア

.....

ハク

寝てなきゃ駄目だろ

ミア

....どうだった?

ハク

はい?

ミア

昨日、嫌がるヨナを抱きしめて頭を撫でくりまわした気分。

ハク

あんた見てたのか!?

ハク

気配消すのやめろよ......

ハク

大事な姫さん勝手に撫でくりまわして悪かったな

ミア

大好きなのね

ハク

はぁ!?

ミア

.....大事にしてよね

ハク

は?

ミア

貴方がヨナを守るのよ

ハク

え、は?

ハク

いや、それはそうだけど、姫さんの専属護衛だし

ミア

一応聞くけれど、今もヨナを守っているのは...先王イルの命令を守って仕方なく...じゃないでしょうね

ハク

....ちげーよ。

ハク

...俺は姫さんが大事だ。だから、絶対守り抜いてやる

ミア

....なら、安心できるわね

ハク

安心って?

ミア

私が居なくなった後も、しっかり守ってくれる人が居なきゃ安心できないもの。

ミア

まあ、四龍達もいるから大丈夫だとは思うけど....

ハク

お前が居なくなった後ってなんだよ

ミア

だって、ずっと一緒にいる訳じゃないでしょう?

ハク

それは....

ミア

...違うの?

ハク

(なんで、俺は、一生ミアと居るのが当たり前かのように.....)

ハク

なんでもない

ハク

とにかく、動いたらユン君が怒りますよ

ミア

...そうね、でも、動き足りないのよ

ミア

それに、早く元気にならなければ、皆余計に心配するでしょう?

ミア

本当に大丈夫なのに、皆大袈裟なんだから...

ヨナ

あー!

ハク

ビクッ

ミア

ヨナ

ヨナ

駄目じゃない安静にしてなきゃ!ユンに怒られるよ?

ミア

大丈夫よ、足の感覚が戻ったから体を動かしたかったの。

ミア

別に無理をしているわけじゃないわ、本当よ

ヨナ

ならいいけど.....、

ヨナ

ミアが動けない間は私がミアを守るわ(`・ω・´)✧

ミア

ふふっ、それは無理ね

ヨナ

なっ!私だってやれば出来るのよ!?

ミア

そうね、ヨナは出来る子よ

ヨナ

だから....

ミア

けど

ミア

きっと、ヨナが私を守る前に私の体が動いてしまうわ。ヨナを守らなきゃって

ヨナ

ミア.......

ヨナ

ミアって、やっぱりすごくかっこいいわ

ヨナ

見習う!

ハク

見習っちゃダメなお手本ですよ姫さん

ユン

こらー!まだ起きちゃダメって言ってるでしょ!

ユン

全く油断も隙もないんだから!

ミア

ごめんねユン、身体を動かしたくて

ジェハ

君は動物か何かかな?

ミア

龍がいるんだから動物がいてもおかしくないわね

キジャ

足は!痛くないのか!?痣は!?

ゼノ

白龍テンパリすぎ〜笑

ライ

たく、ほんと通常運転だな

ライ

どうせ言うこと聞かないからなー

ミア

もう十分休んだわ

ミア

リハビリも兼ねて散歩してくるわね。遠くには行かないわ

ユン

ちょ!もー!すぐ帰って来なよー?

ジェハ

ははっ、ユン君はミアちゃんに甘いね?

ユン

言うこと聞かないし...それに、なんかね....

キジャ

私はミアについて行くぞ!

ユン

うん、心配だしそうして

ユン

俺は洗濯と繕い物と晩御飯の下準備と......

ジェハ

偉大なるお母さんいつもお世話になってます

―――――――――――――――――

ハク

.....ジジイの秘蔵の酒のがうまいな

ユン

これだけ手に入れといてそれ?

ハク

腕相撲大会に優勝したら酒が貰えるって言うからよ

ジェハ

痛快通り越して気の毒な腕相撲大会だったよ

ジェハ

滅多にない機会だからさハク、勝負しない?

ハク

どっちが先にツブれるかって?勝ったらどうする?

ジェハ

敗者は勝者の言うことをなんでも聞く

ハク

何でもだな

キジャ

勝負かでは私も

ゼノ

ゼノも!

ライ

俺もやろーかな〜久々の酒

ユン

やめときなよハクとジェハに適うわけないじゃん

キジャ

やってみなければ分からない

ユン

分かるわ

ジェハ

そーそー何事もやってみないとね

ユン

もー勝てると思って煽るんだから

ジェハ

ユン君も参加する?

ユン

馬鹿言わないで俺は...

ユン

おつまみ作る

皆「お母さんいつもありがとう」

ユン

お母さん言うな

キジャ

しかし腕相撲...私も参加したかった

ゼノ

白龍が出たら相手の腕ポッキリだから

ユン

そーいえば俺時々思うんだけど、どっちが強いんだろうね

キジャ

何がだ?

ユン

キジャの腕力とジェハの脚力

キジャ

......

ジェハ

........

キジャ

何故目を逸らす?私の目を見よジェハ

ジェハ

いやあ、ちょっと目眩が

ハク

何処かの故事で聞いた事がある

ハク

昔...どんな盾をも破ることが出来る矛とどんな矛をも防ぐことが出来る盾を売る者がいて

ハク

その最強の矛と最強の盾をぶつけると双方砕け散ったという....

キジャ

よし!どちらが砕け散るか勝負だ!

ジェハ

やめて?

ジェハ

待って止まってキジャ君僕は君と闘う気はないし砕け散りたくもないよ?

キジャ

何も殺し合おうとは言っていない少ーし私の拳を受けてみないかという....

ジェハ

君の拳は人殺せるからね!?

ミア

....

ジェハ

...分かったじゃあ勝負の前にまず一献

キジャ

うむ

キジャ

クカー

ジェハ

はい一丁上がり〜

ジェハ

さて、次はー....おっ、シンア君いい飲みっぷりだね

ジェハ

生きてるかな?

シンア

ジェハの心臓....丸見え

ジェハ

シンア君はそっとしておこう

ハク

シンアーこっち来て飲....

ジェハ

そっとして!

ジェハ

さて後は僕とライとハクとゼノ君だけど__

ジェハ

ハク、ライ...僕らは今とんでもない奴に勝負を挑んでいるのかもしれないよ

ハク

あ?

ライ

ん?

ハク

あ!ゼノお前もしや....!

ゼノ

ふはっ、その通り〜

ゼノ

ゼノの体はどーんなに酒が入ってもしばらくフワフワするだけで酔いつぶれたりしないから、永久に

ジェハ

まさかの地上最強酒豪....!

ライ

えーずりぃ

ハク

適うわけがねぇ

ハク

ゼノはこの勝負無効な

ヨナ

いいじゃないゼノも一緒で

ハク

あのな姫さんこいつは....

ヨナ

私ももう1杯〜〜!

ハク

ってあんた参加してたのかよ!?

ハク

シンア並に喋んねえから寝てんのかと思った

ヨナ

寝てない

ヨナ

....

ハク

寝たし

ヨナ

寝てないもん

ハク

寝ろよ

ヨナ

ハク....

ハク

....はい?

ヨナ

ねえハク

ハク

はいはい

ヨナ

私ね....

ヨナ

ハクの事がね....

ヨナ

ぐぅ

ハク

(なんだよ)

ハク

ったく、

ジェハ

この場を離れたら勝負は負けだよ

ハク

てーめ....

ミア

.....まだやってると思えば、ヨナに酒飲ませたの?

ハク

いや、こりゃ姫さんが勝手に....

ミア

......たく、責任もって運びなさいよね

ハク

は!?ここは「私が運ぶわ」ってなるとこじゃねぇの!?

ジェハ

君が運ばないなら僕が運んでもいいけど〜?

ハク

.....

ハク

(心頭滅却)

ジェハ

さーてハクに何を命令しようかな?

ゼノ

....

ジェハ

何笑ってんだいゼノ君

ゼノ

ふふ、兄ちゃんも緑龍も微笑ましいな

ジェハ

うるさいよ

ジェハ

ゼノ君と僕とライ君が残ったわけだけど....

ジェハ

って、えー...なんという自由

ジェハ

酔い潰れなくても眠くなったら寝るのね

ジェハ

皆寝ちゃったし...僕の一人勝ち?

ジェハ

あ。それともミアちゃんも飲むかい?

ミア

...飲まないわよ、お酒なんて

ジェハ

ほほーん勝負に乗らずに逃げるのかい

ミア

煽ったって乗らないわよ、
あまり飲みすぎないよう気をつけるのよ

ジェハ

ははっ、引っかからないかー、君がお酒強いのか弱いのか知りたかったのに

ミア

.....どっちでもいいじゃない、どうせ飲まないわ

ジェハ

んー、じゃあ本当に僕の一人勝ちになってしまったね

ジェハ

勝者は敗者に何を聞いてもらおうか

ジェハ

.....なんだろな....

ジェハ

これ以上...望むことなんてないんだけど

ミア

...今が幸せ?

ジェハ

あぁ、とてもね

ミア

そう...

ジェハ

あ。強いて言うならミアちゃんにデレ期が来たらいいなあ〜

ミア

...ふふっ、私は敗者じゃないから聞けないわね

ジェハ

つれないねえ、少しくらいデレて見てもよくない?いつもツンツンだし...

ジェハ

まあ.....君がデレデレなのも想像つかないけど....

ミア

.........

ミア

....(なでなで

ジェハ

え?

ミア

.....ふっ、可愛い

ジェハ

エ?

ミア

こんな感じ?

ジェハ

ゑ?

ミア

デレた姿が想像つかないって言うからやってあげたのよ、それとも...もっと甘々なのをお求めかしら?

ジェハ

是非とも見てみたいかな

ミア

...ダメ。また今度、ね

ジェハ

ご馳走様ですッッッ

ミア

......満足かしら

ジェハ

急に冷たくなると悲しくなるねえ...

ジェハ

嬉しいけど...急にデレ期が来るのはやっぱり困るかな?

ミア

どうして?

ジェハ

んー?、色々?

ミア

よく分からないわね

ジェハ

まあまあ、僕は1人で追い酒でもしてるから、怪我人は寝なよ

ミア

...そうね、この子達、天幕に運んでおくわ

ジェハ

え"。いいよ僕が運ぶから

ミア

どうせそのまま酔い潰れるでしょう?

ジェハ

けどこんな大男4人怪我人に運ばせられないよ

ジェハ

僕が運ぶから、君は寝てなよ

ミア

...分かったわ

ミア

おやすみ、ジェハ

ジェハ

うん、おやすみミアちゃん

ジェハ

........

ジェハ

っ〜〜〜!

ジェハ

僕の心臓が追いつかないよ......

―――――――――――――――――

ユン

朝だよー

ユン

起きてー

ジェハ

お.....おはよユン君....そういえば君途中から見かけなかったけど....

ユン

え?あれから食器片付けて火の番して朝から山菜採りに行ってご飯炊いて洗濯してた。あ、繕いものあったら早めに出して

ジェハ

優勝!!

ユン

え?

ハク

優勝!!!

ユン

は?

ヨナ

異議なし!

ユン

何!?

ジェハ

みんなユン君の言うことには絶対服従!!

ミア

通常運転ね

ヨナ

リリっ

リリ

ヨナぁっ

ヨナ

会いたかったわ

ヨナ

良かった...っ、リリが元気で

リリ

元気よ。ヨナ、ちょっと会わないうちに泣き虫になった?

ヨナ

ふふ、リリはかっこよくなった

ミア

久しぶりね、リリ

リリ

ミア!あんた怪我は?動いても平気なの?

ミア

大丈夫よ

ヨナ

本当はユンに止められてたのよ

リリ

え!?

ミア

本当に大丈夫なのに

リリ

もー、、あの時、私を守ってくれてありがとうね

リリ

おかげで助かったわ

ミア

お易い御用よ。

ミア

リリも最近無茶をするようになったから、命を大切にするのよ

リリ

勿論よ

ミア

...それなら良かったわ

リリ

斉国にいたのが遠い昔みたい

ヨナ

...ね

ミア

.....そうね...

リリ

聞いて聞いて!今日はすっごいいい事があったの

ヨナ

何?

リリ

私のすっごい大大大好きな人がお見舞いに来てくれたのっ

ヨナ

えっリリの好きな人?どんな人?

リリ

グンテ様♡♡

ヨナ

......えーと、グンテは結婚してるよ?

リリ

知ってるっつーの

リリ

絶対片思いでも好きになっちゃうって事あるでしょ?

ヨナ

うん、ある

リリ

グンテ様は格好良すぎるから誰でも好きになっちゃうわよ

ヨナ

う うん

リリ

そのグンテ様に今日はいい女になったなって言われたのっ

ヨナ

えーっ、それは嬉しいね

リリ

でしょっ

ヨナ

あ、私もね、「あんたみたいな格好いい女見たことない」って言われたよ

リリ

え、誰に?

ヨナ

.......

ヨナ

.............ハク

リリ

えっ

リリ

ちょっ、なに

リリ

好きなの?恋人なの!?

ヨナ

しーっ、声が大きい!ハク向こうで待ってるんだから

リリ

え?いるの!?連れてきなさいよこっちに

ヨナ

リリっ

ヨナ

恋人じゃないから

リリ

じゃあ好きなの?

ヨナ

.............おそらく

リリ

何他人事みたいに報告してんのよ

ヨナ

だって本当にずーーっと一緒にいたから今更すぎてっ

リリ

やっぱりあいつここに連れてきなさいよハッキリさせましょう

ヨナ

あ、あっ!やめてリリーー!

ヨナ

そ、そうだ!ミアは!?ミアは好きな人とかいないの!?

リリ

えっ気になる

ミア

..........

ミア

ハク

ヨナ

え!?

リリ

え!?

ミア

.....とライとキジャとジェハとシンアとゼノとヨナと.......

リリ

ストップストップ!!それは仲間としてじゃない!

ミア

そうよ

ヨナ

び、びっくりした、、え、ミア?

ミア

...ふっ、

リリ

からかったわね!

ヨナ

もお〜、

リリ

恋愛的な意味での好きは!?いないの?

ミア

...わからない。1度もそういうのは経験したことがないから....

リリ

え?ミアって、恋したことないの?

ヨナ

うそぉ!?
今まで生きてきて1度も!?

ミア

えぇ、そうよ。おかしい?

ヨナ

いや、おかしくは....ないと思うけど

リリ

でもあのライって人は?凄く仲が良さそうじゃない

ミア

ライの事も勿論好きだししんらいしているけど、あれは異性的な感情じゃないわ

ミア

昔からずっと一緒にいるから......兄のように思ってる。

ヨナ

そう...

リリ

この恋をする幸せが分からないなんて....そんな.....

ミア

....いいのよ、私はそういうの。

ミア

よくわからないし、あまり興味も湧かないし。

ヨナ

ミア....

ミア

私は....幸せそうにしている貴方達を見るだけで十分よ

ヨナ

う、かっこいい....

リリ

これが俗に言う天然タラシなのね....

ミア

何よふたりして

リリ

...あんた達とこういう話するのも恥ずかしいわね

ヨナ

ふふ、ほんと

リリ

とにかく協力出来ることあったら言いなさい、何なら私がハクに話をつけて....

ヨナ

それはやめてそれは....笑

ハク

姫さん

ヨナ、リリ「きゃぁぁあっ!」

ハク

.....そろそろ帰りますよ

ヨナ

う、うん、今行く

ヨナ

じゃあリリ

ミア

今日はお暇するわね

リリ

また来なさいよ

ユン

あ、雷獣おはよ

ユン

早いね

ハク

ゼノに蹴られて起きた

ハク

やっぱあの天幕でデカイ男5人は無理だな

ユン

...俺と交代する?

ハク

.........................いややめとく

ユン

間が長いよ

ハク

ユンこれ

ユン

あれヨナの荷物、見つかったんだ

ハク

リリが回収してくれたんだと

ハク

姫さんに渡しといてくれ

ユン

うん、わかった

ユン

うわぁあ!

ユン

雷獣っ

ハク

ん?

ユン

あっ、あっ、あのっ、どうしよう!?

ユン

さっきのヨナの荷物谷に落としちゃった....!

ジェハ

何か落としもの?

シンア

....あった、薄紫の巾着....

ジェハ

木に引っかかってるね

ユン

ごめん....っ、ちゃんと鞄に収まってなかったみたいで....

ユン

どうしようあれすごく綺麗な簪が入ってるやつでしょ?

ハク

大丈夫だから気にすんな

ミア

.....簪...

ハク

姫さんには伝えるなよちゃんと拾って戻すから

ユン

うん、でもどうして?

ハク

姫さんが知ったら危険を冒してまで取りに行かなくていいって言うだろ

ユン

あー....そうだね

ユン

でも....ヨナには大事なものなんだよね?

ハク

....そうだな

ハク

大事なもの....だな

ジェハ

シンア君、戻ってヨナちゃんと遊んでおいてくれるかな?

シンア

( ゚ー゚) ( 。_。)コクン

ジェハ

...さて、どうやってあれを拾おうか....

キジャ

私に任せよ

ジェハ

キジャ君?

キジャ

と......届かない

キジャ

ジェハ、そなたの足はどうだ?

ジェハ

どうだ?...とは?

キジャ

私の腕が巨大化するのだからそなたの足も能力を爆発させれば巨大化したりうにょーんと伸びたりしないのか?

ジェハ

それやったら美しくないし靴がいくつあっても足りないよ

キジャ

ということはやろうと思えば出来るのだな

ハク

何?ちょっと靴脱げ靴

ジェハ

え、ちょ

ジェハ

なにす、やめ.....っ

ユン

見せて見せて

ジェハ

君達ちょっ...ああ~~~~~

ジェハ

け...汚され...

キジャ

ええいそなたはも〜〜〜〜〜〜っ

ハク

服は簡単に脱ぐのに靴は頑なに脱がねえとは

ユン

めんどくさい変態だね

ミア

何茶番繰り広げてるのよ

ハク

俺が降りる

ジェハ

ここは僕が降りた方が良くない?

ハク

足場が不安定だ、お前の足でも飛べねえだろ

ミア

私が行くわよ。体が1番軽いから木が不安定でもなんとかなるわ

キジャ

そなたは怪我が完治していないだろう!?

ジェハ

却下だね〜

ハク

やっぱ俺だな

ハク

それに...あれは俺が、ちゃんと取って来ねえと

ジェハ

その簪はハクにとっても大事なものなのかい?

ハク

..........いや

ハク

正直へし折ってやりてえよ

ユン

えっ

ユン

...まさかあの簪って....

ユン

スウォン国王から貰ったもの....とかじゃないよね?

ユン

.............そう....なの?

ユン

なにそれ....

ユン

どうしてヨナは、そんな簪をもって....

ユン

...ヨナはスウォン国王のこと、好きだったの....かな...

ミア

憶測で色々物を言うのは良くないわよ。

ミア

昔そうでも今もそうとは限らないでしょう

ミア

どうするもヨナ次第よ。それに、異性的に好きじゃなくたって、貰ったものを捨てきれないことぐらい、あるわ

ユン

...ミアもそういうもの、あるの?

ミア

.....あるといえば、あるわね

ジェハ

...!

ミア

そんなことより、こちらかとやかく言うことでは無いわ。詳しいことは後にして、あれがヨナの私物だってことに変わりないんだから

ユン

...そうだね、ごめん

ミア

落ちないように気をつけなさいよ。ハク

ハク

おー

ミア

(ボーッとしてるわ、あいつ)

ミア

(スウォンのこと.....かしら)

ユン

あっ

ユン

ハク!!

ミア

だから言ったのに.....

ヨナ

えっ皆で水遊びしてた?

ユン

うん

ヨナ

見たかった....!

ゼノ

みんなこう見えてまだまだ子供だから

ヨナ

川の水は冷たいのに...待ってて、火、起こすね

ユン

もう、雷獣のバカ。焦ったよ、川に落ちて流されていくんだもん

ハク

ちょっと考え事してて

キジャ

死んだかと思ったではないか!

ジェハ

本当やめてくれない?ハク

ハク

何もお前らまで川に入らんでも

ユン

雷獣が動いたら入らなかったよっ

キジャ

そなたが頭部だけ浮かべたままゆるやかに下流へと流されてゆくからっ

ジェハ

川に入って同時にすっ転ぶユン君とキジャ君まで助けなきゃならない僕の身にもなってくれないかな

ミア

........

ユン

....もうひとつびっくりしたのは、ミアがいち早く川に飛び込んだことだよ

ミア

....

ジェハ

君は怪我人なんだから川に入らなくても良かったのに

キジャ

本当、色々焦ったぞ!

ハク

悪ぃな、怪我完治してねーのに川に入らせちまって

ミア

........

ハク

....おい?大丈夫か?

ミア

......

ユン

え。ほんとに大丈夫?ミア!?

キジャ

反応がないぞ!!どうしたのだ!?寒い?寒いのか!?

ジェハ

僕が暖めてあげようk((

ゼノ

お嬢さん疲れてる?

ミア

....

ハク

....マジでやっちまったか?俺...

ユン

ミアー!!戻ってきてー!

ハク

ナンカスイマセンシタ

ミア

............

ジェハ

本当に心配になってきたよ、もしや立ったまま気絶してる?

ユン

いや気絶してはないと思うんだけど....

ミア

....

ハク

あ、もしかして怒ってる?そういう感じ?

ジェハ

ハクやっちゃったねえー口も聞いてくれないのは初めてだよ?

ハク

マジか........

ハク

おーい、ミアー、ミアさーん

ミア

.........

ハク

マジで謝るんで喋ってもらってもいいですかね

ミア

......

ヨナ

皆ー!お湯沸かしたからあったまって.....

ヨナ

って、皆で何してるの?

ユン

あ、いや、雷獣たす......、川に入った後から急に喋んなくなっちゃって

ヨナ

そうなの?

ヨナ

....ミア?

ミア

............

ヨナ

ホントだわ...こんなの初めて

ハク

姫さんでもダメか....

ジェハ

これは重症だ...

ライ

お前らみんなして何してんだか

シンア

ミア....ピクリとも動かない.....

ライ

動かない?

ミア

......

ライ

.....ホントだ。上の空

ライ

今なら何しても許されるんじゃね?

ハク

馬鹿言うな、やっべーなー......

ミア

.......スッ…

ハク

ユン

ミア!やっと動いた!

ハク

どこ行くんだ?

ミア

..........

ジェハ

.....?様子がおかしくない?

ユン

だね、いつもと違う

キジャ

まさかいつかのシンアのようにの魂に乗っ取られたとか!?

ゼノ

青龍の次はお嬢さんが反抗期?

ライ

反抗期かあ、そういえばまだ来てねーかもなー

ヨナ

ミア、怪我治ってないんだし、休んでた方が......

ミア

.......い

ヨナ

え?

ミア

ミア

ぁ......

ハク

おい、ホントに謝るからいつものあんたに戻ってくれ

ミア

....何故、ハクが謝るの?

ハク

いや、喋んねーから怒ったのかと....

ヨナ

ミア、大丈夫?

ミア

大丈夫よ、ヨナ。お湯の様子、みてきて欲しいわ

ヨナ

分かったわ

ハク

.....俺のせいで川に入ったろ、怪我してるくせに

ミア

だからって、ハクは悪くないもの。
謝る必要はないわ

ハク

......

ユン

もう、心臓に悪いなあ

ジェハ

何かあった?

ミア

なんでもないわ。

ミア

.....少し.....寒いかも

ジェハ

!!

ジェハ

僕の上着を貸すよ

キジャ

私の上着を貸そう!

ハク

俺のせいで濡れたんだから、俺の使えよ

ユン

全員上着までびっちょりでしょうが

ミア

.....ふふっ、気持ちだけ受け取っておくわ

ふわっ

ミア

シンア

.....

ユン

シンア....!

ジェハ

かっこいいねえシンア君

ミア

...ありがとう、シンア

シンア

( ゚ー゚) ( 。_。)コクン

―――――――――――――――――

ミア

ユン、最低限動けるようになったわ。移動を始めましょう

ユン

え?デモ全然傷完治してないし...ミアってばすぐ無理するから、また傷開いちゃうでしょ?

ミア

私の怪我でこれ以上足止めはしないわ。動くには十分治った。

ユン

んー......

ヨナ

ユン、どうしたの?

ユン

え?いや、ミアがそろそろ移動しようって言うんだけど...まだ傷も完治してないし、傷開いたらなあと思って

ヨナ

そうね.....

ミア

けれど、これ以上止まっている訳には行かないわ。現にリリの所へも行けたじゃない

ユン

まああれは近かったから....

ハク

どうせこーなったら聞かねーよ、俺らが守るし、いいだろ?

ジェハ

あぁ、ミアちゃんが無理しないように尽くすさ

キジャ

傷が痛むなら私が背負って行こう!

ミア

...背負うのは今の所平気。

ミア

もう大分動けるわ。お願いユン

ユン

んんー........

ライ

俺からも頼むよユン君、ミアからのお願いなんて珍しいだろ?

ユン

〜〜!分かったよ!その代わりちゃんと大人しくしててよね!

ミア

ありがとう、ユン

ハク

ミア、足は大丈夫か?

ミア

問題ないわ...

ミア

前より体力が落ちたかも。悔しいわね

ジェハ

いや全然そんなことないと思うけどね

ミア

.....とりあえず今は大丈夫よ、歩けるわ。

キジャ

本当か!?背負っても良いのだぞ!?

ミア

キジャ、落ち着いて

ミア

心配しなくてもキツくなったら言うわよ

ユン

雷獣、斉国の国境沿いを歩いてきたけど、ここってもしかして風の部族領かな?

ハク

あぁ....かなり端だけどそうかもな

ジェハ

風の部族!ハクの育った土地だね

ジェハ

ハクの里には美しい女の子がたくさんいるんだろ?紹介して欲しいなあ

ハク

風雅の都にはいかねーよ

ハク

しかしここが風の部族領だとしたら、斉国の近くじゃなくて....

ハク

....!

ハク

シンア

シンア

....うん、誰か俺らを見てる....

ジェハ

あそこかな

がさっ

ジェハ

やぁ

ジェハ

僕らに何か用かな?

ミア

...ジェハ、1人で前に出すぎないで

ミア

思っているよりも人数が多いわよ

キジャ

そなた達何者だ!

.....我々は真国からやってきた。お前達は、高華国の化け物か?

ジェハ

突然やって来て「化け物か?」なんて不躾だね。こんな美しい僕らに向かって

....お前達は美しき化け物か?

ジェハ

呼んだ?

ハク

チョロいぞタレ目

ジェハ

僕らが美しき化け物だったとして

キジャ

我らに何用だ!

ヴォルド

.....

ハク

(何か空気の違う奴が出てきたな)

ミア

ここにいる人達には指ひとつ触れさせんぞ。死にたくなければ帰りなさい。

ヨナ

ミア、まだ動いちゃダメ...!

ヴォルド

降参ーーー!!!

ハク

.....は?

ヨナ

え?

ハク

ちょっと待て

ヴォルド

降さァァァ

ハク

いや何もしてないのに降参と言われても

ヴォルド

しろはたァァーーーッ

ハク

わかったよなんだよ

ヴォルド

失礼、私は真国第二王女タオ様にお仕えするヴォルドと申します

ユン

え!?真国の王女!?

ミア

.....第二王女タオ、か....

キジャ

信用ならんな顔を隠した者の言葉など

ミア

キジャ、やめなさい

キジャ

え?だが....

ミア

いいから

ひぃぃ本物だ!

噂通りだやっぱりいるんだ高華国の化け物!

キジャ

キジャ

...分かった...

ヨナ

どうして行ったこともない真国でキジャ達が噂になるの?

ヴォルド

斉国の砦の建設に我が国の民も奴隷として連れて行かれたのです。そこから戻ったものが口々にこう言いました

ヴォルド

高華国には巨大な爪を振り回し暴走する白髪の妖怪と、頭に草が生えた空飛ぶ妖怪がいると

キジャ

そのような妖怪いたか?

ジェハ

君の話だよキジャ君

ハク

お前もだ空飛ぶ妖怪

ヴォルド

本当だとしたらその能力はもはや神の領域、そこで真実を確かめるべく高華国へ入りあなた方を探していたという訳です

ジェハ

有名になったものだね

ジェハ

それで?僕らを探してどうするんだい?

ヴォルド

我が姫タオ様に会って頂けませんか?

キジャ

断る!

ジェハ

はい解散ー

ジェハ

僕らはお偉いさんの見せ物ではないんでね

ミア

.....ぃ

ヴォルド

突然の話で誤解するのも無理は無い...

ヴォルド

しかし決して我が姫は見せ物目的であなた方に会いたがっている訳ではないし、危害を加えることもありません

ハク

尚更うさんくせえな

ミア

待ちなさい!

ヨナ

ミア、突然どうしたの?

ミア

その者の話を、もう少し詳しく聞きたい

ユン

え...?

ジェハ

...!

キジャ

ミア...

ミア

決してお前達を見せ物にしたいわけじゃない。

ミア

私が信用出来ないか?

キジャ

いや、信頼している

キジャ

分かった、少しだけ話を聞こうではないか

ミア

まずひとつ、何故コウレン姫ではなくタオ姫が私達を探しているのか。

ミア

もうひとつは、真国の現状について。

ヴォルド

.....痛いところをついてきますな

ミア

次に高華国が責めるのは真国だ。だから今、真国も戦の準備を進めているのでは無いのか?

ミア

特に、今の真国は高華国への恨みが深いはず.....コウレン姫とタオ姫の意見が分かれ、それに応じて派閥も分かれた........どうせこんなところだろう

ヴォルド

返す言葉もない、その通りでございます。

ヴォルド

我が姫タオ様は高華国との戦を望んでいない....そこで、高華国の即戦力であると言えるあなた方に話が通じれば....と思いまして...

ミア

決めるのはヨナだ。真国へ行くとなれば緋龍城からも離れるので、四龍達の意見も聞こう

ヨナ

.....今後の、高華国と真国の関係に関わる話でしょう?

ヨナ

.....

ジェハ

僕はヨナちゃんに任せるよ

キジャ

私も、どんな選択をされても姫様について行きます!

シンア

.....俺も....

ゼノ

うん、ゼノもいいよ

ライ

.....

ヨナ

.....行きましょう。真国へ

ハク

シンア暑くね?

シンア

蒸れる

ヴォルド

あまりキョロキョロしないで、真国の民を装ってください

ヴォルド

小さな町とはいえ、高華国の人間だとバレたら危険です

「さあてそこで慌てたのは宰相クシビ、砦は壊され処刑するはずの少女は逃げ出し、部下たちは次々と度肝も腰も尻毛も抜かれたぁ!」

ヨナ

あれは....

ヨナ

クシビ砦の戦を芝居に....?

キジャ

それで紫龍が噂になっているのですね

「そして現れたるは高華国からやってきた鋭き刃の爪を持つ白き妖怪!!」

「にゃにゃにゃにゃーん!!!!」

キジャ

!!??

キジャ

???あれは....私か?

ジェハ

みたいだね

「その妖怪の鋭い爪はクシビの兵に次々と引っ掻き傷をつくり〜」

「いつの間にやら攫われていた奴隷達を解放してしまった〜〜っ、しかし止まらぬ傍若無人の白き妖怪!!」

キジャ

あれのどこが私だッ

ハク

いや似てんぞw

老人「ちょっと待ていそこの!」

老人「なんだその芝居は!?高華国の化け物を英雄みたいに語りやがって、気に入らねぇ!」

老人「てめえコウレン様に逆らう気か!?」

「いえっ、決してそのような....」

「これはクシビ砦の戦いの寸劇ですから、コウレン様とは関わりなく....」

老人「黙れ!高華国が勝利する話なんざ、真国の士気を下げるわ!!」

ユン

何あれ

ミア

老人「真国の誇りを持つ者なら、高華国の化け物なんざひねり潰す話にしろ!!」

ミア

バッ

アルギラ

よーしよし、大丈夫だかんな

アルギラ

お?

ミア

.....

ヨナ

ミア...!

老人「てめ.....足どけ.....」

アルギラ

危ねーぞ嬢ちゃん

アルギラ

来世に逝ってこいタコが!

アルギラ

にゃんこぶん投げていい国の誇りなんざへそが出るぜ

ユン

反吐かな?

ミア

(この者は.....)

アルギラ

なっなんだてめえ!

アルギラ

見てんじゃねーよ可愛すぎんだろ!!

アルギラ

ちっちぇ〜〜!にゃんこちっちぇ〜〜!

アルギラ

ぷっきゅー?変な鳴き声ふざけんなよ〜〜♡♡

ヨナ

猫じゃないわ、リスよ

アルギラ

あ?

アルギラ

わっ、誰だお前ら

ヴォルド

アルギラ!

ヴォルド

お前...また町中で暴れやがって、目立つんじゃねーってあれほど言ったじゃねーか

アルギラ

あ"?にゃんこの一大事にしちゃ慎ましく対応したじゃねーかヴォルタコが

ヴォルド

お前がアホなのはもう仕方ねぇがこっちに迷惑かけんなアホギラ

アルギラ

相変わらずしょっぱい野郎だな、にゃんこでもモフって心を豊かにしろよ

ミア

はぁ、

ヨナ

あのー.....

ユン

その人は?

ヴォルド

失礼、こいつはアルギラ私の同僚です

アルギラ

おい何だよあのプキュにゃんは

ヴォルド

プキュにゃんは知らんが高華国の妖怪を連れてきた

アルギラ

マジか強ぇのか?

キジャ

妖怪では....

ミア

失礼ではなくて?

キジャ

ミア

私達は協力を求められたから乗ったのよ。仲間を侮辱される為では無い。

ミア

こいつら四龍は私達と変わらぬ人間だ。化け物だの妖怪だの.....せめて貴方達くらいはそう呼ぶの、やめてくれるかしら

ジェハ

....!

シンア

......

ゼノ

.....

ヴォルド

これは、大変失礼致しました、この国ではそう伝わっていたものでつい....

ミア

今後気をつければ問題ないわ。目的地へ案内しなさい

ヴォルド

はい(威圧が凄い....確実に平民では無いな。貴族か?なら何故仮面で顔を隠す?)

ヴォルド

(.....只者ではないな)

老人「うううちくしょう....コウレン様に報告してやる!」

「やめとけあいつはアルギラだ」

老人「くそう...あの売国姫の犬か...」

「大丈夫だ、コウレン様がいずれ何とかして下さる」

「コウレン様がきっと、高華国を討ち破りこの国を守ってくださる」

「化け物に死を!高華国に滅亡を...滅亡を!!」

ミア

ヨナ、聞かなくていいのよ

ミア

どうやら...この国にはいろいろ問題がありそうね

ヴォルド

ここはタオ姫の私邸です

ヨナ

......

キジャ

私は大丈夫ですよ姫様

ジェハ

そうだよヨナちゃん、狙われるのには慣れてるしいざとなったらすぐ出よう

ゼノ

緑龍に乗ってな

ジェハ

人数制限あります

ヨナ

......

ミア

ヨナ

ヨナ

ミア

さっきのを気にしているんでしょう?

ミア

大丈夫よ。ヨナがよく知ってるでしょ、こいつらはそんな簡単にやられる玉じゃないし、いざとなれば私が助けるわ

ヨナ

ミア....

ジェハ

いやいや、僕ら守る側ね?

キジャ

そうだ!そなた怪我も治らぬうちにまた無茶をしかねん!

タオ

あら、アルギラ、ヴォルド。お友達ですか?

ヴォルド

只今戻りましたタオ姫

アルギラ

友達なんて連れてくるわけねーだろ、ホラ、姫が会いたがってた高華国の妖....四龍だよ

タオ

えっ

タオ

まさか、何を言ってるのですかアルギラ

アルギラ

だから高華国の四龍だって

タオ

.....

タオ

ええええ嘘ですよね!?

アルギラ

俺が嘘ついたことあったかよ

タオ

ないですないですごめんなさいでも、そんな

タオ

お会いしたいとは言いましたが連れてきてとは....

アルギラ

いいじゃねーか、せっかくだから言いたいこと言っちゃえば

ユン

何かお姫様寝耳に水みたいだけど....?

ヨナ

高華国と真国の未来に関わると聞いて来たんだけど、何か違ってた?

タオ

....め、召し上がる?

ゼノ

わーい

タオ

あああ私ったら人様の都合も考えずに軽く言ったことでこんな子猫みたいな愛らしい女の子まで巻き込んで....

ハク

子猫かな?

ヨナ

何が言いたいのかしらハク

ヴォルド

真国の姫である貴方がその様に下手に出てはいけません

タオ

ごめんなさい

ヴォルド

謝るのも駄目です

タオ

はい

ヴォルド

それに貴方は、軽口で人を動かそうとはしません。だから彼らを連れてきたんです

タオ

ありがとうございますヴォルド

ミア

話は終わったかしら?

タオ

初めまして高華国の方々、ご挨拶が遅れました、真国の第二王女タオと申します

ジェハ

てっきり僕らの能力に興味があると思ってたけど

タオ

いいえ

タオ

どうしてあなた方にお会いしたいと思ったかは、力の問題ではないのです

ジェハ

ふうん、ではミアちゃんの予想通りなのかな?

タオ

あ.....察していらしたんですね、

タオ

コウレン.....その人は、この国の第1王女、正当なる王位継承者...私の姉です

ミア

...その姉と意見が対立し派閥が出来ている。タオ姫は高華国と戦でぶつかり民が犠牲になることがあってはならないと、こんな感じかしら

タオ

凄い、正解です

タオ

、私は、真国が高華国の属国になることを望んでいます

ジェハ

真国のお姫様にしては随分大胆な発言だね

タオ

....高華国のスウォン王は、先日の斉国との戦いに勝利し、その前には南戒の金州を制圧し....北戒のリ・ハザラ軍をも破っています

タオ

スウォン王が次に狙うのは...どこだと思いますか

ハク

....真国だな

ヨナ

...だから、コウレン姫は高華国に対し兵をあげようとしているのね

タオ

コウレン姉様は真国の姫として強い誇りを持っています

タオ

真国が他国に蹂躙されるなど、姉様にはとうてい受け入れられるはずがありません

タオ

それならばこちらから総攻撃を掛け、たとえ死んでもこの国の矜恃を保とうとするでしょう、

タオ

ですが......っ

タオ

今の真国の軍事力では、高華国遠く及びません

タオ

どんなにコウレン姉様の意思が固くても、どんなに気高い思いでも、それは純然たる事実です

タオ

高華国とその属国となった斉国

タオ

この両国に囲まれたこの状態で戦を仕掛ければ、真国は、真国の民は、確実に滅びます

タオ

ですから私は、多くの民を犠牲にする戦は避けて、高華国に降るしかないと思うのです

ジェハ

だから僕らを見て降参ーってなったわけか

ユン

でもなんで高華国の一般人の俺らにそんな話を?

タオ

えっ、あなた方はスウォン王の配下ではないのですか?

ヨナ

どうしてそう思ったの?

タオ

ホツマやクシビの砦にて、あなた方はスウォン王と共に闘っていたと聞いています

ハク

.....共に闘ったんじゃない、たまたま目的が同じだっただけだ

タオ

.....そうなのですか

タオ

でも、スウォン王と面識はあるのでしょう?お人柄はご存知ですか?私それを知りたくて.....

ハク

あの王が何を考えてるかなんて、知らねえよ

ミア

ハク、抑えなさい

ミア

タオ姫、1つ質問があるわ。

タオ

はい、なんでしょう?

ミア

コウレン姫の考えもよく分かっていないのよ、私達は。まずそこから問題ではなくて?

ミア

高華国に降った先が絶望と考えて、国の為にと戦をしようとしているのか....高華国の過去の行いが許せず、ただ単に同じことを仕返してやりたいだけなのか.....

ミア

コウレン姫の考え方によっては、色々話が変わってくるわ

タオ

あ.....ごめんなさい...私も姉の心情までは....

ミア

そう、ならいいわ。

ミア

スウォン王は.....少なくとも真国から話し合いの場を作ろうと提案したとしたら。.....警戒するでしょうし、危険に思って取り合おうとしないかもしれない。

タオ

....

ミア

けれど、こちらから切実に民を想う気持ちを伝えたら...同じく国を、民を想っているスウォンは、もしかしたら取り合おうと努力するかもしれない。

ミア

彼が、昔と変わっていなければ..の話だけど

ハク

...?

アルギラ

なぁタオ姫、にゃん達が腹減ったってよ、メシにしねえ?

タオ

本当ですね、お客様に立ち話ばかりで、お食事のご用意致しますね

ユン

あっおかまいなく...

ゼノ

美味しく頂くから

ユン

こらっ

タオ

お待たせしました

タオ

遠慮なく召し上がってくださいな

キジャ

いただきます

ミア

.......

ジェハ

ミアちゃん?

ミア

.....なに

ジェハ

体調良くないのかい?

ミア

そんなことない

ジェハ

少し休んでいたら?

キジャ

無理はよくないぞ!

ミア

ちがう

ジェハ

ははっ、なんだかいつもより言動が幼くて可愛いねえ、お腹は空いていないのかい?

ミア

.....ただちょっと...引っかかってることがあるだけ.....

ミア

せっかくのご好意だが、食事はやめておくわ。タオ姫、ごめんなさいね

タオ

あ、いえ...!私は全然...

ミア

.....少し風に当たってくるわ

ユン

早めに戻ってきてね〜

ヨナ

(すごく美味しそうなんだけど...今日はお腹が痛い、そういえば昨日から体が重いし....)

ヨナ

......!?

ヨナ

バッ!

ハク

姫さん?

ハク

どうしました?

ヨナ

(どうしよう...!こんな時に...ミアはさっき出ていってしまったし...体調が悪そうなのに頼りたくはない)

ハク

顔色悪いですよ?

ヨナ

近寄らないでっ!!

ハク

.....................近寄ってすみませんでした

ヨナ

違....っ、違うの

ヨナ

(お腹いた.....っ)

ジェハ

ヨナちゃん?

ユン

ヨナどうしたの?

ユン

大丈夫?

タオ

がしゃーん

ユン

えっ、ええーーっ!

ユン

タオ姫!?

ばさっ

タオ

ヨナさんはお眠のお時間なのでお休みします!皆さんはお食事続けてください!

ミア

ヨナ、ごめんね席を離れた間に

ヨナ

あ、いや...大丈夫よ...

ミア

タオ姫に任せるわね。こっちのフォローは任せて

ヨナ

ごめん、ありがとう....

ハク

お食事続けてったって...なぁ....

ミア

あんた達......

ユン

え、何、ミア?

ミア

はぁ、

ミア

さっきのことについてヨナを心配したり詳しく追求したら殺すわよ

ハク

はあ!?なんだそんな重大なことだったのか!?

ジェハ

罪が重いね....

ミア

少しは空気を読めってことよ

ライ

はは、お前ら見てると愉快だわ

ミア

たく、ヨナいつも苦労してたのね

ヨナ

(夜風に当たろう....)

ヨナ

......?

ヨナ

誰?

死ねっタオ姫!!

ガッ! バキッ!

ミア

珍しく息が合うじゃないハク

ハク

流石だと言いてえがあんたユンくんに怒られても知らねーぞ

ミア

ヨナ、大丈夫?

ヨナ

う....うん....

ハク

......近寄ってすみませんでした

ヨナ

だからさっきのはねっ

ぐあっ!

ジェハ

ほらほら、イチャイチャしてると殺られるよ?ハク

ハク

そんな楽しいことしてるように見えるのかよ、俺は今怒られてんだよ

ヨナ

怒ってないって

キジャ

姫様ご無事ですか!?

ヨナ

うん

ハク

一体なんだこいつらは

ヨナ

私を...タオ姫だと思って...殺そうとした...

シンア

こいつらだけじゃない....

シンア

この谷に何人も入り込んでる.....

ヨナ

タオ姫はどこ....!?

ヨナ

タオ姫が危ない.....!!

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