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日本 アリス児童養護施設

紗凪

(入ってくる)なんだか懐かしい

ダンダンダンダン!

紗凪

陽平

(抱きつく)

紗凪

陽平

おかえり!

紗凪

陽平!

陽平

やっと帰ってきたな!

紗凪

ただいま。歓迎が荒すぎ

陽平

半年も会わないなんて人生で一度もなかっただろ?久々の再会ってなると人間はこうなるんだよ

紗凪

陽平だけだと思うけど

園長

紗凪、おかえり

紗凪

園長!ただいま戻りました

園長

韓国はどうだった?

紗凪

向こうの子供達も可愛くて、職員の方々にも優しくしていただいて、たくさん勉強できました

園長

それは良かった。お世話になってたお家とは?色々あったみたいだけど

紗凪

ほんとに色々ありましたけど、和解してすごく良くして頂いました。第二の故郷ができた気分です

園長

それは良かった。あの男の子とは?

陽平

男?

園長

施設の前で会ったあの人。いい人だった

紗凪

、、仕事が忙しくて最後の方はなかなか会えませんでしたが、よくしていただきました

園長

そう。それは良かった

紗凪

、、

陽平

、、

紗凪

(引き継ぎノート見る)ここが変わったんだ。こっちの方が効率良さそう。向こうでもこうすれば良かった

陽平

紗凪さぁ、なんか変わったな

紗凪

え?何が?

陽平

女の顔してる

紗凪

え?!何いきなり?!

陽平

ここにいた時は仕事に生きてます!って感じだったけど、今は活き活きしてるし、肌ツヤが良い

紗凪

肌ツヤなんて陽平にわかるの?

陽平

わかるよ!バカにするなよ

紗凪

(笑う)

陽平

25年間隣で見てきたんだ。すぐわかる

紗凪

、、

陽平

俺が隣にいてもこんな変化一度もなかったなぁ。男として見られてなかったってことかぁー。。

紗凪

え?

陽平

向こうでできたんだろ?好きなやつ

紗凪

え?

陽平

見ればわかるし、電話越しでもなんとなくわかった

紗凪

、、

陽平

本当は向こうに残りたかったんじゃないのか?

紗凪

、、

陽平

言っちまえよ。俺ら、、家族なんだから

紗凪

、好きだったけど、私はこっちに戻るし、遠距離恋愛なんて自信ないし。だって付き合ったこともないんだよ?それなのにいきなり遠距離なんてハードル高すぎる

陽平

だからってそのまま帰ってきたのか?

紗凪

最後の1週間は向こうが仕事で家にいなくて会ってないから。それでよかった。会っちゃうと気持ちが揺らいじゃうから

陽平

もういいのか?

紗凪

うん。これだけ距離が離れてるんだもん。すぐ忘れられる

陽平

、、

2ヶ月後

ガチャ

紗凪

やっと終わったぁー!(ベッドに倒れ込む)

イソ

通話終了

通話
00:00

紗凪

もしもし?

イソ

久しぶり。元気?

紗凪

イソ!元気だよ。イソは?

イソ

私も。ちなみにうちの家族も

紗凪

良かった。どうしたの?

イソ

お母さんから荷物届いてる?

紗凪

うん。1週間おきぐらいに

イソ

また送るって今さっき準備してて。大丈夫かなって。ちゃんと生活できてるか心配みたい。こんなに心配性の性格じゃなかったはずなのに

紗凪

こっちは大丈夫。むしろ嬉しい。こんなに気にかけてくれるなんて

イソ

たぶんもう自分の娘とか思っちゃってるんじゃないかな?

紗凪

だったらなおさら嬉しいよ

イソ

懲りずに受け取ってあげてね。あ、今回は私も乾麺入れといたから。こっちにいた時に美味しいって言ってたやつ

紗凪

ありがとう!あれすごく美味しかった

イソ

欲しかったらまた言って。あ、それと

紗凪

ん?

イソ

あ、いや、、何でもない。じゃあまた連絡するね

紗凪

うん。わざわざ連絡ありがとう。またね

コンコン

園長

紗凪

紗凪

はい

園長

勤務時間終了後に悪いんだけど、夜勤の子のお子さんが熱出しちゃったみたいで1人欠員になってて。少しだけ手伝ってもらっても良い?

紗凪

もちろんです

園長

ありがとう。中庭の花の入れ替えなんだけど

紗凪

大丈夫です。了解です

紗凪

なんだか暗くなってきた。早く終わらせちゃおう

ゴロゴロ、、

紗凪

ポツポツ☔️

紗凪

!、(手が震える)ふぅー、、

ゴロゴロ

紗凪

、、

紗凪の周りだけ雨がかからなくなる

紗凪

?(見上げる)

イジュン

(傘をさしてる)

紗凪

イジュン

大丈夫か?

紗凪

!なんで

イジュン

また震えてるんじゃないかと思って

紗凪

そうじゃなくて、なんでここに

イジュン

日本で仕事があったから

紗凪

、そうなんだ

イジュン

(立ち上がらせる)大丈夫か?

紗凪

、うん。大丈夫

イジュン

、、

紗凪

、、

陽平

紗凪?!大丈夫か?!

紗凪

陽平

陽平

あ、、もしかして

紗凪

韓国でお世話になった

イジュン

チェ・イジュンです

紗凪

こちらがここの養護施設の

陽平

(韓国語)橘陽平です。よろしく

紗凪

え?!なんで?

陽平

お前が韓国に行ってから暇で。覚えてみようかなぁって思って教室に通ってたんだ

紗凪

そんなことするなんて意外

陽平

いつ向こうに行くかわからないだろ?

紗凪

行くことなんてある?

イジュン

うるさいな。それより大丈夫か?

紗凪

うん

陽平

とりあえず2人とも中に入ろう

紗凪

、、

イジュン

、、

陽平

結構降ってきたなぁ。こんなに降ると思わなかった

紗凪

、、

イジュン

、、

陽平

、(韓国語)韓国で紗凪がお世話になりました

イジュン

いえ

陽平

迷惑かけてなかったですか?

イジュン

そんなことは

紗凪

そんな韓国語まで覚えたの?

陽平

時間はたーっぷりあったからな。実はペラペラぐらい話せる

紗凪

嘘でしょ?!

陽平

こいつよく寝言言うんですよ。向こうで言ってませんでした?早くご飯たべたーいって

紗凪

余計なこと言わなくて良い!

陽平

はいはい、わかったよ。お茶持ってくるんで待っててください(行く)

紗凪

、、

イジュン

、、

紗凪

こっちにはいつ?

イジュン

一昨日。日本の企業と共同事業を進めてて、そのミーティングで

紗凪

そうなんだ。いつ帰るの?

イジュン

明日

紗凪

そっか

イジュン

、帰国の日

紗凪

え?

イジュン

見送れなくてごめん。仕事が忙しくて

紗凪

あ、うん、大丈夫。みんなが見送ってくれたから

イジュン

そうか

紗凪

おじいさんは元気?

イジュン

あぁ。母さんが気遣って料理とか作るようになって、逆にちょっとうんざりしてる

紗凪

なんとなく想像つくかも

イジュン

紗凪は?元気でやってるか?

紗凪

うん、いつもと変わらずかな

イジュン

そうか

紗凪

、、

イジュン

あのさ

コンコン

同僚

あ、紗凪さん、ここにいたんだ

紗凪

どうしたの?

イジュン

、、

同僚

美緒ちゃんがまた泣き出しちゃったみたいで。誰が言っても泣き止まないから、やっぱり紗凪さんを呼ぼうって

紗凪

そうだったんだ。わかった

同僚

、お客さんですか?

紗凪

あ、うん。韓国でお世話になった

同僚

どうも

イジュン

(会釈)もう帰るよ。忙しそうだし

紗凪

わかった。気をつけて帰ってね

同僚

紗凪さん、行きましょう(手を引く)

紗凪

またね

イジュン

、、

陽平

あれ?紗凪は?

イジュン

仕事に戻ったみたいです。僕もこれで

陽平

あの!

イジュン

陽平

まだ時間あります?

イジュン

陽平

はぁー!やっぱビール最高!イジュンさんも飲んで飲んで

イジュン

はい

陽平

あいつ、韓国で本当に大丈夫でしたか?遺産騒動に巻き込まれたとか途中で聞いてびっくりしました

イジュン

それは僕の祖父が。巻き込んでしまって申し訳ない

陽平

まぁでも、良い顔してましたよ、帰ってきた時は

イジュン

え?

陽平

ここ1ヶ月はちょっと暗いかなぁ。ぽっかり穴が空いたみたいに

イジュン

、、

陽平

色々あったみたいだけど、そっちの生活はすごく楽しかったみたいで。今までの紗凪は、どちらかと言うと辛いことの方が多かったから、笑顔が見れて良かったです

イジュン

最後の1週間は仕事が忙しくて家にあまり帰れなくて、最後の見送りもできませんでした

陽平

見送りたかったですか?

イジュン

、出来れば

陽平

好きなんですねー、紗凪のことが

イジュン

え?

陽平

俺、そうゆうの察するの得意なんですよ

イジュン

、、

陽平

俺、実を言うとあいつのこと好きでした

イジュン

陽平

生まれてすぐうちの施設に来て、たくさん辛い思いをしてるところも見てたから。俺が守らなきゃって思ってたんです。でも、韓国に行って、最初は大変そうで連れ戻そうって思ったんですけど、途中からみんなに受け入れてもらえたとか、誰とどこに行ったとか楽しそうに話す紗凪を見て、俺が入れる隙間は無いんだなぁって。そう思ったら女として見る目から家族を応援したい気持ちに変わってました

イジュン

、、

陽平

あいつ、すっげぇ良いやつなんです。自分が色んな経験した分、人にはすごく優しくて。でも、辛い時に辛いって言えなくて

イジュン

そうですね

陽平

あいつのこと支えてくれますか?ずっとそばにいてくれますか?

イジュン

、その相手は僕じゃ無いと思います

陽平

え?

イジュン

韓国で自分の思いは伝えました。けど、返事はなかった。それが答えだと思います

陽平

そんな

イジュン

それに、こっちでも支えてくれそうな人はいるんじゃ?

陽平

え?誰だ?

イジュン

僕は明日帰ります。たぶん、もう会うことは無いと思います

陽平

、、

翌日

紗凪

(仕事中)

同僚

紗凪さん、これってどうしますか?

紗凪

うーん、これはねぇ

同僚

(近づく)

陽平

(入ってくる)あいつか、

同僚

この日はこの時間がいいと思うんですよね

紗凪

その方がいいかもね

陽平

はいはい、話終わったなら早く教室戻る!

紗凪

突然どうしたの?

陽平

お前のクラス、なんかケンカ始まりそうな雰囲気だったぞ?

同僚

え?ちょっと行ってきます(行く)

紗凪

私もそろそろ行こうかな

陽平

お前はこっち

紗凪

え?

紗凪

こんなところに連れてきてどうしたの?

陽平

イジュンさん、今日帰るって

紗凪

、知ってる

陽平

いいのか?このまま行かせて

紗凪

いいも何も、私たちには何も無いから

陽平

告白されたんだろ?

紗凪

何でそれを

陽平

ごめん、昨日聞いた

紗凪

、、

陽平

いいのか?これで。お前もう会わないつもりだろ?

紗凪

私には無理だよ。距離があるなんて。それに私なんかが

陽平

ウジウジすんなよ!好きなんだろ?

紗凪

陽平

距離なんていいじゃねぇか。好きなら何とでもなる

紗凪

、、

陽平

一緒にいたいって言う気持ちが大事なんじゃないのか?

紗凪

、陽平

陽平

ん?

紗凪

なんか偉そう

陽平

せっかく俺がありがたいお言葉を述べたのに

紗凪

ありがとう

陽平

紗凪

自信がなかったの。告白された時すぐ返事ができなかったから。色んな理由探して逃げてただけ

陽平

じゃあ、今はどう思ってるんだ?

紗凪

今は

陽平

ストップ!!

紗凪

え?

陽平

これを俺が聞いちゃダメだな。その続きは本人に直接!15:00の飛行機みたいだぞ

紗凪

陽平、、ありがとう!

陽平

頑張れよ!お前には家族同然の俺がついてるんだから

紗凪

!うん!

イジュン

(歩いてる)

紗凪

(走る)!待って

イジュン

(気づかない)

紗凪

!イジュン!!

イジュン

?!紗凪?

紗凪

はぁはぁ。。間に合った。。

イジュン

何でここに

紗凪

まだ言えてないから

イジュン

え?

紗凪

あの時はごめんなさい。返事ができなくて。自信がなかったの。自分なんかがって。でもそれから1週間、一度も会えなくて、もう気持ちが冷めたんだって思ってた。だから日本に帰ったらもう会わないって、自分の気持ちに蓋をしようって思ってたの

イジュン

紗凪?

紗凪

私、イジュンが好き

イジュン

紗凪

好きだって言われた時も、その前から好きだった

イジュン

紗凪

色々考えすぎちゃったの。親がいない捨てられた子が、こんな立派な人と一緒になっていいのかって。そればっかり考えちゃって

イジュン

(抱きしめる)

紗凪

イジュン

親がいないとか、身分がどうとか関係ない。俺は、そのままの紗凪を好きになったんだ

紗凪

イジュン

見ず知らずの人を助けて厄介なことに巻き込まれても、人を思いやって優しいところとか、その笑顔なところとか。そんな紗凪が好きなんだ

紗凪

、、

イジュン

紗凪

紗凪

ん?

イジュン

好きだ

紗凪

イジュン

今度は返事、くれるか?

紗凪

!、私もイジュンが好き

イジュン

😊

紗凪

😊

3ヶ月後

ミンソ

荷物はこれだけ?

イソ

まだあるみたい

ミンソ

男なのに荷物が多いわね

ガチャ

パク秘書

いらっしゃいました

紗凪

お久しぶりです

ミンソ

やっと来たわね

イソ

もうすぐくると思うんだけど

イジュン

紗凪!

紗凪

!イジュン

イジュン

(抱きしめる)

紗凪

ミンソ

まぁまぁ、家族の前でよくやるわ

イソ

3ヶ月ぶりなんだから許してあげよう

イジュン

無事に来れたんだな

紗凪

何回も来てたんだから当たり前でしょ?それに空港までパクさんが迎えに来てくれたし

パク秘書

久々に会えて嬉しかったですよ

紗凪

私もです

ミンソ

お父さんは?

イソ

さっき出て行ったけど

ガチャ

サンムン

もう来てたのか

紗凪

おじいさん!お久しぶりです

サンムン

元気だったか?

紗凪

はい

サンムン

イジュン、準備はできたのか?

イジュン

あぁ

サンムン

イジュン、大事な話がある

イジュン

紗凪

サンムン

来月から社長室に出勤しなさい

イジュン

え?

紗凪

?!

サンムン

世代交代だ。来月から会長の座につくことにした

イジュン

紗凪

サンムン

お前はよくやってる。もう任せてもいいと思ったんだ。もうパク秘書が手続きをしてくれてる

パク秘書

あとはイジュン本部長の返事のみです

サンムン

これから一緒に暮らすんだろう?プライベートでも仕事でもこれからはもっと責任を持っていってほしいと思ってな

紗凪

おじいさん

サンムン

で、どうする?やるのか?やらないのか?

イジュン

もちろんやるよ。ありがとうございます

サンムン

頑張るんだぞ

イジュン

はい

サンムン

紗凪

紗凪

はい

サンムン

イジュンのこと頼むぞ

紗凪

はい

紗凪

よかったね。おじいさんに認めてもらえて

イジュン

あぁ

紗凪

私が社長に就きそうだった時、ものすごく嫌がってたもんね

イジュン

あの時はな。ずっと決めてたから

紗凪

決めてた?

イジュン

父さんが亡くなってから、父さんの代わりに会社を支えていくって決めてたんだ

紗凪

そうだったんだ。ねぇ、お父さんってどんな人だったの?

イジュン

忙しい人だったよ。仕事仕事であんまり家にいなかった。けど、休みになったら必ず家族で出かけたんだ

紗凪

すごく家族思いのお父さんだったんだね。お会いしてみたかったな

イジュン

そうだな。そういえば、本当に良かったのか?こっちに来て

紗凪

向こうの子供達のことは大好きだし、すごく悩んだんだけど、陽平と園長が自分の好きなところに行きなさいって。今まで家族がいなかった分、これからは大切な人と一緒に居たいの

イジュン

紗凪

紗凪

本当に私でいいの?

イジュン

紗凪がいいんだよ

紗凪

ありがとう

イジュン

紗凪

紗凪

ん?

イジュン

これからはずっと一緒にいよう。もう紗凪なしの人生なんて考えられない

紗凪

私も。ずっと一緒に居たい

イジュン

好きだよ、紗凪

紗凪

😊

イジュン

😊

END

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